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Pウォーター Research Memo(4):2021年3月期第2四半期は各販促チャネルより順調に新規顧客獲得

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2021年3月期第2四半期の業績動向
プレミアムウォーターホールディングス<2588>の2021年3月期第2四半期の売上収益は27,158百万円(前年同期比23.5%増)、営業利益2,128百万円(同175.7%増)、税引前四半期利益1,912百万円(同229.7%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益1,113百万円(同161.3%増)となり、コロナ禍ではあるが大幅な増収増益を達成した。

売上収益に関しては、新規契約獲得が好調に推移し、それに伴い保有顧客数が想定以上に積み上がったことで成長率が23.5%に達した。2020年9月末の保有顧客数は1,130千件(前期末は1,002千件)と127千件の純増となった。上期の月平均の純増数は21,269件/月(前期の月平均は16,009件/月)とペースアップした。コロナ禍の影響により緊急事態宣言期間(4月〜5月)にショッピングセンター等の商業施設におけるデモンストレーション販売が制限されたものの、緊急事態宣言解除後は平時と同様の活動が行える水準まで回復した。また、テレマーケティング・Webによる新規顧客の獲得は上期を通じて順調に推移した。これはコロナ禍において、在宅の比率が多くなったことによるテレマーケティングの効果向上やWeb接触時間の増加が影響している。さらに、既存顧客の継続率の向上や顧客満足度向上のための各種付帯サービスの提供等も保有顧客の維持・向上に寄与した。またコロナ禍による在宅時間の長期化により水の消費量も増加したことも売上収益を押し上げた一要因である。

営業利益に関しては、前期比175.7%増と予想を超える大幅な増益となった。売上総利益に関しては、各工場設備の稼働率の向上等による製造原価が低減したことなどにより、売上総利益率で2.3ポイント上昇。販管費に関しては、営業活動の積極的な展開や各種プロモーションを強化したことにより販売促進費用等が増加した一方で、効率的な物流網の構築等の取り組みが奏功し販管費率を2.0ポイント低下させた。結果として2021年3月期第2四半期は上期として過去最高の営業利益を達成した。


無担保社債の発行(50億円)により短期借入金が減少(流動比率100%超え)。利益拡大フェーズに入り、利益剰余金がプラスに転じる
2. 財務状況
2021年3月期第2四半期末の資産合計は前期末比6,150百万円増の48,605百万円となり、資産規模が拡大した。そのうち流動資産は1,877百万円増であり、その他の金融資産1,965百万円増、営業債権及びその他の債権817百万円増が主な要因である。非流動資産は4,273百万円増加の28,630百万円であり、有形固定資産1,840百万円増、新規契約の獲得に向けた各種営業費用の増加に伴う契約コスト1,547百万円増が主な要因である。新規顧客獲得が順調に進捗していることが数値にも表れている。

負債合計は前期末比4,869百万円増の40,633百万円となった。そのうち流動負債は555百万円減であり、営業債務及びその他の債務が481百万円増加したものの、有利子負債が1,483百万円減少したことが主な要因である。非流動負債は5,424百万円増であり、無担保社債の発行(50億円)等により有利子負債が5,364百万円増加したことが主な要因である。資本合計は1,280百万円増加の7,972百万円となった。主な増加要因は、親会社の所有者に帰属する四半期利益1,113百万円の計上に伴う利益剰余金の増加が主な要因である。この結果、利益剰余金は364百万円とプラスに転じ、累積赤字を解消し、財務基盤が強化された。

経営指標(2021年3月期第2四半期末)では、流動比率が108.9%(前期末は95.8%)と100%を超えた。これは無担保社債の発行(50億円)により短期借入金を返済できたためである。親会社所有者帰属持分比率も16.4%(前期末は15.7%)と改善傾向だ。現在は利益が拡大するフェーズに入っており、内部留保が蓄積し始めた。今後は財務の安全性がさらに改善することが予想される。


2021年3月期通期は売上収益55,000百万円、営業利益3,500百万円を予想。通期業績は例年通り上振れる可能性あり
3. 2021年3月期通期の業績見通し
2021年3月期通期の連結業績予想は、売上収益で前期比21.0%増の55,000百万円、営業利益は同88.2%増の3,500百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同44.6%増の2,700百万円と、大幅な増収増益を予想する。

売上収益に関しては、2021年3月期第2四半期の進捗率は49.4%(前期は48.4%)に達しており前年同期より順調な進捗だ。ストック型のビジネスのため、期末に向けて保有顧客数が積み上がり、売上収益は下期偏重となる。保有顧客数は第2四半期末時点で1,130千件に達し、中期経営計画の期末目標値である1,090千件を既に超えており、さらに上を目指すほど好調だ。営業チャネル別にみると、新規獲得数で約55%を占める直接販売(自社スタッフによる販売)と約45%を占める取次店販売に分かれる。通期予想では、直接販売が前年比12.2%成長予想と例年並みなのに対して、取次店販売では同37.7%成長予想であり、取次店販売が2021年3月期の成長をけん引する存在だ。業界No.1企業であることにより、製造のスケールやブランド力で優位にあり、大手から中小までの優良な取次店から声がかかるという背景がある。また、コロナ禍における在宅消費増や継続的に取り組む継続促進策(解約率低減策)も売上収益のプラスに働く予想となっている。

営業利益は、前期比88.2%増と収益力が飛躍的に高まる年となる予想だ。営業利益率では6.4%(前期は4.1%)を計画する。同社のビジネスモデルは、保有顧客数が積み上がり、そこからの継続的な収益が営業活動に伴う費用を上回ると急激に利益が増加するというものとなっている。2019年3月期に損益分岐点を超え、2020年3月期に黒字幅が拡大し、現在は収益性が一気に高まるフェーズにある。第2四半期の営業利益進捗率は60.8%(前期は41.5%)に達しており順調な進捗だ。弊社では、下期はコロナ禍の第三波など不透明な要素もあるものの、同社はなお力強く成長するビジネスモデルを確立しており、例年通り計画値(3,500百万円)を超えてくると予想する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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