明豊ファシリ Research Memo(1):CMサービスの付加価値向上に取り組み持続的な成長を目指す
[20/12/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
明豊ファシリティワークス<1717>は、建築に関して技術的な中立性を保ちつつ、発注者(施主)側に立って基本計画作成や工事発注方式の検討、競争入札、品質・工程・コストの管理などを行うコンストラクション・マネジメント(以下、CM)事業(発注者支援事業)を展開する。ITの積極活用によりプロジェクトのすべてのプロセスを可視化しており、「フェアネス」と「透明性」を保ちながら、高い専門性と提案力に裏打ちされた「高品質なマネジメントサービスの提供」「プロジェクトの早期立ち上げ支援」を行うことで顧客からの信頼を獲得し、成長を続けている。完成工事高(アットリスクCMによる売上高)が減り、売上の大半がマネジメントサービス収入(ピュアCMによる収入)に変わったことを受け、2020年10月から東京証券取引所における所属業種が「建設業」から「サービス業」に移っている。
1. 2021年3月期第2四半期累計業績の概要
2021年3月期第2四半期累計(2020年4月〜9月)業績は、売上高で前年同期比14.8%減の1,785百万円、経常利益で同28.9%減の279百万円となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)において顧客の投資姿勢が慎重になったことから新規受注活動が停滞し、前期受注済みで進行中の案件に関して顧客側で実施時期の見直しがあり、売上計上時期が第3四半期以降にずれ込んだ影響もあって減収減益となった。ただ、期初計画(売上高1,861百万円、経常利益227百万円)に対してはDX化の推進等による経費抑制効果もあって、経常利益ベースは上回って着地した。
2. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期の売上高は前期比9.4%減の3,945百万円、経常利益は同32.0%減の616百万円と期初計画を据え置いた。売上高はコロナ禍の影響が、通年で新規受注活動に影響が出ることを前提とした計画となっている。第1四半期は想定通り新規案件の動きはなかったが、第2四半期以降、徐々に引き合いも増えてきているようだ。CREM(コーポレート・リアルエステート・マネジメント)事業でも金融機関から事業拠点のインフラ設備更新に関する相談も出てきているようだ。金融機関では多くの事業拠点を有しており、インフラ設備の更新にあたっては複数年にわたる長期プロジェクトとなる。同社独自のMPS(Meiho Project Management System:多拠点プロジェクト管理支援システム)を使った効率的なプロジェクト運用が評価されており、今後の受注貢献が期待される。
3. 今後の取り組み方針
同社は今後の取り組み方針として、公共分野のCMに継続的に注力していくことに加えて、ポストコロナに適応したCMサービスの提供にも取り組んでいく。社会様式が大きく変化するなかで、今後想定されるニーズの変化を先読みし、新たな付加価値サービスを提供することによって受注を獲得していく考えだ。具体的な取り組みとしては、設計・施工者側で普及が進みつつあるBIM※を発注者側でも利活用できる仕組みを提案し、契約時の意思決定の判断材料としてもらう取り組みを開始している。また、同社が開発・利用しているMPSなどのITプラットフォームを顧客側でも利用できるようにし、顧客と一体となったプロジェクト運営に取り組んでいくほか、同社が長年利用してきた、生産性や働き方を定量化・可視化できるMHS(明豊マンアワーシステム)の外部提供も検討している。
※BIMとは、「Building(建物を) Information(情報で) Modeling(形成する)」の略で、建築物をコンピューター上の3D空間で構築し、企画・設計・施工・維持管理に関する情報を一元化して活用する手法のことを言う。
■Key Points
・2021年3月期第2四半期累計業績は減収減益となるも、利益ベースでは計画を上回る
・オンラインと対面型の組み合わせによる新たな働き方への移行により生産性向上を実現
・公共分野を中心としたCM普及率の上昇により、中長期的な成長余地は大きい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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明豊ファシリティワークス<1717>は、建築に関して技術的な中立性を保ちつつ、発注者(施主)側に立って基本計画作成や工事発注方式の検討、競争入札、品質・工程・コストの管理などを行うコンストラクション・マネジメント(以下、CM)事業(発注者支援事業)を展開する。ITの積極活用によりプロジェクトのすべてのプロセスを可視化しており、「フェアネス」と「透明性」を保ちながら、高い専門性と提案力に裏打ちされた「高品質なマネジメントサービスの提供」「プロジェクトの早期立ち上げ支援」を行うことで顧客からの信頼を獲得し、成長を続けている。完成工事高(アットリスクCMによる売上高)が減り、売上の大半がマネジメントサービス収入(ピュアCMによる収入)に変わったことを受け、2020年10月から東京証券取引所における所属業種が「建設業」から「サービス業」に移っている。
1. 2021年3月期第2四半期累計業績の概要
2021年3月期第2四半期累計(2020年4月〜9月)業績は、売上高で前年同期比14.8%減の1,785百万円、経常利益で同28.9%減の279百万円となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)において顧客の投資姿勢が慎重になったことから新規受注活動が停滞し、前期受注済みで進行中の案件に関して顧客側で実施時期の見直しがあり、売上計上時期が第3四半期以降にずれ込んだ影響もあって減収減益となった。ただ、期初計画(売上高1,861百万円、経常利益227百万円)に対してはDX化の推進等による経費抑制効果もあって、経常利益ベースは上回って着地した。
2. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期の売上高は前期比9.4%減の3,945百万円、経常利益は同32.0%減の616百万円と期初計画を据え置いた。売上高はコロナ禍の影響が、通年で新規受注活動に影響が出ることを前提とした計画となっている。第1四半期は想定通り新規案件の動きはなかったが、第2四半期以降、徐々に引き合いも増えてきているようだ。CREM(コーポレート・リアルエステート・マネジメント)事業でも金融機関から事業拠点のインフラ設備更新に関する相談も出てきているようだ。金融機関では多くの事業拠点を有しており、インフラ設備の更新にあたっては複数年にわたる長期プロジェクトとなる。同社独自のMPS(Meiho Project Management System:多拠点プロジェクト管理支援システム)を使った効率的なプロジェクト運用が評価されており、今後の受注貢献が期待される。
3. 今後の取り組み方針
同社は今後の取り組み方針として、公共分野のCMに継続的に注力していくことに加えて、ポストコロナに適応したCMサービスの提供にも取り組んでいく。社会様式が大きく変化するなかで、今後想定されるニーズの変化を先読みし、新たな付加価値サービスを提供することによって受注を獲得していく考えだ。具体的な取り組みとしては、設計・施工者側で普及が進みつつあるBIM※を発注者側でも利活用できる仕組みを提案し、契約時の意思決定の判断材料としてもらう取り組みを開始している。また、同社が開発・利用しているMPSなどのITプラットフォームを顧客側でも利用できるようにし、顧客と一体となったプロジェクト運営に取り組んでいくほか、同社が長年利用してきた、生産性や働き方を定量化・可視化できるMHS(明豊マンアワーシステム)の外部提供も検討している。
※BIMとは、「Building(建物を) Information(情報で) Modeling(形成する)」の略で、建築物をコンピューター上の3D空間で構築し、企画・設計・施工・維持管理に関する情報を一元化して活用する手法のことを言う。
■Key Points
・2021年3月期第2四半期累計業績は減収減益となるも、利益ベースでは計画を上回る
・オンラインと対面型の組み合わせによる新たな働き方への移行により生産性向上を実現
・公共分野を中心としたCM普及率の上昇により、中長期的な成長余地は大きい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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