ベネ・ワン Research Memo(5):給与天引き構想の実現に向けたプラットフォームも滑り出し良好
[20/12/11]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
3. 給与天引きプラットフォームの普及推進
ベネフィット・ワン<2412>は「給与天引きプラットフォーム」の普及も推進している。あらゆるサービス料金が給与天引きされる社会を見越し、同社は顧客企業の意識改革の入り口として、従来社内で実践していた福利厚生社宅を顧客に訴求している。これは従業員の家賃が給与天引きされることで所得税が軽減されるというメリットを持つ。同社としては決済代行の対価として得る決済手数料を新たな収益源とする。
給与天引きは提供する上で顧客の同意を得る必要があり、足元では既存顧客へのヒアリングを進めている。2021年3月期下期ではどれだけ同意を得られるかを課題と見ているが、こちらも着々と内定を得ており、順調なペースのようだ。
そのほか、家賃に加えて水道光熱費、携帯料金、インターネット料金なども給与天引き対象とすべく、国内最安値で提供するサプライヤーの開拓も同時並行で進めている。将来的には広範なサービスを最安値で提供するプラットフォームへと仕上げる計画であり、足元ではそれに向けた事業基盤が構築されつつある状況だ。
従業員満足度に向けた意識が高まり、各サービスで成長ポテンシャルは大きい
4. 各サービスの動向
ベネワン・プラットフォーム上で展開される各アプリケーションについての動向は下記に述べる。
(1) ベネフィット・ステーション関連事業(福利厚生+パーソナル+CRM)
コロナ禍で人事関連BPOサービスのニーズが高まっているほか、GoToキャンペーンと絡めたメニュー拡充によって会員の利用が増える計画だ。2021年3月期上期で見せた堅実な伸びに加え、人事分野での高まるDX関連需要を背景に、会員数の増加ペースは強まっていくと弊社は考える。
(2) インセンティブ事業
人事分野でのDXが急速に進むなか、同事業のポイントプログラムは注目を集めている。同社はウェビナーなどのセミナーを積極的に開催し、ベネワン・プラットフォームの主要サービスとして一体的に営業することで新規会員を順調に伸ばしている。従業員満足度への意識の強まりのほか、用途の広さから来る利便性もあり、今後も需要は膨らむと見る。
(3) ヘルスケア事業
2021年3月期はコロナ禍の影響で健診・保健指導サービスの開始が例年よりも遅れている。同事業は下期で収益を大きく計上する構造であり、仮に緊急事態宣言が再度発令されると、健診が中止される可能性が高まる。その場合、健診に連鎖する保健指導の売上も期待できない。既に相応の健診予約と保健指導の売上予約はあるものの、実施できなかった場合は収益計上が2022年3月期にずれる。こういった先行き不透明感を考慮し、会社全体の業績計画も据え置いた状況だ。
(4) 購買・精算代行事業
コロナ禍の収束の兆しが見えないなか、2021年3月期下期も出張や接待の大きな回復は期待できない。足元では同社想定より弱めの回復ペースとなっており、計画下振れの可能性もある。ただ、会社全体の収益に対する寄与度は大きくなく、計画が下振れしても影響は限定的と見る。
ただ、同事業では大きな成長機会が生まれている。BPO需要が拡大するなかで引き合いは多く、メガバンク等から内定を受けている状況である。従業員の多い大企業での利用が増えることで業界内でのプレゼンスも強まり、より営業力が強化される見通しだ。
そのほか、飲食店における普及も進みつつある。コロナ禍で接待が少ない分、足元の利用自体は低水準だ。しかし、店舗開拓を先行して注力するなか、集客につながるということで飲食店側の反応は良好である。下期では飲食店を中心としたサプライヤー探しが進展することで、将来的に大きな収益源に成長する可能性が高まっている。
(5) 海外事業
海外事業は元来先行投資フェーズにあり、売上高拡大によって損失が縮小する状況だ。コロナ禍の状況は各国でまちまちであるものの、上海・タイ・シンガポールなどではコロナ禍からの回復が早く、営業活動は通常どおり進み、新規受注が増えている。それらの国では黒字化の見込みも強まってきており、海外事業全体では計画どおりに着地できると予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<EY>
3. 給与天引きプラットフォームの普及推進
ベネフィット・ワン<2412>は「給与天引きプラットフォーム」の普及も推進している。あらゆるサービス料金が給与天引きされる社会を見越し、同社は顧客企業の意識改革の入り口として、従来社内で実践していた福利厚生社宅を顧客に訴求している。これは従業員の家賃が給与天引きされることで所得税が軽減されるというメリットを持つ。同社としては決済代行の対価として得る決済手数料を新たな収益源とする。
給与天引きは提供する上で顧客の同意を得る必要があり、足元では既存顧客へのヒアリングを進めている。2021年3月期下期ではどれだけ同意を得られるかを課題と見ているが、こちらも着々と内定を得ており、順調なペースのようだ。
そのほか、家賃に加えて水道光熱費、携帯料金、インターネット料金なども給与天引き対象とすべく、国内最安値で提供するサプライヤーの開拓も同時並行で進めている。将来的には広範なサービスを最安値で提供するプラットフォームへと仕上げる計画であり、足元ではそれに向けた事業基盤が構築されつつある状況だ。
従業員満足度に向けた意識が高まり、各サービスで成長ポテンシャルは大きい
4. 各サービスの動向
ベネワン・プラットフォーム上で展開される各アプリケーションについての動向は下記に述べる。
(1) ベネフィット・ステーション関連事業(福利厚生+パーソナル+CRM)
コロナ禍で人事関連BPOサービスのニーズが高まっているほか、GoToキャンペーンと絡めたメニュー拡充によって会員の利用が増える計画だ。2021年3月期上期で見せた堅実な伸びに加え、人事分野での高まるDX関連需要を背景に、会員数の増加ペースは強まっていくと弊社は考える。
(2) インセンティブ事業
人事分野でのDXが急速に進むなか、同事業のポイントプログラムは注目を集めている。同社はウェビナーなどのセミナーを積極的に開催し、ベネワン・プラットフォームの主要サービスとして一体的に営業することで新規会員を順調に伸ばしている。従業員満足度への意識の強まりのほか、用途の広さから来る利便性もあり、今後も需要は膨らむと見る。
(3) ヘルスケア事業
2021年3月期はコロナ禍の影響で健診・保健指導サービスの開始が例年よりも遅れている。同事業は下期で収益を大きく計上する構造であり、仮に緊急事態宣言が再度発令されると、健診が中止される可能性が高まる。その場合、健診に連鎖する保健指導の売上も期待できない。既に相応の健診予約と保健指導の売上予約はあるものの、実施できなかった場合は収益計上が2022年3月期にずれる。こういった先行き不透明感を考慮し、会社全体の業績計画も据え置いた状況だ。
(4) 購買・精算代行事業
コロナ禍の収束の兆しが見えないなか、2021年3月期下期も出張や接待の大きな回復は期待できない。足元では同社想定より弱めの回復ペースとなっており、計画下振れの可能性もある。ただ、会社全体の収益に対する寄与度は大きくなく、計画が下振れしても影響は限定的と見る。
ただ、同事業では大きな成長機会が生まれている。BPO需要が拡大するなかで引き合いは多く、メガバンク等から内定を受けている状況である。従業員の多い大企業での利用が増えることで業界内でのプレゼンスも強まり、より営業力が強化される見通しだ。
そのほか、飲食店における普及も進みつつある。コロナ禍で接待が少ない分、足元の利用自体は低水準だ。しかし、店舗開拓を先行して注力するなか、集客につながるということで飲食店側の反応は良好である。下期では飲食店を中心としたサプライヤー探しが進展することで、将来的に大きな収益源に成長する可能性が高まっている。
(5) 海外事業
海外事業は元来先行投資フェーズにあり、売上高拡大によって損失が縮小する状況だ。コロナ禍の状況は各国でまちまちであるものの、上海・タイ・シンガポールなどではコロナ禍からの回復が早く、営業活動は通常どおり進み、新規受注が増えている。それらの国では黒字化の見込みも強まってきており、海外事業全体では計画どおりに着地できると予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<EY>