ネットイヤ Research Memo(1):DX化への投資需要を追い風に2022年3月期以降の成長を目指す
[20/12/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ネットイヤーグループ<3622>は、インターネット技術を活用したデジタルマーケティング支援事業を展開しており、主にWebマーケティング領域において豊富な実績を持つ。子会社にソーシャルメディアを活用したデジタルマーケティング支援大手の(株)トライバルメディアハウスを持つ。2019年2月にNTTデータ<9613>と資本業務提携契約を締結し、NTTデータのグループ会社として再成長を目指している。
1. 2021年3月期第2四半期累計業績の概要
2021年3月期第2四半期累計(2020年4月〜9月)の売上高は前年同期比3.5%減の2,197百万円、営業損失は298百万円(前年同期は273百万円の損失)となった。新型コロナウイルス感染症拡大(コロナ禍)の影響により、受注見込み案件が成約に至るまでに時間を要したこと、また、小売業やサービス業の顧客でSNSを活用した広告予算を絞り込む動きがあり、子会社のトライバルメディアハウスの業績も低迷したことが要因だ。ただ、プロジェクトごとの収益性については引き続き改善傾向にあり、受注面でも第2四半期以降は回復の動きが見られる。また、新型コロナウイルス感染防止対策として、社内ではテレワークを4月から義務化し、9月時点では管理部門の一部を除いてほぼテレワークで業務を遂行しており、生産性の向上が期待できる。
2. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期の業績は、売上高で前期比1.2%減の5,400百万円、営業利益で50百万円(前期は77百万円の損失)と2期ぶりに黒字転換する見通し。これは、新型コロナウイルス感染症拡大により緊急事態宣言が再度発出され、経済活動が著しく制限を受けるような事態は想定しておらず、緩やかな収束を前提としたものとなっている。下期以降はコロナ禍を契機として顧客企業におけるDXに関する投資は増加していくものと想定しており、NTTデータとの協業による受注獲得も含めて下期の売上高は前年同期並みの水準に回復することを見込んでいる。利益面では、外注費の削減や生産性向上、付加価値の高いサービスに注力していくことで、前年同期を上回る見通しだ。
3. 成長戦略
コロナ禍を契機に、ニューノーマルな社会様式に対応すべくDX化への投資を前倒しで取り組む企業が増えはじめており、同社はこうしたニーズに対してNTTデータとの協業などによって、受注を獲得し成長を目指していく戦略だ。BtoC領域において「理想のCX(Customer Experience:顧客体験)を実現するためのシステム」を構築するため、基盤となる業務系システムはNTTデータが開発し、同社は得意とする「理想のCXのデザイン構築」や「CXの価値を最大化するためのマーケティング施策」などに注力する。また、各ソリューションをパッケージ化して提供することで、収益性の向上も図っていく戦略だ。2020年5月にはSEO対策、Web広告、Webサイトの改善などをワンストップでサポートする「パフォーマンスオプティマイゼーションサービス(KGI達成支援サービス)」を開始したほか、同年7月にはカスタマーサクセスを目的としたCRM業務やマーケティングオートメーション運用業務を支援する「カスタマーサクセス業務支援サービス」を開始した。また、新規プロダクトとして、小売業界向けに特化した非接触型サービスを実現する次世代の買い物体験アプリ支援サービス「Digital&Physical」の提供を同年11月より開始している。小売分野では、NTTデータとの協業で、東急ハンズが2020年6月に実施したアバターを介した非対面接客による「デジタルストア」の実証実験にも参加(UXシナリオ設計等)している。DX化に向けた潜在的な投資需要は大きいと見られるだけに、今後の動向が注目される。
■Key Points
・理想のCX(顧客体験)を実現するデザイン設計力に強みを持つ
・2021年3月期第2四半期以降受注は回復基調で、2021年3月期業績は2期ぶりの黒字転換の見通し
・CX(顧客体験)をベースに企業のDX化をサポートし、持続的な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ネットイヤーグループ<3622>は、インターネット技術を活用したデジタルマーケティング支援事業を展開しており、主にWebマーケティング領域において豊富な実績を持つ。子会社にソーシャルメディアを活用したデジタルマーケティング支援大手の(株)トライバルメディアハウスを持つ。2019年2月にNTTデータ<9613>と資本業務提携契約を締結し、NTTデータのグループ会社として再成長を目指している。
1. 2021年3月期第2四半期累計業績の概要
2021年3月期第2四半期累計(2020年4月〜9月)の売上高は前年同期比3.5%減の2,197百万円、営業損失は298百万円(前年同期は273百万円の損失)となった。新型コロナウイルス感染症拡大(コロナ禍)の影響により、受注見込み案件が成約に至るまでに時間を要したこと、また、小売業やサービス業の顧客でSNSを活用した広告予算を絞り込む動きがあり、子会社のトライバルメディアハウスの業績も低迷したことが要因だ。ただ、プロジェクトごとの収益性については引き続き改善傾向にあり、受注面でも第2四半期以降は回復の動きが見られる。また、新型コロナウイルス感染防止対策として、社内ではテレワークを4月から義務化し、9月時点では管理部門の一部を除いてほぼテレワークで業務を遂行しており、生産性の向上が期待できる。
2. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期の業績は、売上高で前期比1.2%減の5,400百万円、営業利益で50百万円(前期は77百万円の損失)と2期ぶりに黒字転換する見通し。これは、新型コロナウイルス感染症拡大により緊急事態宣言が再度発出され、経済活動が著しく制限を受けるような事態は想定しておらず、緩やかな収束を前提としたものとなっている。下期以降はコロナ禍を契機として顧客企業におけるDXに関する投資は増加していくものと想定しており、NTTデータとの協業による受注獲得も含めて下期の売上高は前年同期並みの水準に回復することを見込んでいる。利益面では、外注費の削減や生産性向上、付加価値の高いサービスに注力していくことで、前年同期を上回る見通しだ。
3. 成長戦略
コロナ禍を契機に、ニューノーマルな社会様式に対応すべくDX化への投資を前倒しで取り組む企業が増えはじめており、同社はこうしたニーズに対してNTTデータとの協業などによって、受注を獲得し成長を目指していく戦略だ。BtoC領域において「理想のCX(Customer Experience:顧客体験)を実現するためのシステム」を構築するため、基盤となる業務系システムはNTTデータが開発し、同社は得意とする「理想のCXのデザイン構築」や「CXの価値を最大化するためのマーケティング施策」などに注力する。また、各ソリューションをパッケージ化して提供することで、収益性の向上も図っていく戦略だ。2020年5月にはSEO対策、Web広告、Webサイトの改善などをワンストップでサポートする「パフォーマンスオプティマイゼーションサービス(KGI達成支援サービス)」を開始したほか、同年7月にはカスタマーサクセスを目的としたCRM業務やマーケティングオートメーション運用業務を支援する「カスタマーサクセス業務支援サービス」を開始した。また、新規プロダクトとして、小売業界向けに特化した非接触型サービスを実現する次世代の買い物体験アプリ支援サービス「Digital&Physical」の提供を同年11月より開始している。小売分野では、NTTデータとの協業で、東急ハンズが2020年6月に実施したアバターを介した非対面接客による「デジタルストア」の実証実験にも参加(UXシナリオ設計等)している。DX化に向けた潜在的な投資需要は大きいと見られるだけに、今後の動向が注目される。
■Key Points
・理想のCX(顧客体験)を実現するデザイン設計力に強みを持つ
・2021年3月期第2四半期以降受注は回復基調で、2021年3月期業績は2期ぶりの黒字転換の見通し
・CX(顧客体験)をベースに企業のDX化をサポートし、持続的な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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