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CAICA Research Memo(8):2021年10月期は増収増益により黒字転換を見込む

注目トピックス 日本株
■業績見通し

1. 2021年10月期の業績予想
2021年10月期の連結業績についてCAICA<2315>は、売上高を前期比8.9%増の6,536百万円、営業利益を311百万円(前期は679百万円の損失)、経常利益を204百万円(同903百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益を147百万円(同557百万円の損失)と増収増益により、黒字転換を見込んでいる。

売上高は、クシムの連結除外による影響を受けるものの、新たなセグメント区分である「ITサービス事業」及び「金融サービス事業」がともに伸長する見通しである。特に、「ITサービス事業」については、暗号資産交換所向け「crypto base C」を中心とした自社製品の拡販や、好調な非金融(EC業界等)向けの受注拡大(一次請け)などが増収に寄与すると想定している。また、「金融サービス事業」は、新たに開始したCFDサービスの対象原資産を証券から暗号資産へ展開するなど、暗号資産関連商品の販売強化による売上拡大を目指す。加えて、売上高年間10億円規模のM&Aによる事業基盤の拡大も織り込んでいるようだ(但し、M&Aは下期を予定)。

利益面でも、売上増や付加価値の向上による収益の底上げのほか、費用の抑制により大幅な損益改善を図り、黒字転換を実現する見通しである。

2. 弊社の見方
金融機関向けシステム開発の新規案件や暗号資産交換所向け自社開発製品など、コロナ禍により先送りされた案件が動き出し、前期のような相場変動に伴う損失計上を抑えていけば、同社の業績予想は十分に達成可能であると弊社では見ている。特に、デジタル通貨議論やDeFiの話題性など暗号資産を取り巻く環境が活況であり、同社戦略領域の市場成長が期待できることや、同社グループの暗号資産交換所「Zaif Exchange」が業容拡大に向けて本格的に動き出したことは、同社にとっても大きな追い風となる可能性が高い。したがって、「ITサービス事業」及び「金融サービス事業」ともに、暗号資産関連ビジネスをいかに伸ばしていくのかが、2022年10月期以降の成長や中期経営計画の実現を占ううえでも重要なテーマと言えるだろう。ただ、M&Aによる上乗せ分も織り込まれているため、その点は不確定要素として慎重に見ておく必要がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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