ベルシス24 Research Memo(7):前中期経営計画では、営業利益は2ケタの平均成長率を実現
[20/11/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期経営計画
1. 前中期経営計画の目標達成状況
ベルシステム24ホールディングス<6183>は、2018年2月期から2020年2月期を対象とする前中期経営計画では、「収益と事業拡大」、「人材資源」、「働き方」をテーマに掲げ、目標数値として最終年度の売上収益1,310億円、営業利益115億円、営業利益率8.8%、ROE14.3%、ネットD/Eレシオ1.2倍を目指した。厳しい労働需給環境のもと、適正な価格改定、人材の安定確保と退職抑止、伊藤忠商事と凸版印刷とのシナジーの拡大などにより、2020年2月期の売上収益は1,266億円、営業利益は111億円、ネットD/Eレシオも1.23倍と目標にやや届かなかったものの、3年間の年平均成長率は売上収益で5.2%、営業利益では10.6%を実現した。結果、営業利益率は8.8%、ROEは14.8%で計画を達成し、2017年2月期から大きく改善している。特に、同社が最も重視する利益率は、医薬関連事業再編の影響から2019年2月期には一時的に悪化したが、最終的には目標をクリアし、本業の自律的な成長(オーガニック成長)が続いていると言える。また、前中期経営計画で実施した数々の取り組みが、今後も同社の成長を下支えすると考えられる。
新中期経営計画では、人材活用・DX推進・アライアンス強化により、更なる業績拡大を目指す
2. 新中期経営計画の目標
2020年5月に就任した野田新社長のもとで発表した「中期経営計画2022」(2021年2月期−2023年2月期)の概要は、以下のとおりである。
まず、同社では、今後3年間については、激変する社会を成長機会と捉えている。すなわち、社会の状況変化については、パンデミック、気候変動、サイバーセキュリティなどの複合リスク、 人々の価値観と行動の変化(対面から非対面へ)、テクノロジーの加速的な進歩による労働環境の変化などを予想する。そして、社会で予測される市場変化として、非対面への移行やBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策によるコンタクトセンター需要の増加、顧客接点変化や早期リスク発見など音声データの重要性の高まり、データ活用によるマーケティングが企業競争力に直結することなどを想定する。そうした環境変化のなかで、同社に求められる課題として、オペレーションから新技術まで多様な人材の活躍とBCPを念頭に置いた在宅コンタクトセンターの強化、多元的なデータ分析を実現するための音声・CRM基盤の整備、DXを加速・最大化させるために優良パートナー企業との協業強化が必要であると見ている。
同社では、年間3,000の業務フロー、5億件を超す応対実績と知見を生かしたコンサルティング力によって、パートナー企業とともにサービスの付加価値・品質向上を提供し、さらに新領域での事業連携を創出することが、成長につながると考えている。そこで、新中期経営計画では、1)「社員3万人の戦力最大化」、2)「音声データ活用によるDX推進」、3)「信頼と共創のパートナー成長」を重点施策と定め、その実現のために今後3年間で合計100億円以上の追加投資を行う。その結果、計画最終年度の2023年2月期には、売上収益1,480億円(年率5.3%増)、営業利益140億円(営業利益率9.5%)、税引後利益90億円(年率8.7%増)、ROE14.8%、ネットD/Eレシオ0.91倍の達成を定量目標として目指す。今後の社会・経済環境の変化を前提とした上での、意欲的な目標設定と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<NB>
1. 前中期経営計画の目標達成状況
ベルシステム24ホールディングス<6183>は、2018年2月期から2020年2月期を対象とする前中期経営計画では、「収益と事業拡大」、「人材資源」、「働き方」をテーマに掲げ、目標数値として最終年度の売上収益1,310億円、営業利益115億円、営業利益率8.8%、ROE14.3%、ネットD/Eレシオ1.2倍を目指した。厳しい労働需給環境のもと、適正な価格改定、人材の安定確保と退職抑止、伊藤忠商事と凸版印刷とのシナジーの拡大などにより、2020年2月期の売上収益は1,266億円、営業利益は111億円、ネットD/Eレシオも1.23倍と目標にやや届かなかったものの、3年間の年平均成長率は売上収益で5.2%、営業利益では10.6%を実現した。結果、営業利益率は8.8%、ROEは14.8%で計画を達成し、2017年2月期から大きく改善している。特に、同社が最も重視する利益率は、医薬関連事業再編の影響から2019年2月期には一時的に悪化したが、最終的には目標をクリアし、本業の自律的な成長(オーガニック成長)が続いていると言える。また、前中期経営計画で実施した数々の取り組みが、今後も同社の成長を下支えすると考えられる。
新中期経営計画では、人材活用・DX推進・アライアンス強化により、更なる業績拡大を目指す
2. 新中期経営計画の目標
2020年5月に就任した野田新社長のもとで発表した「中期経営計画2022」(2021年2月期−2023年2月期)の概要は、以下のとおりである。
まず、同社では、今後3年間については、激変する社会を成長機会と捉えている。すなわち、社会の状況変化については、パンデミック、気候変動、サイバーセキュリティなどの複合リスク、 人々の価値観と行動の変化(対面から非対面へ)、テクノロジーの加速的な進歩による労働環境の変化などを予想する。そして、社会で予測される市場変化として、非対面への移行やBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策によるコンタクトセンター需要の増加、顧客接点変化や早期リスク発見など音声データの重要性の高まり、データ活用によるマーケティングが企業競争力に直結することなどを想定する。そうした環境変化のなかで、同社に求められる課題として、オペレーションから新技術まで多様な人材の活躍とBCPを念頭に置いた在宅コンタクトセンターの強化、多元的なデータ分析を実現するための音声・CRM基盤の整備、DXを加速・最大化させるために優良パートナー企業との協業強化が必要であると見ている。
同社では、年間3,000の業務フロー、5億件を超す応対実績と知見を生かしたコンサルティング力によって、パートナー企業とともにサービスの付加価値・品質向上を提供し、さらに新領域での事業連携を創出することが、成長につながると考えている。そこで、新中期経営計画では、1)「社員3万人の戦力最大化」、2)「音声データ活用によるDX推進」、3)「信頼と共創のパートナー成長」を重点施策と定め、その実現のために今後3年間で合計100億円以上の追加投資を行う。その結果、計画最終年度の2023年2月期には、売上収益1,480億円(年率5.3%増)、営業利益140億円(営業利益率9.5%)、税引後利益90億円(年率8.7%増)、ROE14.8%、ネットD/Eレシオ0.91倍の達成を定量目標として目指す。今後の社会・経済環境の変化を前提とした上での、意欲的な目標設定と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<NB>