MDNT Research Memo(4):免疫細胞治療分野のパイオニア。細胞加工技術の実績とノウハウを有する
[20/12/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
3. 特徴と強み
(1) 細胞加工業としての実績約18.7万件
メディネット<2370>のコア技術はがん免疫細胞治療のパイオニアとして蓄積してきた細胞加工技術である。その細胞加工技術をベースに細胞加工業として、20年余りで累積件数約18.7万件(年間1万件ペース、2020年9月期末)に達し、国内トップクラスの実績を有する。また、国内最大級の細胞培養加工施設(CPF)である品川細胞培養加工施設(2015年「特定細胞加工物製造許可」を取得、2020年「再生医療等製品製造業許可」を取得)を持ち、特定細胞加工物、再生医療等製品及び治験製品の開発から商用生産まであらゆる細胞・組織の加工や開発・製造受託に対応することが可能である。特に、細胞加工の品質面に自信を持っており、培養加工設備のオペレーションはもちろんのこと、独自の培養加工ノウハウが安全かつ高品質を生むカギとなっている。そのために細胞加工技術者の普段からの教育と徹底した技術開発や信頼性保証の知識共有化が18万件の実績につながっていると言っても過言ではない。
(2) がん免疫細胞治療のファーストムーバー(先行者)である瀬田クリニックとの深い協力関係
「がん免疫細胞治療総合支援サービス」(当時)は木村・江川体制がつくり上げたサービスである。瀬田クリニック東京は同社のがん免疫細胞治療用細胞加工技術を活用してがん免疫細胞治療を提供するがん免疫細胞治療専門クリニックで、これまで20年以上にわたり、同社と緻密かつ安定的な関係を維持してきた。また、最近では中国・韓国などインバウンド患者(現在はコロナ禍の影響で入国制限)が増加傾向にあり、大きな需要となりつつある。同社の瀬田クリニック東京(瀬田クリニック東京が医療連携を行っている全国の医療機関を含む)に対する売上高は全体の約7割を占めている(集中率70%)。しかし、顧客集中リスクも内在し、当該医療機関での医療事故や患者減少などにより特定細胞加工物の受託が減少することも想定しておくべきである。がん免疫細胞治療の医療機関の新規開拓を進め、集中率を緩和する必要がある。
(3) コア事業を所有
前述のとおり細胞加工業は、これまで慢性的に損失計上が続いていたが今回の事業構造改革による利益体質へ転換が図られ、今後は稼げるビジネスとして大いに期待できる。ほかのバイオベンチャーと比較しても、財務体質はもとより経営の安定性がある。普通のモノづくり企業と同様に、コア事業で稼いだキャッシュを成長の原資として新規事業に逐次資金投入も可能となる。同社は、将来外部からの資金調達だけに頼ることなく、ベンチャー企業内で資金を環流できる財務構造の実現が可能となるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
<EY>
3. 特徴と強み
(1) 細胞加工業としての実績約18.7万件
メディネット<2370>のコア技術はがん免疫細胞治療のパイオニアとして蓄積してきた細胞加工技術である。その細胞加工技術をベースに細胞加工業として、20年余りで累積件数約18.7万件(年間1万件ペース、2020年9月期末)に達し、国内トップクラスの実績を有する。また、国内最大級の細胞培養加工施設(CPF)である品川細胞培養加工施設(2015年「特定細胞加工物製造許可」を取得、2020年「再生医療等製品製造業許可」を取得)を持ち、特定細胞加工物、再生医療等製品及び治験製品の開発から商用生産まであらゆる細胞・組織の加工や開発・製造受託に対応することが可能である。特に、細胞加工の品質面に自信を持っており、培養加工設備のオペレーションはもちろんのこと、独自の培養加工ノウハウが安全かつ高品質を生むカギとなっている。そのために細胞加工技術者の普段からの教育と徹底した技術開発や信頼性保証の知識共有化が18万件の実績につながっていると言っても過言ではない。
(2) がん免疫細胞治療のファーストムーバー(先行者)である瀬田クリニックとの深い協力関係
「がん免疫細胞治療総合支援サービス」(当時)は木村・江川体制がつくり上げたサービスである。瀬田クリニック東京は同社のがん免疫細胞治療用細胞加工技術を活用してがん免疫細胞治療を提供するがん免疫細胞治療専門クリニックで、これまで20年以上にわたり、同社と緻密かつ安定的な関係を維持してきた。また、最近では中国・韓国などインバウンド患者(現在はコロナ禍の影響で入国制限)が増加傾向にあり、大きな需要となりつつある。同社の瀬田クリニック東京(瀬田クリニック東京が医療連携を行っている全国の医療機関を含む)に対する売上高は全体の約7割を占めている(集中率70%)。しかし、顧客集中リスクも内在し、当該医療機関での医療事故や患者減少などにより特定細胞加工物の受託が減少することも想定しておくべきである。がん免疫細胞治療の医療機関の新規開拓を進め、集中率を緩和する必要がある。
(3) コア事業を所有
前述のとおり細胞加工業は、これまで慢性的に損失計上が続いていたが今回の事業構造改革による利益体質へ転換が図られ、今後は稼げるビジネスとして大いに期待できる。ほかのバイオベンチャーと比較しても、財務体質はもとより経営の安定性がある。普通のモノづくり企業と同様に、コア事業で稼いだキャッシュを成長の原資として新規事業に逐次資金投入も可能となる。同社は、将来外部からの資金調達だけに頼ることなく、ベンチャー企業内で資金を環流できる財務構造の実現が可能となるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
<EY>