神戸物産 Research Memo(6):クックイノベンチャー事業の連結除外もあり財務体質は改善
[21/01/26]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■業績動向
3. 財務状況と経営指標
神戸物産<3038>の2020年10月期末の総資産は前期末比1,979百万円減少の148,175百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産ではクックイノベンチャー及びその子会社を連結範囲から除外したことにより、現金及び預金が1,715百万円減少した一方で、業務スーパー事業の拡大に伴い受取手形及び売掛金が1,149百万円増加したほか、商品及び製品が2,609百万円増加した。固定資産では、クックイノベンチャー及びその子会社を連結範囲から除外したことにより、敷金及び保証金が3,194百万円減少したほか、のれんが1,260百万円減少した。
負債合計は前期末比10,679百万円減少の88,906百万円となった。クックイノベンチャー及びその子会社を連結範囲から除外したことを主因として、有利子負債が9,906百万円減少した。また、純資産合計は前期末比8,700百万円増加の59,268百万円となった。配当金の支払額2,150百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益15,047百万円の計上により利益剰余金が13,124百万円増加し、クックイノベンチャー及びその子会社を連結範囲から除外したことに伴う非支配株主持分の減少5,507百万円を吸収した。
経営指標を見ると、自己資本比率が前期末の29.5%から39.0%と大きく上昇し、D/Eレシオも1.3倍から0.9倍に低下するなど財務体質が大きく改善した。クックイノベンチャー等が連結対象から外れたことや収益が拡大していることが要因だ。ネットキャッシュ(現金及び預金−有利子負債)についても前期末比8,191百万円増加の20,522百万円と大きく積み上がっている。同社は業務スーパー事業において、自社グループ工場の能力増強並びに省力化投資を2020年10月期から3年間で約150億円投下していく計画を立てているほか、比較的規模の大きい太陽光発電プロジェクトの建設も2021年以降、3ヶ所(大阪府、福島県、宮城県)で合計140億円程度を予定するなど、資金需要が今後発生するものの、手元キャッシュで十分賄えるだけの財務基盤は整ったと言えそうだ。一方、収益性に関しても事業規模の拡大とともに、ここ数年上昇傾向が続いており、営業利益率では前期の6.4%から7.0%と過去最高水準となっている。また、ROEについても29.5%と引き続き高い水準が続いている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>
3. 財務状況と経営指標
神戸物産<3038>の2020年10月期末の総資産は前期末比1,979百万円減少の148,175百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産ではクックイノベンチャー及びその子会社を連結範囲から除外したことにより、現金及び預金が1,715百万円減少した一方で、業務スーパー事業の拡大に伴い受取手形及び売掛金が1,149百万円増加したほか、商品及び製品が2,609百万円増加した。固定資産では、クックイノベンチャー及びその子会社を連結範囲から除外したことにより、敷金及び保証金が3,194百万円減少したほか、のれんが1,260百万円減少した。
負債合計は前期末比10,679百万円減少の88,906百万円となった。クックイノベンチャー及びその子会社を連結範囲から除外したことを主因として、有利子負債が9,906百万円減少した。また、純資産合計は前期末比8,700百万円増加の59,268百万円となった。配当金の支払額2,150百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益15,047百万円の計上により利益剰余金が13,124百万円増加し、クックイノベンチャー及びその子会社を連結範囲から除外したことに伴う非支配株主持分の減少5,507百万円を吸収した。
経営指標を見ると、自己資本比率が前期末の29.5%から39.0%と大きく上昇し、D/Eレシオも1.3倍から0.9倍に低下するなど財務体質が大きく改善した。クックイノベンチャー等が連結対象から外れたことや収益が拡大していることが要因だ。ネットキャッシュ(現金及び預金−有利子負債)についても前期末比8,191百万円増加の20,522百万円と大きく積み上がっている。同社は業務スーパー事業において、自社グループ工場の能力増強並びに省力化投資を2020年10月期から3年間で約150億円投下していく計画を立てているほか、比較的規模の大きい太陽光発電プロジェクトの建設も2021年以降、3ヶ所(大阪府、福島県、宮城県)で合計140億円程度を予定するなど、資金需要が今後発生するものの、手元キャッシュで十分賄えるだけの財務基盤は整ったと言えそうだ。一方、収益性に関しても事業規模の拡大とともに、ここ数年上昇傾向が続いており、営業利益率では前期の6.4%から7.0%と過去最高水準となっている。また、ROEについても29.5%と引き続き高い水準が続いている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>