MRO Research Memo(4):インドの工業用間接資材EC企業に出資を決定。中国子会社は解散・清算へ
[20/12/07]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■トピックス
1. インド市場への参入
MonotaRO<3064>は、2020年9月18日の取締役会で、インドの工業用間接資材販売事業者であるEmtexのE-Commerce事業への出資を決議した。Emtexが既にインドで構築しているE-Commerceの事業基盤であるindustrybuying.comと、同社がこれまで日本及び世界各国での事業運営を通じて得た知見を活用し、今後成長が見込まれるインド市場において効率的に事業を展開することを目的としている。
具体的な出資先は、Emtexが設立しE-Commerce事業を移管した新会社IB MONOTAROである。IB MONOTAROが実施する第三者割当増資及び強制転換社債を引き受ける。取得価額は計15百万米ドル(日本円で約1,565百万円)である。同社はIB MONOTAROの持分の51.61%を取得し、連結子会社化する。
インドのGDP(国内総生産)は世界第5位で将来的にも成長が期待されている。個別の産業においても粗鋼生産量では日本のレベルを超えており、自動車生産台数、建設投資規模でも日本を追いかける規模にある。間接材市場においても、十分な規模があり成長力も高いことが推定できる。テストマーケティングにおいても、オンライン検索をして商品を探す購買行動が確認された。同社では、これまで培ってきた様々なノウハウ(検索エンジンからのトラフィックを高め顧客獲得へつなげていくなど)がインド市場において十分活用できると判断した。
2. 中国子会社を解散
同社は、2020年9月18日の取締役会で、中国の子会社である卓易隆電子商務(上海)有限公司を解散し、清算することを決定した。2018年6月の本格稼働以来、インターネットを通じた事業者向け産業用間接資材販売事業を行ってきたが、同子会社の業績は、当初の事業計画を下回る状況が続いており、今後も好転する目途が立たないため、グループ経営における資源配分の観点から解散・清算を決断した。
同子会社の2019年12月期業績は売上高で82百万円、営業損失で327百万円となった。損失はほぼ計画内で推移しているものの、売上成長の基盤となる顧客獲得で厳しい状況が継続していた。中国独自の環境もあり、同社がこれまで培ってきた獲得方法(SEM・SEO等)が機能せず、顧客獲得手法を確立できないため、顧客ベースの拡大が困難と判断した。
清算に伴う特別損失は2020年12月期第3四半期、単体で523百万円となり、今後は最大で73百万円が見込まれる。影響は軽微であるため、連結年度計画に変更はない。約2年間での撤退となったが、自社のコアコンピタンスと市場特性がマッチしないことを合理的に早期に判断した点を弊社は高く評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<EY>
1. インド市場への参入
MonotaRO<3064>は、2020年9月18日の取締役会で、インドの工業用間接資材販売事業者であるEmtexのE-Commerce事業への出資を決議した。Emtexが既にインドで構築しているE-Commerceの事業基盤であるindustrybuying.comと、同社がこれまで日本及び世界各国での事業運営を通じて得た知見を活用し、今後成長が見込まれるインド市場において効率的に事業を展開することを目的としている。
具体的な出資先は、Emtexが設立しE-Commerce事業を移管した新会社IB MONOTAROである。IB MONOTAROが実施する第三者割当増資及び強制転換社債を引き受ける。取得価額は計15百万米ドル(日本円で約1,565百万円)である。同社はIB MONOTAROの持分の51.61%を取得し、連結子会社化する。
インドのGDP(国内総生産)は世界第5位で将来的にも成長が期待されている。個別の産業においても粗鋼生産量では日本のレベルを超えており、自動車生産台数、建設投資規模でも日本を追いかける規模にある。間接材市場においても、十分な規模があり成長力も高いことが推定できる。テストマーケティングにおいても、オンライン検索をして商品を探す購買行動が確認された。同社では、これまで培ってきた様々なノウハウ(検索エンジンからのトラフィックを高め顧客獲得へつなげていくなど)がインド市場において十分活用できると判断した。
2. 中国子会社を解散
同社は、2020年9月18日の取締役会で、中国の子会社である卓易隆電子商務(上海)有限公司を解散し、清算することを決定した。2018年6月の本格稼働以来、インターネットを通じた事業者向け産業用間接資材販売事業を行ってきたが、同子会社の業績は、当初の事業計画を下回る状況が続いており、今後も好転する目途が立たないため、グループ経営における資源配分の観点から解散・清算を決断した。
同子会社の2019年12月期業績は売上高で82百万円、営業損失で327百万円となった。損失はほぼ計画内で推移しているものの、売上成長の基盤となる顧客獲得で厳しい状況が継続していた。中国独自の環境もあり、同社がこれまで培ってきた獲得方法(SEM・SEO等)が機能せず、顧客獲得手法を確立できないため、顧客ベースの拡大が困難と判断した。
清算に伴う特別損失は2020年12月期第3四半期、単体で523百万円となり、今後は最大で73百万円が見込まれる。影響は軽微であるため、連結年度計画に変更はない。約2年間での撤退となったが、自社のコアコンピタンスと市場特性がマッチしないことを合理的に早期に判断した点を弊社は高く評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<EY>