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児玉化 Research Memo(2):自動車部品と住宅設備・冷機部品に強みを持つ樹脂加工メーカー

注目トピックス 日本株
■事業内容

児玉化学工業<4222>は、わが国初の大型真空成形機を西独より輸入し大型真空成形機によるプラスチックス成形品を日本で生産開始したことが出発点となる。当時は今で言うベンチャー企業であった。その後、樹脂加工の領域で技術を積み上げ、現在は「自動車部品事業」「住宅設備・冷機部品事業」を主要事業とする。2021年3月期第2四半期累計の売上高構成比は、自動車部品事業が53.5%、住宅設備・冷機部品事業が39.5%であり、両事業で全体の93.1%を占める。

1. 自動車部品事業
各種ピラー類、ラッゲージトリムやトランクトリム、ドアトリム、スポイラー、フェンダーカバー、インストルメントパネル、フロントスポイラーやスカートなどの自動車内外装品を大手自動車メーカーに供給している。国内ではトラック及びRV車を主体とし、海外ではピックアップトラック及び乗用車を主体に展開している。今後は新規開発品のガラス繊維マットプレス新工法及び三次元加飾製品の部品供給拡大を目指しており、既に日系メーカーの有力車種に採用されている。なお、事業構造改革による収益性の改善も進めていく。

2. 住宅設備・冷機部品事業
主に洗面化粧鏡、キッチン、トイレ、バスなど、水周りに採用される樹脂製品を供給している。設計から生産まで一貫した完全受託生産体制を確立しており、その技術力に対する評価は高い。とりわけ洗面化粧鏡が強く、各大手住宅設備メーカーへ供給している。国内のリフォームニーズへの対応だけでなく、大手住宅設備メーカーとのパイプを活用した拡販を積極的に図る意向だ。

3. エンターテイメント事業
ゲーム用パッケージや自動車部品用トレーなどの樹脂製品を供給している。加えて、将来的には医療分野等への事業拡大を展開していく意向である。なおゲーム向けについては、コロナ禍による巣ごもり需要を背景に、売上も好調であり2021年3月期の収益に貢献している。

4. 新技術
新技術として、ガラス繊維マットプレス新工法によるプラスチック製品の工業化に成功している。この新工法による製品がトヨタ自動車<7203>の「レクサス」に採用されるなど、今後の期待製品として注目される。また、三次元加飾工法による高度加飾分野では、トヨタ自動車の「カムリ」やSUV新型「ハリアー」、三菱自動車の「デリカD5」及び本田技研工業<7267>の新型「オデッセイ」にも採用されている。

海外向けについては、2002年よりEcho Autoparts(Thailand)(タイ)で自動車部品事業を展開しており、自動車各社の戦略車種に使用される部品の受注により収益確保を図るほか、Thai Kodama(タイ)及びThai Kodama (Vietnam)(ベトナム)において、冷機成形品事業や食品容器事業等の事業拡大展開を進めている。

同社製品はBtoBに位置付けられ、最終製品の多くを日系企業に供給する形となっている。つまり、大手メーカーとの国内でのつながりを、海外においても活用している。自動車、住宅設備・冷機部品などといった供給先の製品が海外進出エリアで拡大すれば、同社の収益も伸長するのは言うまでもない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)




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