ナレッジスイート Research Memo(1):今後3年間はDX事業に経営資源を集中投下し、売上成長率UPを最優先に
[21/01/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ナレッジスイート<3999>は、中堅・中小企業向けにSFA※機能を中心としたクラウド型統合ビジネスアプリケーション「Knowledge Suite(ナレッジスイート)」を主要サービスとして展開するIT企業である。「Knowledge Suite」(OEM除く)等のクラウドサービス(SaaS)の契約社数は2020年9月末時点で1,844社と右肩上がりに増加中で、サブスクリプション型のビジネスモデルとなっていることが特徴。直販以外にOEM先のKDDI<9433>が、「KDDI Knowledge Suite」として販売している。また、子会社にシステムエンジニアリング事業を展開する(株)アーキテクトコアを持つ。
※SFA(Sales Force Automation)とは、営業のプロセスや進捗状況を管理し、営業活動を効率化するためのシステム。
1. 2020年9月期業績実績
2020年9月期の連結業績は、売上収益で前期比1.9%減の2,118百万円、営業損失で20百万円(前期は120百万円の営業利益)となった。「Knowledge Suite」の契約社数が順調に拡大してことで、クラウドソリューション事業の売上収益は前期比9.4%増と順調に拡大したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大で案件の先延ばし影響が出たシステムエンジニアリング事業が同8.9%減となったことが減収要因となった。利益面では、「Knowledge Suite」の顧客基盤拡大に向けた営業体制の強化により、人件費が前期比90百万円増加したことに加えて、2020年5月にリリースしたオンライン商談ツール「VCRM(ブイシーアールエム)」の認知度向上を図るため、第4四半期にテレビCMを実施したことで広告宣伝費が同108百万円増加したことが減益要因となった。なお、「Knowledge Suite」等のクラウドサービス(SaaS)売上高は前期比12.9%増の674百万円となり、コロナ禍において対面営業が制限されるなかでも順調に増加している。
2. 2021年9月期業績見通し
2021年9月期の連結業績は、売上収益で前期比13.7%増の2,408百万円、営業利益で31百万円の黒字に転換する見通し。コロナ禍において中堅・中小企業でも経営のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)化が進み始めており、こうした追い風を確実に取り込むべく、「Knowledge Suite」の新規顧客開拓や、導入後の定着支援を図るための人員体制の強化を進めていく。このため、人件費は前期比175百万円の増加を見込んでいる。また、「Knowledge Suite」のシェア拡大を図るため、広告宣伝費も同51百万円増と引き続き積極投資を継続していく方針となっている。こうした取り組みにより、コア事業となるDX事業(SaaS及び導入支援等)の売上収益は前期比44.2%増の969百万円と高成長を目指している。一方、BPO事業(システムエンジニアリング及び「Knowledge Suite」のOEM販売、ソリューション事業)については、前期比0.5%減の1,438百万円と横ばい水準で見ている。
3. 中期目標
同社は3年後の2023年9月期に売上収益で約45億円、うち、DX事業については約30億円と前期から約4倍に拡大していくことを目標に掲げている。この高成長を実現していくために、2020年9月期末で24名だった営業人員を100名まで増員するなど積極投資を行う期間と位置付けている。中堅・中小企業でも今後3年間でDX化が浸透すると思われ、顧客獲得の最大の好機であると同時に、その後の持続的な成長を実現していくための重要な期間であると考えているためだ。こうした投資の効果によって、2024年9月期以降は利益面でも本格的な成長フェーズに入るものと予想される。
■Key Points
・2020年9月期は積極的な成長投資実行により損益が悪化するも、SaaSの売上は順調に拡大
・2021年9月期はDXの追い風を捉え、売上成長UPを最優先に取り組んでいく方針
・中堅・中小企業のDX化を支援するDX事業に経営リソースを集中し、年率30%の売上成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ナレッジスイート<3999>は、中堅・中小企業向けにSFA※機能を中心としたクラウド型統合ビジネスアプリケーション「Knowledge Suite(ナレッジスイート)」を主要サービスとして展開するIT企業である。「Knowledge Suite」(OEM除く)等のクラウドサービス(SaaS)の契約社数は2020年9月末時点で1,844社と右肩上がりに増加中で、サブスクリプション型のビジネスモデルとなっていることが特徴。直販以外にOEM先のKDDI<9433>が、「KDDI Knowledge Suite」として販売している。また、子会社にシステムエンジニアリング事業を展開する(株)アーキテクトコアを持つ。
※SFA(Sales Force Automation)とは、営業のプロセスや進捗状況を管理し、営業活動を効率化するためのシステム。
1. 2020年9月期業績実績
2020年9月期の連結業績は、売上収益で前期比1.9%減の2,118百万円、営業損失で20百万円(前期は120百万円の営業利益)となった。「Knowledge Suite」の契約社数が順調に拡大してことで、クラウドソリューション事業の売上収益は前期比9.4%増と順調に拡大したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大で案件の先延ばし影響が出たシステムエンジニアリング事業が同8.9%減となったことが減収要因となった。利益面では、「Knowledge Suite」の顧客基盤拡大に向けた営業体制の強化により、人件費が前期比90百万円増加したことに加えて、2020年5月にリリースしたオンライン商談ツール「VCRM(ブイシーアールエム)」の認知度向上を図るため、第4四半期にテレビCMを実施したことで広告宣伝費が同108百万円増加したことが減益要因となった。なお、「Knowledge Suite」等のクラウドサービス(SaaS)売上高は前期比12.9%増の674百万円となり、コロナ禍において対面営業が制限されるなかでも順調に増加している。
2. 2021年9月期業績見通し
2021年9月期の連結業績は、売上収益で前期比13.7%増の2,408百万円、営業利益で31百万円の黒字に転換する見通し。コロナ禍において中堅・中小企業でも経営のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)化が進み始めており、こうした追い風を確実に取り込むべく、「Knowledge Suite」の新規顧客開拓や、導入後の定着支援を図るための人員体制の強化を進めていく。このため、人件費は前期比175百万円の増加を見込んでいる。また、「Knowledge Suite」のシェア拡大を図るため、広告宣伝費も同51百万円増と引き続き積極投資を継続していく方針となっている。こうした取り組みにより、コア事業となるDX事業(SaaS及び導入支援等)の売上収益は前期比44.2%増の969百万円と高成長を目指している。一方、BPO事業(システムエンジニアリング及び「Knowledge Suite」のOEM販売、ソリューション事業)については、前期比0.5%減の1,438百万円と横ばい水準で見ている。
3. 中期目標
同社は3年後の2023年9月期に売上収益で約45億円、うち、DX事業については約30億円と前期から約4倍に拡大していくことを目標に掲げている。この高成長を実現していくために、2020年9月期末で24名だった営業人員を100名まで増員するなど積極投資を行う期間と位置付けている。中堅・中小企業でも今後3年間でDX化が浸透すると思われ、顧客獲得の最大の好機であると同時に、その後の持続的な成長を実現していくための重要な期間であると考えているためだ。こうした投資の効果によって、2024年9月期以降は利益面でも本格的な成長フェーズに入るものと予想される。
■Key Points
・2020年9月期は積極的な成長投資実行により損益が悪化するも、SaaSの売上は順調に拡大
・2021年9月期はDXの追い風を捉え、売上成長UPを最優先に取り組んでいく方針
・中堅・中小企業のDX化を支援するDX事業に経営リソースを集中し、年率30%の売上成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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