グローセル Research Memo(8):「STREAL」は今後の収益源の1つとすることを目指す
[21/01/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期成長戦略
(2) 「STREAL」事業の進捗と展望
a) 「STREAL」の特色
「STREAL」はグローセル<9995>が日立製作所から製造・販売権を取得した半導体ひずみセンサーの商品ブランドだ。「STREAL」は1)超小型、2)高精度、3)常時計測、という3つの特長を有している。
サイズは2.5mm角で、この中にセンサー素子、制御回路、アンプ回路、A/Dコンバーターが集積されている。現状、これと同様の精度を持つものは大型辞書や百科事典並みのサイズがあり、既存製品との差は歴然としている。性能的には、例えば1kmのレールが1mm伸縮するひずみ量を計測できる超高精度を実現しており、物理変化に応じたモジュール形状を使うことで、加重、圧力、トルク、張力、せん断力、低周波振動など幅広い物理的変化の計測が可能となっている。常時計測という特長は低消費電力という特性によって実現されている。常時計測はセンサーに期待される役割を考えれば極めて重要な要素だが、現実的には電源供給がネックとなるケースも多い。だが「STREAL」はその課題を克服している。
b) 今後の展望(ロードマップ)
Step-1として2020年までは主にモジュール事業として展開してきたが、2021年にはコンポーネント・周辺機器事業として展開する計画。さらに2022年以降は、「STREAL」を使ったソリューション事業として付加価値を高めていく予定だ。既に「2.4GHz帯 無線搭載小型データ処理基板」を開発済みで、これによって顧客は「STREAL」をより使いやすくなる。
c) 新製品トルクセンサーの開発経緯と今後の展望
「STREAL」は様々な分野で応用が可能だが、現在最も進んでいるのがトルクセンサーとしての利用だ。これは同社、日立製作所、双葉電子工業<6986>、長野日本無線(株)が共同で開発を進めてきたもので、現在は顧客別サンプル出荷を行っており、近い将来に量産化に向かう計画だ。このトルクセンサーの用途の1つがロボットアームへの利用だが、それ以外にもトンネル、橋梁、鉄道車両の台車などでの劣化検査にも応用が可能であり、今後の展開が注目される。(同モジュールを埋め込むことで、目視や打音ではなく外部から電気信号として検査が可能になる)
海外ビジネス、特約店営業の強化を図る
4. 海外ビジネスでの国内・海外の連携強化
(1) 新型コロナウイルスの影響への対応
リモートワークを活用した、顧客最新情報の入手及び需要急回復時に向けた供給準備
(2) 海外拠点と国内営業の連携強化(自動車関連顧客へのW/Wサポート強化)
(3) ルネサス製品に加え、新規ビジネス品の積極提案による売上拡大
(4) 北米・上海でのFAE業務強化による、主要顧客への技術サポート向上
5. 特約店との連携を図り、一体となった運営を徹底
同社はルネサスの特約店であるが、同社自身も傘下に13社の特約店を抱えている。多数の顧客をカバーするうえではそれら傘下の特約店との連携は必要不可欠だが、そのなかでも特に地域特性を生かした特約店との連携を強化し、一体となった運営を推し進める。
また特約店向けの営業においても積極的にデザイン-イン活動に取り組んでおり、2021年3月期のデザイン-イン金額は100億円を目標(上期実績40億円、前期実績112億円)としている。この上半期の事例としては以下のようなものがあった。
6. 技術商社としてのOne Stop Solution強化
長期的な方針としては、同社が持つ様々な製品群や仕入先との関係を生かしてOne Stop Solutionを一段と強化する。さらに日立製作所の「Lumadaアライアンスプログラム」(1社では解決に及ばない様々な社会課題や地域の課題をテーマとして、ともに取り組み解決するイノベーション創出を目的としたプログラム)にパートナー企業として参画したが、これを通じて技術商社としてのOne Stop Solutionをさらに強化する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
(2) 「STREAL」事業の進捗と展望
a) 「STREAL」の特色
「STREAL」はグローセル<9995>が日立製作所から製造・販売権を取得した半導体ひずみセンサーの商品ブランドだ。「STREAL」は1)超小型、2)高精度、3)常時計測、という3つの特長を有している。
サイズは2.5mm角で、この中にセンサー素子、制御回路、アンプ回路、A/Dコンバーターが集積されている。現状、これと同様の精度を持つものは大型辞書や百科事典並みのサイズがあり、既存製品との差は歴然としている。性能的には、例えば1kmのレールが1mm伸縮するひずみ量を計測できる超高精度を実現しており、物理変化に応じたモジュール形状を使うことで、加重、圧力、トルク、張力、せん断力、低周波振動など幅広い物理的変化の計測が可能となっている。常時計測という特長は低消費電力という特性によって実現されている。常時計測はセンサーに期待される役割を考えれば極めて重要な要素だが、現実的には電源供給がネックとなるケースも多い。だが「STREAL」はその課題を克服している。
b) 今後の展望(ロードマップ)
Step-1として2020年までは主にモジュール事業として展開してきたが、2021年にはコンポーネント・周辺機器事業として展開する計画。さらに2022年以降は、「STREAL」を使ったソリューション事業として付加価値を高めていく予定だ。既に「2.4GHz帯 無線搭載小型データ処理基板」を開発済みで、これによって顧客は「STREAL」をより使いやすくなる。
c) 新製品トルクセンサーの開発経緯と今後の展望
「STREAL」は様々な分野で応用が可能だが、現在最も進んでいるのがトルクセンサーとしての利用だ。これは同社、日立製作所、双葉電子工業<6986>、長野日本無線(株)が共同で開発を進めてきたもので、現在は顧客別サンプル出荷を行っており、近い将来に量産化に向かう計画だ。このトルクセンサーの用途の1つがロボットアームへの利用だが、それ以外にもトンネル、橋梁、鉄道車両の台車などでの劣化検査にも応用が可能であり、今後の展開が注目される。(同モジュールを埋め込むことで、目視や打音ではなく外部から電気信号として検査が可能になる)
海外ビジネス、特約店営業の強化を図る
4. 海外ビジネスでの国内・海外の連携強化
(1) 新型コロナウイルスの影響への対応
リモートワークを活用した、顧客最新情報の入手及び需要急回復時に向けた供給準備
(2) 海外拠点と国内営業の連携強化(自動車関連顧客へのW/Wサポート強化)
(3) ルネサス製品に加え、新規ビジネス品の積極提案による売上拡大
(4) 北米・上海でのFAE業務強化による、主要顧客への技術サポート向上
5. 特約店との連携を図り、一体となった運営を徹底
同社はルネサスの特約店であるが、同社自身も傘下に13社の特約店を抱えている。多数の顧客をカバーするうえではそれら傘下の特約店との連携は必要不可欠だが、そのなかでも特に地域特性を生かした特約店との連携を強化し、一体となった運営を推し進める。
また特約店向けの営業においても積極的にデザイン-イン活動に取り組んでおり、2021年3月期のデザイン-イン金額は100億円を目標(上期実績40億円、前期実績112億円)としている。この上半期の事例としては以下のようなものがあった。
6. 技術商社としてのOne Stop Solution強化
長期的な方針としては、同社が持つ様々な製品群や仕入先との関係を生かしてOne Stop Solutionを一段と強化する。さらに日立製作所の「Lumadaアライアンスプログラム」(1社では解決に及ばない様々な社会課題や地域の課題をテーマとして、ともに取り組み解決するイノベーション創出を目的としたプログラム)にパートナー企業として参画したが、これを通じて技術商社としてのOne Stop Solutionをさらに強化する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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