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インテM Research Memo(3):DMP基盤のマーケティング支援中心、成果報酬型広告運用サービス等を展開(1)

注目トピックス 日本株
■会社概要

2.事業内容
インティメート・マージャー<7072>は国内最大級のデータマネジメントプラットフォーム「IM-DMP」によって収集されるビッグデータを分析し、マーケティング支援などを行うインターネット・テクノロジー企業である。

(1) IM-DMPとは
「IM-DMP」では国内インターネット人口の約9割に相当する月間4.7億超のユニークブラウザ(オーディエンスデータ)に紐付く3rd Party Data等をリアルタイムで収集・管理するパブリックDMPのことで、データ収集量では国内最大級の規模となる。

「IM-DMP」ではPCやスマートフォン等からアクセスするWebブラウザごとに、1つのID(IM-ID)を割り当て、Webブラウザを最小構成単位としてインターネット利用者に関するデータベースを構築している。このIM-IDに対して顧客属性を集積していくことで、Webブラウザをベースとした各ユーザーの特徴をより鮮明化し、マーケティング施策等に活用している。

この「IM-DMP」では、主にインターネット利用者の属性データベースと、IM-IDを異なるIDに変換するためのデータベースが備わっている。インターネット利用者の属性データベースとして集積される情報には、確定情報と類推情報の2種類がある。

確定情報とは、インターネットリサーチ会社から購入するデモグラフィックデータ(性別、年齢、職業等)、データプロバイダーから購入するジオグラフィックデータ(居住地域等)などが該当する。Cookieと呼ばれるIDを名寄せする技術を用いることで、インターネットリサーチ会社やデータプロバイダーから取得した情報とIM-IDとを紐付け、同一ユーザー(厳密にはWebブラウザ)として認識することが可能となる。一方、類推情報とは同社が提携する大手ポータルサイトやニュースサイト、まとめサイト等から取得するWebメディアへの接続情報(インターネット上の行動履歴)をもとに、「このユーザー(厳密にはWebブラウザ)は何に興味がありそうか」を類推し、サイコグラフィックデータ(趣味・思考、興味、関心事項等)を抽出して、IM-IDに集積化している。

なお、3rd Party Cookieについては個人情報保護の観点から、ここ数年で利用制限をかけるWebブラウザが増えており、国内では2020年6月に個人情報保護法が改正され、2022年6月までには利用できなくなる。このため、同社では3rd Party Cookieを利用しない方法(主に類推情報)でIM-IDの属性を鮮明化する手法、いわゆるポストCookieテクノロジーの開発を進めている段階にある。

一方、IM-IDを異なるIDに変換するデータベースとは、IM-IDをアドネットワークやDSP等の様々なデジタル広告の配信ツールで利用されるIDに変換するデータベースのことを指している。このデータベースを用いることで、IM-IDが付与されたユーザー群へのアプローチ方法に様々な手法を選択することが可能となる。現在、インターネット広告ではCookieを用いたターゲティング広告が広く利用されているが、このデータベースを用いることで精度の高いマーケティング施策を実現していることになる。

(2) サービス内容
同社では「IM-DMP」を基盤として、マーケティング支援サービス、データマネジメント・アナリティクスサービス、見込み顧客獲得のための企業リスト生成サービス「Select DMP」、成果報酬型ディスプレイ広告運用サービス「Performance DMP」と大きく4つのソリューションを提供している。

売上高の約6割を占めるマーケティング支援サービスでは、「IM-DMP」を使って行う効果的なマーケティング手法や顧客の自社サイト改善につながるコンサルティングサービスだけでなく、広告配信・運用までをワンストップで行うサービスを主に提供している。広告配信・運用を行うため媒体から広告枠を仕入れることになり、費用の大半を媒体枠の仕入費用(変動費)で占めている。限界利益率は3割程度を基準に設定して広告運用を実施している。また、売上高の約2割を占めるデータマネジメント・アナリティクスサービスは、顧客企業が実施しているインターネット広告施策の効果を測定するサービスとなるため、変動費は殆ど発生しない。

企業リスト生成サービスとは、「IM-DMP」で保有する膨大な法人Web閲覧データを活用し、自社商材に対する関心が高そうな企業群を抽出して、これら見込み顧客に対して効率的な広告配信を行うほか、HPフォームオートメーション※やコールパッケージなどのサービス提供も行っている。ユーザーは効率的に見込み顧客を把握し、的確なタイミングでアプローチすることが可能となるだけでなく、競合品のキーワードを持つ企業群を抽出することで、自社商材の解約防止にも役立てることが可能となる。2018年7月よりサービスを開始し、売上高の構成としてはまだ4%程度と小さい。

※「Select DMP」で検知した企業を対象に、ホームページ問合せフォームから自動でメールを送信して、営業アプローチするサービス。エッジテクノロジー(株)の「GeAIne」のサービスを活用。


成果報酬型ディスプレイ広告運用サービスは、「IM-DMP」のフィルタリング技術を用いて、顧客企業の商品に関心が高そうだと類推される(コンバージョン率が高い)ユーザーを抽出し、これらユーザーのWebブラウザにディスプレイ広告を配信することで、商品購入や新規契約等といった成果を獲得し収入を得るサービスとなる。いわゆるアフィリエイト広告の運用サービスとなる。同サービスに関しては、顧客企業からアフィリエイトサービスプロバイダー((株)ファンコミュニケーションズやリンクシェア・ジャパン(株)等のASP事業者)を介して同社が成果報酬を得る格好となるため、収益と費用の計上時期でタイムラグが生じることになる。具体的には、費用(広告配信のための媒体枠仕入れ費用)は広告配信時に計上されるのに対して、成果報酬となる売上計上タイミングは、顧客企業が成果達成の事実を承認してからとなっており、顧客企業によってその期間は30日から60日程度、長いもので180日程度を要するケースもある。このため、取扱い商材数が拡大している局面においては費用が先行する格好となる。また、CVR(コンバージョンレート)によっても収益性が変わってくるが(CVRが低いと費用だけが嵩むことになる)、CVRについては「IM-DMP」による精度の高いフィルタリングによって効果的な広告配信を行っていることもあり、比較的安定した運用が可能となっている。2019年1月よりサービスを開始以降、順調に顧客数を増やしており、2020年9月期で売上高は全体の17%を占めるまでになっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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