IXナレッジ Research Memo(7):先進技術を活用した水産資源のトレーサビリティシステムで成果
[20/12/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期の戦略
1. コロナ禍でのDX需要を受け、デジタル化への営業体制・開発体制強化
アイエックス・ナレッジ<9753>の中期的な成長にとって、クラウド化の進展は大きな追い風となる。国内クラウドサービス市場の市場規模は、2019年度に2兆円を超える規模に達しており、成長率も高い。令和2年情報通信白書(総務省)によると、国内におけるクラウドサービスの利用状況は2015年に利用率※44.6%であったものが2019年には64.7%に上昇した。クラウドサービスの成長のドライバーとしては、効率性(コスト)、セキュリティ、技術革新対応力、柔軟性などの基本機能において優れる面があるが、2020年に入ってからは、これに加えコロナ禍による働き方の変化が影響している。コロナ禍によりテレワーク・在宅勤務やオンライン会議、グループウェア・ビジネスチャットなどが普及し、よりクラウド型システムが求められるようになっている。同社の既存・潜在顧客においても、IT投資の優先順位を変更し、クラウド投資を最優先にする企業が増加する傾向にある。以上のことを踏まえて同社では、コロナ禍における中期経営計画の重点施策として、オンプレミスからクラウドへの移行や、クラウド環境構築等の営業体制・開発体制の強化を掲げている。
※「全社的に利用している」と「一部の事業所又は部門で利用している」の回答企業の合計
2. ブロックチェーン等の先進技術を活用した水産資源のトレーサビリティシステムで成果
2020年10月、同社及び6社(海光物産(株)、(株)シーフードレガシー、テクノ・マインド(株)、日本アイ・ビー・エム(株)、(株)ライトハウス、楽天<4755>)は、“サスティナブルな漁業”の実現に寄与することを目的とした協議会「Ocean to Table Council」を設立した。
「Ocean to Table Council」は、ブロックチェーンやIoT、音声認識技術等、高度ITの利活用によるトレーサビリティシステムを提供することで、漁場から食卓まで(Ocean to Table)のend-to-end にわたる水産資源管理の高度化に取り組み、正しい資源管理に基づく漁獲物を広く社会へ伝えていくことを目指している。この協議会を通じて、“サスティナブルな漁業”を実践するためのIT利活用の事例、成果等を参加企業が相互に学び、同時に、そこで得られた成果・ノウハウを広く社会にアピールしたい考えだ。サプライチェーン関係者はアプリを通じて水揚げから最終消費地に到着するまでの漁獲・流通データを確認することができるほか、消費者は漁業者の思いを知ることができることに加え、Web上で魚を購入できるなどコロナ禍に求められている非対面型ビジネスも可能にしているシステムである。日本アイ・ビー・エムが世界の食品・小売企業・団体が活用するブロックチェーンベースのプラットフォーム「IBM Food Trust」を提供し、同社はそのアプリケーションの開発等に携わった。
「Ocean to Table Council」の取り組みは、2020年11月に発表された第2回ジャパン・サステナブルシーフード・アワードにおいてチャンピオン(コラボレーション部門)に選ばれた。取組名は「ブロックチェーンを活用した非対面型ビジネスモデルへの転換」、対象企業は、同社のほか海光物産、日本アイ・ビー・エム、ライトハウスである。受賞理由としては、ブロックチェーン技術を日本で初めて技術適用し小売りや食卓までのトレーサビリティを確保したこと、また、それをユーザーフレンドリーに見せる技術を開発したことが高く評価された。
同社にとっては、近年強化してきたデジタル先端技術を活用したソリューションサービスの創出の取り組みの成果が表れたと言える。特にブロックチェーンを活用したトレーサビリティの確立は、様々な産業での応用が可能であり、今後の発展にも期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. コロナ禍でのDX需要を受け、デジタル化への営業体制・開発体制強化
アイエックス・ナレッジ<9753>の中期的な成長にとって、クラウド化の進展は大きな追い風となる。国内クラウドサービス市場の市場規模は、2019年度に2兆円を超える規模に達しており、成長率も高い。令和2年情報通信白書(総務省)によると、国内におけるクラウドサービスの利用状況は2015年に利用率※44.6%であったものが2019年には64.7%に上昇した。クラウドサービスの成長のドライバーとしては、効率性(コスト)、セキュリティ、技術革新対応力、柔軟性などの基本機能において優れる面があるが、2020年に入ってからは、これに加えコロナ禍による働き方の変化が影響している。コロナ禍によりテレワーク・在宅勤務やオンライン会議、グループウェア・ビジネスチャットなどが普及し、よりクラウド型システムが求められるようになっている。同社の既存・潜在顧客においても、IT投資の優先順位を変更し、クラウド投資を最優先にする企業が増加する傾向にある。以上のことを踏まえて同社では、コロナ禍における中期経営計画の重点施策として、オンプレミスからクラウドへの移行や、クラウド環境構築等の営業体制・開発体制の強化を掲げている。
※「全社的に利用している」と「一部の事業所又は部門で利用している」の回答企業の合計
2. ブロックチェーン等の先進技術を活用した水産資源のトレーサビリティシステムで成果
2020年10月、同社及び6社(海光物産(株)、(株)シーフードレガシー、テクノ・マインド(株)、日本アイ・ビー・エム(株)、(株)ライトハウス、楽天<4755>)は、“サスティナブルな漁業”の実現に寄与することを目的とした協議会「Ocean to Table Council」を設立した。
「Ocean to Table Council」は、ブロックチェーンやIoT、音声認識技術等、高度ITの利活用によるトレーサビリティシステムを提供することで、漁場から食卓まで(Ocean to Table)のend-to-end にわたる水産資源管理の高度化に取り組み、正しい資源管理に基づく漁獲物を広く社会へ伝えていくことを目指している。この協議会を通じて、“サスティナブルな漁業”を実践するためのIT利活用の事例、成果等を参加企業が相互に学び、同時に、そこで得られた成果・ノウハウを広く社会にアピールしたい考えだ。サプライチェーン関係者はアプリを通じて水揚げから最終消費地に到着するまでの漁獲・流通データを確認することができるほか、消費者は漁業者の思いを知ることができることに加え、Web上で魚を購入できるなどコロナ禍に求められている非対面型ビジネスも可能にしているシステムである。日本アイ・ビー・エムが世界の食品・小売企業・団体が活用するブロックチェーンベースのプラットフォーム「IBM Food Trust」を提供し、同社はそのアプリケーションの開発等に携わった。
「Ocean to Table Council」の取り組みは、2020年11月に発表された第2回ジャパン・サステナブルシーフード・アワードにおいてチャンピオン(コラボレーション部門)に選ばれた。取組名は「ブロックチェーンを活用した非対面型ビジネスモデルへの転換」、対象企業は、同社のほか海光物産、日本アイ・ビー・エム、ライトハウスである。受賞理由としては、ブロックチェーン技術を日本で初めて技術適用し小売りや食卓までのトレーサビリティを確保したこと、また、それをユーザーフレンドリーに見せる技術を開発したことが高く評価された。
同社にとっては、近年強化してきたデジタル先端技術を活用したソリューションサービスの創出の取り組みの成果が表れたと言える。特にブロックチェーンを活用したトレーサビリティの確立は、様々な産業での応用が可能であり、今後の発展にも期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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