グローブライド Research Memo(6):withコロナ時代の「ニューノーマル」にマッチした事業ポートフォリオ
[20/12/04]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■グローブライド<7990>の成長戦略・トピックス
1. withコロナ時代の「ニューノーマル」と事業ポートフォリオ
withコロナ時代の「ニューノーマル」の具体的実践例が政府や自治体から提案され、定着しつつある。いずれも3密を避け、感染リスクを最小化することを目的としたものである。「ニューノーマル」の中でも特に同社の事業と関連するものは、「遊びにいくなら屋内より屋外」「都心への移動は控える」「個人・少人数でスポーツ・レジャー」「公共交通機関の密を避ける」などだが、これらの方針の中でトレンドとなっているのが「少人数で行うアウトドアスポーツ・レジャー」である。キャンプや小旅行などが人気を博しているが、同社の事業領域である「フィッシング」が旅先でのアクティビティとして有力な選択肢となっている。また、公共交通機関の密を避けるなか、自転車による通勤、通学、移動が推奨され、エコで健康増進にも貢献するためブームとなっている。ゴルフやテニスなども含めて、withコロナ時代の「ニューノーマル」にマッチした事業ポートフォリオが同社の強みとして浮き彫りになってきたと言えよう。
このようなトレンドのなかで、想定外の使われ方によりヒットしている商品も出現している。クーラーの「ミニクール(8.5リットル・10.5リットル)」「ソフトクール(8リットル〜45リットル(4サイズ))」がそれである。フィッシング関連用品として分類されるが、キャンプなどのアウトドアレジャーや学校行事、買物などの幅広い用途で利用が広がっている。同社によると、大手eコーマスにおいてもクーラー部門で売れ筋となっているようだ。
2. コロナ禍での販促手法の変化
コロナ禍の影響により、同社の広告宣伝・販売促進方法も変化している。これまで大きな位置付けであった東京・大阪・名古屋など大都市での展示会(フィッシングショー等)は、コロナ禍により中止となったりオンライン開催などとなっている。一方で存在感を増しているのがインターネット・動画メディアである。同社はこれまでも、YouTuberに自社商品を提供するなど、動画コンテンツに対する取り組みを行ってきたが、今後はオウンドメディアも強化するとしている。その一環として、2020年10月に、自社動画サイト「DAIWA CHANNEL(ダイワチャンネル)」をスタートした。これまで蓄積してきた動画を釣り種別に再編集し、初心者向けから上級者向けまで、その醍醐味を伝えるとともに用具の紹介も行っている。例えば、初心者向けのコンテンツでは、ルアー(疑似餌)を使った釣りのノウハウを紹介し、その普及に役立てる。ちなみに同社では過去10年以上にわたり、ルアーによる釣りの魅力を発信しており、これが現在の「ルアーによる釣り人口」が「活き餌による釣り人口」を上回った一助と言われているようだ。また、1983年から継続しているTV番組「THE フィッシング」は、今後も重要なコミュニケーション手段としている。5G時代を迎え、ネットとTVの境界はあいまいになっていくなか、優良なコンテンツを持つことによりブランド力の維持・向上を期待する。
以上のような販促・広告手法の変化のなかで、費用面ではリアルイベントの開催及び人の移動コストが削減される要因が大きく、売上高販管費率は低下することになる。なお、2021年3月第2四半期の販管費率は27.5%(前年同期は30.7%)となった。
3. フィッシングで培った機能性を生かしたアパレル分野への挑戦
同社は次代の成長エンジンの創出を目的に、アパレル分野への挑戦に積極的に取り組んでいる。そのための先行投資が足元の収益性を圧迫しているものの、中長期的にはアパレル分野は非常に大きな可能性を秘めており、この分野への挑戦は非常に意義のあるものだと弊社では考えている。
現在同社が取り組むアパレルへの挑戦は、「D-VEC」ブランドを2017年に立ち上げたことに始まるが、2020年春物商戦からは新たなブランド「DAIWA PIER(ダイワピア)39」が加わった。有名セレクトショップ「ビームス」がブランディングやディレクションに関わるこのブランドは、20代から30代前半の顧客層をターゲットに、フィッシングウエアの機能性をベースにしながら、ストリートの風景に溶け込むようなシルエットのカジュアルウェアに仕上げたものである。アパレルのコアファンによる口コミから反響が広がり、2020年春物・夏物は早期に完売した。今後も全国のセレクトショップに限定して展開する予定だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. withコロナ時代の「ニューノーマル」と事業ポートフォリオ
withコロナ時代の「ニューノーマル」の具体的実践例が政府や自治体から提案され、定着しつつある。いずれも3密を避け、感染リスクを最小化することを目的としたものである。「ニューノーマル」の中でも特に同社の事業と関連するものは、「遊びにいくなら屋内より屋外」「都心への移動は控える」「個人・少人数でスポーツ・レジャー」「公共交通機関の密を避ける」などだが、これらの方針の中でトレンドとなっているのが「少人数で行うアウトドアスポーツ・レジャー」である。キャンプや小旅行などが人気を博しているが、同社の事業領域である「フィッシング」が旅先でのアクティビティとして有力な選択肢となっている。また、公共交通機関の密を避けるなか、自転車による通勤、通学、移動が推奨され、エコで健康増進にも貢献するためブームとなっている。ゴルフやテニスなども含めて、withコロナ時代の「ニューノーマル」にマッチした事業ポートフォリオが同社の強みとして浮き彫りになってきたと言えよう。
このようなトレンドのなかで、想定外の使われ方によりヒットしている商品も出現している。クーラーの「ミニクール(8.5リットル・10.5リットル)」「ソフトクール(8リットル〜45リットル(4サイズ))」がそれである。フィッシング関連用品として分類されるが、キャンプなどのアウトドアレジャーや学校行事、買物などの幅広い用途で利用が広がっている。同社によると、大手eコーマスにおいてもクーラー部門で売れ筋となっているようだ。
2. コロナ禍での販促手法の変化
コロナ禍の影響により、同社の広告宣伝・販売促進方法も変化している。これまで大きな位置付けであった東京・大阪・名古屋など大都市での展示会(フィッシングショー等)は、コロナ禍により中止となったりオンライン開催などとなっている。一方で存在感を増しているのがインターネット・動画メディアである。同社はこれまでも、YouTuberに自社商品を提供するなど、動画コンテンツに対する取り組みを行ってきたが、今後はオウンドメディアも強化するとしている。その一環として、2020年10月に、自社動画サイト「DAIWA CHANNEL(ダイワチャンネル)」をスタートした。これまで蓄積してきた動画を釣り種別に再編集し、初心者向けから上級者向けまで、その醍醐味を伝えるとともに用具の紹介も行っている。例えば、初心者向けのコンテンツでは、ルアー(疑似餌)を使った釣りのノウハウを紹介し、その普及に役立てる。ちなみに同社では過去10年以上にわたり、ルアーによる釣りの魅力を発信しており、これが現在の「ルアーによる釣り人口」が「活き餌による釣り人口」を上回った一助と言われているようだ。また、1983年から継続しているTV番組「THE フィッシング」は、今後も重要なコミュニケーション手段としている。5G時代を迎え、ネットとTVの境界はあいまいになっていくなか、優良なコンテンツを持つことによりブランド力の維持・向上を期待する。
以上のような販促・広告手法の変化のなかで、費用面ではリアルイベントの開催及び人の移動コストが削減される要因が大きく、売上高販管費率は低下することになる。なお、2021年3月第2四半期の販管費率は27.5%(前年同期は30.7%)となった。
3. フィッシングで培った機能性を生かしたアパレル分野への挑戦
同社は次代の成長エンジンの創出を目的に、アパレル分野への挑戦に積極的に取り組んでいる。そのための先行投資が足元の収益性を圧迫しているものの、中長期的にはアパレル分野は非常に大きな可能性を秘めており、この分野への挑戦は非常に意義のあるものだと弊社では考えている。
現在同社が取り組むアパレルへの挑戦は、「D-VEC」ブランドを2017年に立ち上げたことに始まるが、2020年春物商戦からは新たなブランド「DAIWA PIER(ダイワピア)39」が加わった。有名セレクトショップ「ビームス」がブランディングやディレクションに関わるこのブランドは、20代から30代前半の顧客層をターゲットに、フィッシングウエアの機能性をベースにしながら、ストリートの風景に溶け込むようなシルエットのカジュアルウェアに仕上げたものである。アパレルのコアファンによる口コミから反響が広がり、2020年春物・夏物は早期に完売した。今後も全国のセレクトショップに限定して展開する予定だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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