ブランディング Research Memo(3):「ブランドを軸に中小・地方企業様のデジタルシフトを担う」
[20/12/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ブランディングテクノロジー<7067>の会社概要
2. MVVと「ブランドファースト」
(1) MVV(Mission、Vision、Value)
コロナ禍により世界経済が悪化し、多くの企業・業界が急激な売上減少に見舞われている。こうした厳しい時代にこそ、企業経営を形成するMVV、すなわち社会に貢献する役割や存在意義を明確にした「Mission」、自社が描く将来像や目指す目標としての「Vision」、組織の価値観や独自の優位性としての「Value」を経営の起点に置くことで、新たな時代に競争力を発揮できるブランドを確立し、経営や事業、デジタルなど社会的意義のある戦略にブランドを生かしていく必要がある。特に日本企業の99.7%を占める中小企業は、大企業以上に厳しい状況にある上、ブランドへの戦略的取り組みが遅れている場合が多い。したがって、中小企業はブランディングを大企業以上に必要としていると考えられる。これは、「ブランドを軸に中小・地方企業様のデジタルシフトを担う」という、同社自身の「Mission」を追求する大きな機会でもある。このため同社は、中小・地方企業に特化したブランディング支援やデジタルシフト推進により、各企業の持つ営業力、採用力、組織力などにわたる諸々の課題の解決を図っている。同社は、中小・地方企業がブランドに込めた想いを、確かな未来につなぐ役割を果たしていると言うことができる。
(2) 「らしさ」と「ブランドファースト」
「Mission」以外にも、同社にとって重要な考え方がいくつかある。まず「ブランド」に対する考え方である。これは、同社の事業を理解するうえで重要な考え方となる。ブランドを総称するブランドメッセージやロゴなどは、企業が「らしさ」を表現し、象徴化する手段の一つだ。つまり、その「らしさ」こそ、企業経営の本質を表す「ブランド」と言うことができる。したがって同社は、ブランドを「らしさ」と定義している。ブランドとは、人となりを「〇〇さんらしい」と表現するときの「らしさ」のことである。企業は法人格を与えられて契約の主体となるが、「らしさ」を与えられることで人格としてのブランドのパーソナリティを得て、周囲も理解しやすくなるのである。この「らしさ」を経営の軸として成長につなげようというのが、同社が考えるブランディング戦略である。
ブランドを構成する要素として同社は、1)理念としての存在意義、2)ビジョン(目指す未来)、3)コーポレートストーリー、4)行動指針や社是・社風、5)競争優位性の明確化、の5つを主な要素として挙げている。これらの要素をそれぞれ磨き上げ一貫性を持たせることでブランドの構築につながる、と同社は考えている。また、ブランディングの効果として、1)採用力・育成力の向上、2)顧客・取引先の創造、3)組織力の強化、の3つを挙げている。いずれも企業として体質を強化し成長を促す重要な要素と言える。つまり、ブランディングこそが企業として成長を実現するための第一歩になるという考え方であり、同社はこれを「ブランドファースト」と表現している。したがって同社の事業の本質は、「ブランドファースト」経営を中小・地方企業に啓蒙・浸透させることにある。このことは、同社が単なる中小企業向け広告代理店ではなく、広告代理店機能を持つブランディングカンパニーである、という独自性を示しており、同社を理解する上で非常に重要な考え方と言える。
「ブランドファースト」において「ブランド」は、ボウリングでストライク獲得に不可欠なセンターピンに例えている。ブランドというセンターピンを倒し、そこからの波及効果で企業体質の強化と成長の実現を目指す構図になっている。具体的に言うとブランドは、インナーブランディングにより社内的に浸透し、アウターブランディングで対外的に波及していく。次にブランドは、組織力や営業力、採用力といった企業の体質強化や成長を促す要素に及び、さらに商品・サービスやマーケティング、人材といった経営資源を作り上げていく。ここに企業側の経営力や的確な戦略が加われば、ブランドの波及効果は好循環を生み出すことができる。この好循環に至る「ブランディング支援の後工程」で、同社はデジタルマーケティング事業を展開している。
(3) 同社が提供するソリューション
中小・地方企業が大企業と比べてブランディングに積極的になれない理由としてまず考えられるのは、マスメディア広告など予算面及び専門人材など人材面の制約に加え、そもそも自社の強みや「らしさ」を把握していないことにもある。予算面での制約に関しては、顧客の予算制約を回避しつつブランディングニーズを実現するために、インターネット広告の利用やオフショアでの低コストのソリューション(オフショア関連事業)を用意している。人材面の制約に関しては、同社が「フロント人材」と称する専門人材やデジタルマーケティング事業が、顧客に代わってブランディング支援や先端技術を駆使したデジタルシフトを推進、広告代理店機能によってブランドを外部に発信している。自社の強みや「らしさ」を把握していないことについては、同社が外部から顧客の優位性を見出し、Webサイトやパンフレットなどで外部へと発信している。これが同社の主力事業であるブランド事業である。同社はこのように3事業を持ち、それぞれが中小企業向けに特化し相互補完し合っている。
なお、同業としての総合広告代理店や大手インターネット広告代理店などは、中小企業が置かれた様々な状況に対し、スケールデメリットやノウハウがないことなどを理由に、手間のかかるきめ細かい戦略を組むことができない。中小企業をターゲットにしていても、スケールメリットばかりを追求していると、ターゲットは自然と中小企業から大企業へ寄っていく。このため、同社と実質的に競合する企業は、ブランディングを軸とする上場企業の中には見当たらず、非上場企業でもベンチャーや地場コンサルタントなど、小規模なものかブランディングをメインとしない企業がほとんどのようだ。このため、中小企業向けのブランド事業は、同社の独壇場とも言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2. MVVと「ブランドファースト」
(1) MVV(Mission、Vision、Value)
コロナ禍により世界経済が悪化し、多くの企業・業界が急激な売上減少に見舞われている。こうした厳しい時代にこそ、企業経営を形成するMVV、すなわち社会に貢献する役割や存在意義を明確にした「Mission」、自社が描く将来像や目指す目標としての「Vision」、組織の価値観や独自の優位性としての「Value」を経営の起点に置くことで、新たな時代に競争力を発揮できるブランドを確立し、経営や事業、デジタルなど社会的意義のある戦略にブランドを生かしていく必要がある。特に日本企業の99.7%を占める中小企業は、大企業以上に厳しい状況にある上、ブランドへの戦略的取り組みが遅れている場合が多い。したがって、中小企業はブランディングを大企業以上に必要としていると考えられる。これは、「ブランドを軸に中小・地方企業様のデジタルシフトを担う」という、同社自身の「Mission」を追求する大きな機会でもある。このため同社は、中小・地方企業に特化したブランディング支援やデジタルシフト推進により、各企業の持つ営業力、採用力、組織力などにわたる諸々の課題の解決を図っている。同社は、中小・地方企業がブランドに込めた想いを、確かな未来につなぐ役割を果たしていると言うことができる。
(2) 「らしさ」と「ブランドファースト」
「Mission」以外にも、同社にとって重要な考え方がいくつかある。まず「ブランド」に対する考え方である。これは、同社の事業を理解するうえで重要な考え方となる。ブランドを総称するブランドメッセージやロゴなどは、企業が「らしさ」を表現し、象徴化する手段の一つだ。つまり、その「らしさ」こそ、企業経営の本質を表す「ブランド」と言うことができる。したがって同社は、ブランドを「らしさ」と定義している。ブランドとは、人となりを「〇〇さんらしい」と表現するときの「らしさ」のことである。企業は法人格を与えられて契約の主体となるが、「らしさ」を与えられることで人格としてのブランドのパーソナリティを得て、周囲も理解しやすくなるのである。この「らしさ」を経営の軸として成長につなげようというのが、同社が考えるブランディング戦略である。
ブランドを構成する要素として同社は、1)理念としての存在意義、2)ビジョン(目指す未来)、3)コーポレートストーリー、4)行動指針や社是・社風、5)競争優位性の明確化、の5つを主な要素として挙げている。これらの要素をそれぞれ磨き上げ一貫性を持たせることでブランドの構築につながる、と同社は考えている。また、ブランディングの効果として、1)採用力・育成力の向上、2)顧客・取引先の創造、3)組織力の強化、の3つを挙げている。いずれも企業として体質を強化し成長を促す重要な要素と言える。つまり、ブランディングこそが企業として成長を実現するための第一歩になるという考え方であり、同社はこれを「ブランドファースト」と表現している。したがって同社の事業の本質は、「ブランドファースト」経営を中小・地方企業に啓蒙・浸透させることにある。このことは、同社が単なる中小企業向け広告代理店ではなく、広告代理店機能を持つブランディングカンパニーである、という独自性を示しており、同社を理解する上で非常に重要な考え方と言える。
「ブランドファースト」において「ブランド」は、ボウリングでストライク獲得に不可欠なセンターピンに例えている。ブランドというセンターピンを倒し、そこからの波及効果で企業体質の強化と成長の実現を目指す構図になっている。具体的に言うとブランドは、インナーブランディングにより社内的に浸透し、アウターブランディングで対外的に波及していく。次にブランドは、組織力や営業力、採用力といった企業の体質強化や成長を促す要素に及び、さらに商品・サービスやマーケティング、人材といった経営資源を作り上げていく。ここに企業側の経営力や的確な戦略が加われば、ブランドの波及効果は好循環を生み出すことができる。この好循環に至る「ブランディング支援の後工程」で、同社はデジタルマーケティング事業を展開している。
(3) 同社が提供するソリューション
中小・地方企業が大企業と比べてブランディングに積極的になれない理由としてまず考えられるのは、マスメディア広告など予算面及び専門人材など人材面の制約に加え、そもそも自社の強みや「らしさ」を把握していないことにもある。予算面での制約に関しては、顧客の予算制約を回避しつつブランディングニーズを実現するために、インターネット広告の利用やオフショアでの低コストのソリューション(オフショア関連事業)を用意している。人材面の制約に関しては、同社が「フロント人材」と称する専門人材やデジタルマーケティング事業が、顧客に代わってブランディング支援や先端技術を駆使したデジタルシフトを推進、広告代理店機能によってブランドを外部に発信している。自社の強みや「らしさ」を把握していないことについては、同社が外部から顧客の優位性を見出し、Webサイトやパンフレットなどで外部へと発信している。これが同社の主力事業であるブランド事業である。同社はこのように3事業を持ち、それぞれが中小企業向けに特化し相互補完し合っている。
なお、同業としての総合広告代理店や大手インターネット広告代理店などは、中小企業が置かれた様々な状況に対し、スケールデメリットやノウハウがないことなどを理由に、手間のかかるきめ細かい戦略を組むことができない。中小企業をターゲットにしていても、スケールメリットばかりを追求していると、ターゲットは自然と中小企業から大企業へ寄っていく。このため、同社と実質的に競合する企業は、ブランディングを軸とする上場企業の中には見当たらず、非上場企業でもベンチャーや地場コンサルタントなど、小規模なものかブランディングをメインとしない企業がほとんどのようだ。このため、中小企業向けのブランド事業は、同社の独壇場とも言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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