藤商事 Research Memo(5):遊技者目線の追求による新機種開発により稼働力の向上とシェア拡大を目指す
[20/12/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
2. 重点施策
収益力回復に向けて2021年3月期に取り組む最重点課題として、「徹底した市場ニーズの調査・遊技者目線の追求による稼働力向上」を掲げている。遊技機市場全体の縮小が続くなかで、藤商事<6257>もここ数年、ヒット機種を生み出すことが難しくなっており、ホールでの稼働力も想定を下回るケースが増え、収益が低迷する要因となっている。こうした状況を打開するため、同社は2019年より全国のパチンコホールを訪問して、稼働力が低迷する原因を徹底して調査し、競合メーカーの機種との比較も行いながら分析を行い、開発部門にフィードバックして、新機種の開発を一から見直して行うよう開発体制を刷新した。改善項目は、音や映像の表現方法から遊技スぺック、ハンドルの形状に至るまですべて洗い出し、新機種の開発に反映させている。従来よりも、遊技者目線に立った機種を開発することで、稼働力の向上とシェア拡大を実現していく考えだ。
2020年4月以降の新機種は、このようなコンセプトで開発した機種となる。上期に投入した新機種についてはコロナ禍の影響でホール自体の稼働率が低下していたため、評価するのは難しかったが、前述したように「Pとある」に関してはコンテンツそのものの人気が高かったという面もあるが、若年層を中心に大きな反響を得ており、同社の新機種開発に当たっての取り組みの成果がでたものと評価される。今後、投入される新機種についても、同様に従前よりも高い稼働力を維持できるかどうかが注目される。
また、商品戦略として従来、「ホラー、時代劇、萌え」ジャンルを主軸に版権を購入しシリーズ展開してきたが、ジャンルの裾野を拡げて、新たなヒット機種の創出にも取り組んでいく考えで「Pとある」もその1ジャンルと言える。業界全体は逆風が続いているものの、同社のパチンコ遊技機の市場シェアはまだ数%台と低く、シェアを拡大することによって成長する余地は大きい。当面の目標としては市場シェアで10%の達成を掲げている。
そのほかの重点課題として以下の点に取り組んでいく方針となっている。
(1) 稼働・販売力向上に向けた社内体制強化
新規則機の導入に伴って、型式試験の合格率が低下したことを背景に、パチンコ遊技機、パチスロ遊技機ともに子会社も含めた藤商事グループ全体で、適合機種数の確保を目指している。このため、グループでの製造・販売体制の効率的な運用に向けた社内体制の整備や、PDCAサイクルの強化に取り組み、稼働・販売力の向上につなげていく。
(2) リユースサイクルの強化と経費コントロール強化
パチンコ遊技機などでは部材コスト低減のため、リユース品を利用しているケースも多い。リユース品を多く使用できるかどうかは、旧機種をどれだけ下取り回収できるかにかかっているが、現状、下取り回収率についてはまだ改善の余地があると見ており、調達ルートを含めて下取り回収の強化に取り組んでいく方針だ。同社ではこうした部材コストの低減に取り組むことで、売上総利益率50%超の水準を維持していく方針となっている。2021年3月期に関しては、本体販売の比率が上昇したため、50%を下回る見通しとなっているが、2022年3月期以降はパネル販売比率も回復し、売上総利益率は50%台の水準を回復するものと予想される。また、販管費についても研究開発部門における生産性向上や、広告宣伝費の効率化、その他経費のコントロールを強化することで抑制していく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
2. 重点施策
収益力回復に向けて2021年3月期に取り組む最重点課題として、「徹底した市場ニーズの調査・遊技者目線の追求による稼働力向上」を掲げている。遊技機市場全体の縮小が続くなかで、藤商事<6257>もここ数年、ヒット機種を生み出すことが難しくなっており、ホールでの稼働力も想定を下回るケースが増え、収益が低迷する要因となっている。こうした状況を打開するため、同社は2019年より全国のパチンコホールを訪問して、稼働力が低迷する原因を徹底して調査し、競合メーカーの機種との比較も行いながら分析を行い、開発部門にフィードバックして、新機種の開発を一から見直して行うよう開発体制を刷新した。改善項目は、音や映像の表現方法から遊技スぺック、ハンドルの形状に至るまですべて洗い出し、新機種の開発に反映させている。従来よりも、遊技者目線に立った機種を開発することで、稼働力の向上とシェア拡大を実現していく考えだ。
2020年4月以降の新機種は、このようなコンセプトで開発した機種となる。上期に投入した新機種についてはコロナ禍の影響でホール自体の稼働率が低下していたため、評価するのは難しかったが、前述したように「Pとある」に関してはコンテンツそのものの人気が高かったという面もあるが、若年層を中心に大きな反響を得ており、同社の新機種開発に当たっての取り組みの成果がでたものと評価される。今後、投入される新機種についても、同様に従前よりも高い稼働力を維持できるかどうかが注目される。
また、商品戦略として従来、「ホラー、時代劇、萌え」ジャンルを主軸に版権を購入しシリーズ展開してきたが、ジャンルの裾野を拡げて、新たなヒット機種の創出にも取り組んでいく考えで「Pとある」もその1ジャンルと言える。業界全体は逆風が続いているものの、同社のパチンコ遊技機の市場シェアはまだ数%台と低く、シェアを拡大することによって成長する余地は大きい。当面の目標としては市場シェアで10%の達成を掲げている。
そのほかの重点課題として以下の点に取り組んでいく方針となっている。
(1) 稼働・販売力向上に向けた社内体制強化
新規則機の導入に伴って、型式試験の合格率が低下したことを背景に、パチンコ遊技機、パチスロ遊技機ともに子会社も含めた藤商事グループ全体で、適合機種数の確保を目指している。このため、グループでの製造・販売体制の効率的な運用に向けた社内体制の整備や、PDCAサイクルの強化に取り組み、稼働・販売力の向上につなげていく。
(2) リユースサイクルの強化と経費コントロール強化
パチンコ遊技機などでは部材コスト低減のため、リユース品を利用しているケースも多い。リユース品を多く使用できるかどうかは、旧機種をどれだけ下取り回収できるかにかかっているが、現状、下取り回収率についてはまだ改善の余地があると見ており、調達ルートを含めて下取り回収の強化に取り組んでいく方針だ。同社ではこうした部材コストの低減に取り組むことで、売上総利益率50%超の水準を維持していく方針となっている。2021年3月期に関しては、本体販売の比率が上昇したため、50%を下回る見通しとなっているが、2022年3月期以降はパネル販売比率も回復し、売上総利益率は50%台の水準を回復するものと予想される。また、販管費についても研究開発部門における生産性向上や、広告宣伝費の効率化、その他経費のコントロールを強化することで抑制していく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>