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ヒトコムHD Research Memo(6):インサイドセールス事業は2期連続の3割増を見込む(2)

注目トピックス 日本株
■事業概要

(2) 販売系営業支援
ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス<4433>の販売系営業支援で行う業務は、スマートフォン及び携帯電話等の販売、固定通信回線(光回線等)への加入促進業務、大型テレビ、デジタルレコーダー、タブレット端末及び生活家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機等)の販売になる。また、生鮮食料品や化粧品、ファッションの販売も行っている。クライアントの営業施策の変化により収益に変動が生じるものの、モバイルやブロードバンドという通信インフラ関連のビジネスは市場が大きく、同社グループも得意としている。

同事業の遂行に当たって、同社グループは組織運営力、人材育成力、エリア対応力、成果追求力から成る「ヒト力」を特長とする。すなわち、約15,000人の高い専門性を持つ人材、未経験者を経験者に育成する研修制度、全国に展開する営業拠点、そしてクライアントとともに成果を追求するビジネスモデルである。成果追求型のビジネスモデルは、同社グループのスタッフの販売実績や接客対応をもってクライアント企業の業績向上を図る。アウトソーシング事業では、「業務運営事務局」がクライアント企業に代わり、販売戦略の企画立案、マーケティング、販売体制の構築、人員採用、教育・研修、接客販売、販売管理、スタッフ管理、顧客ニーズのフィードバック等の業務を担っている。

クライアントごとに設置する「業務運営事務局」は、クライアントの課題や施策を共有し、業績を向上させるための体制である。例えば、販売現場運営のアウトソーシングを受託した際には、販売促進の施策を立案・提供し、商材に精通したスタッフが販売を行う。そして販売実績のフィードバックを行う、という一連の販売業務を遂行していく。スタッフの採用と教育・研修も「業務運営事務局」のなかで行われるが、「未経験者を経験者に」「よりリアルに、より実践的に」をキーワードに、販売などの現場に見立てた「仮想店舗」でのロールプレイングで実践に近い経験を積むことができる充実した教育・研修制度がある。販売不振に陥りやすい1ヶ月目、3ヶ月目にフォローアップ研修も実施している。さらに、全国に営業拠点を展開しているため、クライアント商材の販売を全国規模で請負うことも可能となっている。クライアントはスタッフ管理や教育・研修負担が軽減し、現場とマーケティング機能を分離することができるため業務の効率化を享受することができる。また同社グループの教育・研修制度を経たスタッフが就業することにより、安定した業績を確保することができる。こうした体制は、家電、ブロードバンド、モバイル、ストアサービス、コールセンターで展開されている。

(3) ホールセール
ホールセール事業は、衣料品の企画から販売までの一連の業務を担う。単なる卸売ではなく、国内外の大手小売店に対し衣料品の企画提案からデザイン、製造、生産管理、販売、PRに至るまでアパレル製造の全プロセスを一括受託する。ブランドやコンテンツホルダー、インフルエンサーと協業し、他社との差別化を図ることで商品の付加価値を高めている。生産は中国等で行い、短期間で丁寧な製造を実現している。100を超えるブランドとライセンス契約をし、他社ブランド製品の製造を行うOEM(Original Equipment Manufacturing:受託製造)と設計(企画)・開発・製造を行うODM(Original Design Manufacturing)を手掛けている。

(4) ツーリズム・スポーツ
ツーリズム・スポーツセクターは、国内・海外旅行の添乗派遣、訪日外国人向け人材サービス、免税カウンター、空港内における各種人材サービス、展示会・コンベンション・スポーツイベント運営業務をカバーする。最近では、インバウンド・ツーリズムやスポーツの領域にも「業務運営事務局」の設置を広げている。また同社グループの教育・研修制度は、販売員のほか、インバウンド領域における通訳士・ツアーコンダクター、スポーツイベント及びMICE運営といった分野の人材を育成することができる。

(5) セールスビジネス支援
セールスビジネス支援は、キャッシュレス決済導入を中心とする訪問販売による営業支援業務である。2019年10月の消費税増税を機に、税率引き上げ後9ヶ月間に限り、中小小売店で電子マネーやクレジットカードなどでキャッシュレス決済をした消費者に対し、購入額の5%分のポイントを還元する政策が取られた。同分野に本格参入した2019年8月期は、売上高が前期比644.8%増の1,185百万円となった。2020年8月期は、キャッシュレス決済の外訪型営業ニーズが一巡したことで、同36.3%減の755百万円へ減少した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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