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USENNEX Research Memo(5):コロナ禍も、2020年8月期営業利益は大幅増益

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2020年8月期の業績動向
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>の2020年8月期の業績は、売上高193,192百万円(前期比9.9%増)、営業利益10,883百万円(同32.1%増)、経常利益10,093百万円(同50.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,909百万円(同19.1%減)となった。下期の大半がコロナ禍の影響を受けたにもかかわらず、当初予想を上回る好調な決算となり、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期利益は、2024年8月期を最終年度とする中期経営計画の中間目標(2022年8月期)を2年前倒しで達成した。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で減益となっているが、これは2019年8月期に発生した固定資産売却に伴う税効果がなくなり、通常の税率に戻ったことで増加した法人税等が要因である。

同社の顧客である業務店は個人事業主や中小・零細企業が多く、コロナ禍による緊急事態宣言で店舗や商業施設の休業や営業時間短縮を余儀なくされ、苦境に陥った先も少なくなかった。緩慢とはいえ緊急事態宣言後の回復や「Go Toキャンペーン」などでやや息をついた面はあるが、全面的な経済活動の再開にはいまだ至っていない。このような状況下、同社は、新型コロナウイルス感染症防止メッセージの全国の病院・スーパー・飲食店などへの無償提供や、飲食店向けのテイクアウト・デリバリー応援、休業中店舗の防犯対策として店舗向けクラウドカメラサービスの無償提供などの様々な支援を行った。また、非対面や非接触といったニーズに対応する、新たな店舗向けIoTサービスのラインアップ拡充にも取り組んだ。業務店向けの業績はこのように厳しかったものの、巣ごもりやテレワークの拡大に伴ってニーズが強まった個人向けの動画配信や法人向けICTソリューションなどが売上高をけん引した。売上総利益率は、高採算の店舗サービスと業務用システムが苦戦したものの、通信と動画配信でカバーし、わずかな低下にとどめた。また、コロナ禍以前から進めていた生産性改善プロジェクトが奏功し、統合で膨らんだ組織やM&Aで子会社化したキャンシステム(株)のダブルコストを見直したことで生産性が改善した。また、業務店向け営業推進販促のデジタル化や効果の見えないリスティングやアフィリエイトの見直しなどにより販促効率も向上し、販管費の伸びは売上げを下回って販管費率の改善につながった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)




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