ブランディング Research Memo(6):2021年3月期第2四半期はコロナ禍の影響を受けるも、緩やかに回復基調
[20/12/21]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2021年3月期第2四半期の業績概要
ブランディングテクノロジー<7067>の2021年3月期第2四半期の業績は、売上高2,128百万円(前年同期比17.0%減)、営業損失90百万円(前年同期は61百万円の利益)、経常損失92百万円(同52百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失67百万円(同28百万円の利益)となった。
世界的なコロナ禍に伴う緊急事態宣言の発令により、各社・各業界とも経済活動が大幅に制限され苦しい業績が続いているが、同社の2021年3月期第2四半期も同様に厳しい決算となった。しかし、緊急事態宣言解除後は段階的に経済活動が再開し、景気にも持ち直しの傾向が見られるようになったこともあり、同社もテレワークの積極的な活用や営業活動のオンライン化などによる生産性の維持・向上に取り組んだことが奏功し、広告売上高は4月〜6月に一時停止する案件が増加したものの、7月以降には回復基調となっている。また、4月〜7月に新規営業機会の減少により落ち込んだスポット売上高についても、8月以降は回復基調となっている。感染再拡大への懸念から先行き不透明な状況が続いているものの、業界特化型ノウハウが体系化されているため、営業をオンライン化してもスムーズに顧客に受け入れられていることが、回復トレンドが強まった要因のようだ。以上のことから同社は、自らのビジネスモデルへの自信を深めていると言えよう。
2021年3月期第2四半期のセグメント別業績は、ブランド事業が売上高613百万円(前年同期比20.3%減)、セグメント利益106百万円(同34.7%減)、デジタルマーケティング事業が売上高1,471百万円(同14.9%減)、セグメント利益47百万円(同57.9%減)、オフショア関連事業が売上高42百万円(同35.2%減)、セグメント損失1百万円(前年同期は8百万円の利益)となった。
ブランド事業では、様々な経済活動が制限されるなかで、非対面型の営業活動やアライアンス企業とのオンライン動画セミナーの共同開催などに注力したが、顧客のオウンドメディア等への投資抑制もあって受注や納品に影響が生じた。デジタルマーケティング事業では、テレワークによる働き方改革や非対面型営業を進めることで効率化を図り、顧客へのサービス拡充に注力したが、顧客の広告分野に対する支出抑制や予算見直しの影響を受けた。オフショア関連事業では、主力のオウンドメディアの構築や、地域活性につながる地場企業・第三セクターとの取り組みを進めたが、沖縄やベトナムでもコロナ禍の影響があった。ただ、第2四半期という期間をとると、4月〜6月のコロナ禍の影響が大きかったと言わざるを得ないが、各事業で7月〜8月以降に回復が顕著となった。
ニューノーマルに積極的に適応する新たな打ち手
2. 新たな打ち手
コロナ禍という未曽有の出来事が引き起こすニューノーマルに対して、同社は積極的に対応してきた。具体的には「オンライン化」と「業務提携の強化」に注力しており、今後さらに加速する方針だ。
「オンライン化」については、マーケティングにおけるオンラインセミナーの開催数増加に加え、オンライン営業による企画・提案強化、オンラインによるカスタマーサクセス支援強化に取り組んでいる。業界特化型ノウハウを体系化しているため顧客の納得を得やすいことから、地方企業や中堅企業なども含めて顧客獲得が想定以上に進んでいるもようで、これにより対面営業の減少を補っている。また「業務提携の強化」については、2021年3月期上期に既に5社との提携を発表している。業務提携は従来からの手法だが、これを加速させることで新規顧客の獲得とサービスの幅を広げる考えである。また、地方企業への拡張に加えて、自治体やその先の中小・地方企業、親社会のデジタル化が行き届いていない大企業子会社などへとターゲットも拡大している。このような打ち手は、後述する3つの成長戦略にもつながる打ち手であり、その点で戦略的重要性が高いと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<YM>
1. 2021年3月期第2四半期の業績概要
ブランディングテクノロジー<7067>の2021年3月期第2四半期の業績は、売上高2,128百万円(前年同期比17.0%減)、営業損失90百万円(前年同期は61百万円の利益)、経常損失92百万円(同52百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失67百万円(同28百万円の利益)となった。
世界的なコロナ禍に伴う緊急事態宣言の発令により、各社・各業界とも経済活動が大幅に制限され苦しい業績が続いているが、同社の2021年3月期第2四半期も同様に厳しい決算となった。しかし、緊急事態宣言解除後は段階的に経済活動が再開し、景気にも持ち直しの傾向が見られるようになったこともあり、同社もテレワークの積極的な活用や営業活動のオンライン化などによる生産性の維持・向上に取り組んだことが奏功し、広告売上高は4月〜6月に一時停止する案件が増加したものの、7月以降には回復基調となっている。また、4月〜7月に新規営業機会の減少により落ち込んだスポット売上高についても、8月以降は回復基調となっている。感染再拡大への懸念から先行き不透明な状況が続いているものの、業界特化型ノウハウが体系化されているため、営業をオンライン化してもスムーズに顧客に受け入れられていることが、回復トレンドが強まった要因のようだ。以上のことから同社は、自らのビジネスモデルへの自信を深めていると言えよう。
2021年3月期第2四半期のセグメント別業績は、ブランド事業が売上高613百万円(前年同期比20.3%減)、セグメント利益106百万円(同34.7%減)、デジタルマーケティング事業が売上高1,471百万円(同14.9%減)、セグメント利益47百万円(同57.9%減)、オフショア関連事業が売上高42百万円(同35.2%減)、セグメント損失1百万円(前年同期は8百万円の利益)となった。
ブランド事業では、様々な経済活動が制限されるなかで、非対面型の営業活動やアライアンス企業とのオンライン動画セミナーの共同開催などに注力したが、顧客のオウンドメディア等への投資抑制もあって受注や納品に影響が生じた。デジタルマーケティング事業では、テレワークによる働き方改革や非対面型営業を進めることで効率化を図り、顧客へのサービス拡充に注力したが、顧客の広告分野に対する支出抑制や予算見直しの影響を受けた。オフショア関連事業では、主力のオウンドメディアの構築や、地域活性につながる地場企業・第三セクターとの取り組みを進めたが、沖縄やベトナムでもコロナ禍の影響があった。ただ、第2四半期という期間をとると、4月〜6月のコロナ禍の影響が大きかったと言わざるを得ないが、各事業で7月〜8月以降に回復が顕著となった。
ニューノーマルに積極的に適応する新たな打ち手
2. 新たな打ち手
コロナ禍という未曽有の出来事が引き起こすニューノーマルに対して、同社は積極的に対応してきた。具体的には「オンライン化」と「業務提携の強化」に注力しており、今後さらに加速する方針だ。
「オンライン化」については、マーケティングにおけるオンラインセミナーの開催数増加に加え、オンライン営業による企画・提案強化、オンラインによるカスタマーサクセス支援強化に取り組んでいる。業界特化型ノウハウを体系化しているため顧客の納得を得やすいことから、地方企業や中堅企業なども含めて顧客獲得が想定以上に進んでいるもようで、これにより対面営業の減少を補っている。また「業務提携の強化」については、2021年3月期上期に既に5社との提携を発表している。業務提携は従来からの手法だが、これを加速させることで新規顧客の獲得とサービスの幅を広げる考えである。また、地方企業への拡張に加えて、自治体やその先の中小・地方企業、親社会のデジタル化が行き届いていない大企業子会社などへとターゲットも拡大している。このような打ち手は、後述する3つの成長戦略にもつながる打ち手であり、その点で戦略的重要性が高いと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<YM>