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フォーバル Research Memo(5):21年3月期2Qはコロナ禍の営業自粛から緩やかに正常化に向かうも減収減益

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. アイコンサービス等の継続サービスは好調維持
フォーバル<8275>の2021年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比5.4%減の23,455百万円、営業利益が同33.5%減の1,024百万円、経常利益が同43.3%減の913百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同62.7%減の460百万円となり、コロナ禍で営業自粛を行った第1四半期に対して、第2四半期は徐々に正常化したものの、減収減益決算となった。

売上高に関しては、緊急事態宣言が出された第1四半期に前年同期比6.7%減と落ち込んだが、第2四半期単独では同4.3%減と回復傾向にある。第1四半期に営業自粛や全従業員の約18%にあたる179名を含めグループ会社の一部従業員の休業の実施等で影響が大きかったが、第2四半期に入り正常化に向かった。一部の顧客(企業・団体・個人)での投資先送りや個別訪問営業回避等の傾向は継続しており、緩やかな回復となった。また、同社のビジネスモデルは継続サービス(アイコンサービスなどの経営支援、通信・電力サービスなど)の構成が多いため売上高への影響は少なかった面がある。フォーバルビジネスグループでは、アイコンサービスが堅調に推移し、テレワーク環境の整備などの投資は活発だったが、一方で従来の事務機器やサーバー等への投資は鈍った。フォーバルテレコムビジネスグループは全体としては増収(前年同期比3.7%増)。新電力サービスや保険サービスが好調な一方で、光回線サービスやISPの新規販売が減少した。総合環境コンサルティングビジネスグループでは、再生可能エネルギー特別措置法(FIT法)改正の影響により太陽光システム等が減少し、減収。蓄電池等はコロナ禍でも堅調に推移している。人材・教育部門を含むその他セグメントは増収。子会社化したカエルネットワークスが寄与したのに加え、技術者派遣なども好調だった。

営業利益に関しては、販管費において経費の削減に取り組んだことで前年同期比397百万円減少(同5.0%減)となったものの、売上総利益が同912百万円減少(同9.6%減)し、減益となった。セグメント別では、全てのセグメントで減益となったものの、フォーバルテレコムビジネスグループとその他事業グループは増収だった。


健全かつ安定した財務体質を維持。現預金約90億円と潤沢であり、継続的なM&Aが可能
2. 財務状況と経営指標
2021年3月期第2四半期末の総資産は前期末比153百万円減の28,950百万円となった。そのうち流動資産は1,033百万円減であり、現預金の744百万円減、受取手形及び売掛金の521百万円減などが主な要因である。固定資産は879百万円増であり、のれんの増加にともなう無形固定資産731百万円増などが主な要因である。

負債合計は前期末比630百万円減の17,072百万円となった。そのうち流動負債は861百万円減であり、支払手形及び買掛金の620百万円減や未払法人税等の304百万円減などが主な要因である。固定負債は230百万円増であり、長期借入金の89百万円増、退職給付に係る負債の80百万円増などが主な要因である。有利子負債の残高は4,689百万円であり、現金及び預金8,998百万円と比較しても低水準にある。

経営指標(2021年3月期第2四半期)では、流動比率が139.2%(前期末138.1%)、自己資本比率が39.0%(前期末37.2%)となっており、健全かつ安定した財務状態を維持している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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