SI Research Memo(9):既存事業の2ケタ成長と新規事業の収益化実現、ストック型ビジネスの拡大等に取り組む
[20/11/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
3. 成長戦略
今後の成長戦略として、システムインテグレータ<3826>は既存事業での2ケタ成長に加えて、新規事業(AISI∀-AD、TOPSIC等)の収益化により成長を加速していく方針を打ち出している。ERP事業やE-Commerce事業などの2ケタ成長実現に向けては、開発リソースの一段の拡充が必要となる。従来、ベトナムに開発拠点を設ける計画であったが、コロナ禍において現地との人の往来が難しくなっていること、景況感の悪化もあって国内ニアショア拠点が以前よりも活用しやすくなってきたことから、当面は国内ニアショア拠点での協力企業の開拓と育成を推進していく予定にしている。ベトナム開発拠点の設置については2021年度以降に仕切りなおす計画だ。また、新規事業の「AISI∀-AD」「TOPSIC」については導入実績が増えはじめ、中期的に収益貢献が見通せる状況にまでなってきている。いずれも潜在需要は大きいだけに、今後の展開が注目される。
また、同社はストック型ビジネスの拡大と生産性向上に取り組むことで、安定性の高い高収益体質に事業構造を転換していくことを目指している。現状は開発案件の受注状況や不採算案件の有無等によって収益も大きく変動する傾向にあり、こうした事業リスクの低減を図る。
(1) ストック型ビジネスの拡大
ストック型ビジネスの売上構成比は現状の20%台から、将来的に40%程度に引き上げていくことを目指している。なかでも「OBPM」や「OBDZ」等のクラウドサービスや、ERP事業での中小企業をターゲットとしたサブスクリプションモデルでのサービス展開、「TOPSIC」の拡販などに取り組むことでストック比率を引き上げていく考えだ。
「OBPM」の2020年2月期第2四半期累計の製品売上構成比を見ると、クラウドサービスが38.2%、オンプレミス(保守料)が46.2%となっており、既に全体の80%以上がストック型ビジネスとなっているが、2022年2月期にはクラウドサービスのみの販売に完全移行する計画となっている。このため、オンプレミス販売と比較した場合、収益の一時的目減りが今後2〜3年間発生することになるが、それ以降は安定的な収益源として機能する見通しだ。
(2) 生産性向上への取り組み
ソフトウェア開発では、計画どおりにプロジェクトを完成させることができるかが収益性を左右することになる。プロジェクトが大規模化するほどスケジュール管理が難しくなり、また、途中で仕様の変更などが入った場合には手戻りを余儀なくされ、開発期間が当初想定よりも延伸し、結果、不採算案件となってしまうケースも多い。
こうしたリスクを低減するため、同社は自社開発品である「OBPM」を全社に導入し、プロジェクト管理の徹底を図っているが、それでも不採算案件の発生を完全に防止できることは難しく、今回もERP事業で大型の不採算案件が発生した。このため、同社ではエンジニアだけでなくプロジェクトマネージャーのスキルアップ強化にも、より一層取り組んでいく方針としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
3. 成長戦略
今後の成長戦略として、システムインテグレータ<3826>は既存事業での2ケタ成長に加えて、新規事業(AISI∀-AD、TOPSIC等)の収益化により成長を加速していく方針を打ち出している。ERP事業やE-Commerce事業などの2ケタ成長実現に向けては、開発リソースの一段の拡充が必要となる。従来、ベトナムに開発拠点を設ける計画であったが、コロナ禍において現地との人の往来が難しくなっていること、景況感の悪化もあって国内ニアショア拠点が以前よりも活用しやすくなってきたことから、当面は国内ニアショア拠点での協力企業の開拓と育成を推進していく予定にしている。ベトナム開発拠点の設置については2021年度以降に仕切りなおす計画だ。また、新規事業の「AISI∀-AD」「TOPSIC」については導入実績が増えはじめ、中期的に収益貢献が見通せる状況にまでなってきている。いずれも潜在需要は大きいだけに、今後の展開が注目される。
また、同社はストック型ビジネスの拡大と生産性向上に取り組むことで、安定性の高い高収益体質に事業構造を転換していくことを目指している。現状は開発案件の受注状況や不採算案件の有無等によって収益も大きく変動する傾向にあり、こうした事業リスクの低減を図る。
(1) ストック型ビジネスの拡大
ストック型ビジネスの売上構成比は現状の20%台から、将来的に40%程度に引き上げていくことを目指している。なかでも「OBPM」や「OBDZ」等のクラウドサービスや、ERP事業での中小企業をターゲットとしたサブスクリプションモデルでのサービス展開、「TOPSIC」の拡販などに取り組むことでストック比率を引き上げていく考えだ。
「OBPM」の2020年2月期第2四半期累計の製品売上構成比を見ると、クラウドサービスが38.2%、オンプレミス(保守料)が46.2%となっており、既に全体の80%以上がストック型ビジネスとなっているが、2022年2月期にはクラウドサービスのみの販売に完全移行する計画となっている。このため、オンプレミス販売と比較した場合、収益の一時的目減りが今後2〜3年間発生することになるが、それ以降は安定的な収益源として機能する見通しだ。
(2) 生産性向上への取り組み
ソフトウェア開発では、計画どおりにプロジェクトを完成させることができるかが収益性を左右することになる。プロジェクトが大規模化するほどスケジュール管理が難しくなり、また、途中で仕様の変更などが入った場合には手戻りを余儀なくされ、開発期間が当初想定よりも延伸し、結果、不採算案件となってしまうケースも多い。
こうしたリスクを低減するため、同社は自社開発品である「OBPM」を全社に導入し、プロジェクト管理の徹底を図っているが、それでも不採算案件の発生を完全に防止できることは難しく、今回もERP事業で大型の不採算案件が発生した。このため、同社ではエンジニアだけでなくプロジェクトマネージャーのスキルアップ強化にも、より一層取り組んでいく方針としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>