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橋本総業HD Research Memo(1):新型コロナウイルス感染症拡大のなかでも積極経営を推進

注目トピックス 日本株
■要約

橋本総業ホールディングス<7570>は管工機材・住宅設備機器の1次卸で、管材や衛生陶器、空調機器など建築資材を全国の2次卸や工事店などに販売している。同社は130年という歴史のある老舗で、四代目の現社長は「ベストパートナー」をテーマにメーカーや販売先などに対する取引先満足の向上や地域に密着した営業、システムの活用を推進している。足元では新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で景気低迷が続いている一方で、テレワークなど「新しい生活様式」を背景とした新たな需要が追い風となっている。加えて、公共施設や高齢者施設へのエアコン設置といった住環境改善ニーズや、各地で計画されている再開発プロジェクトなどが見込まれることから、同社の事業環境は堅調と弊社では見ている。

取扱商品は管類、継手類、バルブ類など管材類、便器・手洗器など衛生陶器・金具類、給湯関連など住宅設備機器類、エアコンなど空調・ポンプなどで、水回りに強みがある。2021年3月期第2四半期のセグメント別売上高構成比は、管材類29.0%、衛生陶器・金具類29.2%、住宅設備機器類16.8%、空調・ポンプ23.7%、その他1.3%となった。仕入先は大手有力メーカーが多く、なかでもTOTO<5332>の仕入高構成比は約30%を占める。各拠点ほか主要倉庫に売れ筋を常時在庫していることが特徴で、一部エリアでは当日配送も可能となっている。MRO(間接資材)※の販売においては、建築資材全般を薄く広く品ぞろえするインターネット通販などによる市場侵食が懸念されたものの、既存流通への影響は1人親方と言われる個人経営の職人など一部にとどまった。既存流通は品ぞろえの多さに加えて、発注から配送までの一連の作業をプロ同士が効率良く行う事ができることから、工事店の多くでは既存流通が支持されることとなった。同社についても、専門商材を深掘りした品ぞろえや充実したサービスなどの特徴があるため、ほとんど影響がないようだ。

※生産に直結する原材料・資材・部品など専門性の高い直接材以外を指し、建築資材業界以外でも広く使用される工具や消耗品など経費購買品のことである。


2021年3月期第2四半期の業績は、売上高62,048百万円(前年同期比8.1%減)、営業利益1,201百万円(同6.9%減)となった。強みの調達力や情報力を活用したものの、コロナ禍の影響により国内経済は低迷し、建設業界においても厳しい環境が続いていることが影響した。一方で、売上面では、テレワークなど「新しい生活様式」を背景としたリフォーム需要や衛生管理強化による換気扇・空調機需要などを取り込んだ。利益面では、仕入価格と販売価格の管理強化による売上総利益率の向上及び2021年3月期上期に開催を予定していたイベントの大半が中止になったことによる販管費の抑制が寄与した。この結果、各利益は期初計画を達成した。

2021年3月期の業績見通しは、売上高138,000百万円(前期比0.1%増)、営業利益3,000百万円(同2.8%増)とする期初予想を据え置いている。なお、2020年12月に開催予定だった同社最大のイベント「東京みらい市」がコロナ禍により中止となったものの、営業拠点強化や業務提携など積極経営を推進することで、中期成長へ向けて事業領域の強化・拡大を進めている。

■Key Points
・管工機材・住設機器の1次卸
・2021年3月期第2四半期業績は各利益段階で期初計画を達成
・積極経営を推進することで、中期成長へ向けて事業領域の強化・拡大を推進

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)




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