ジェネパ Research Memo(6):借入金増加も、比較的高い自己資本比率などで財務状況は当面問題なし
[21/02/01]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ジェネレーションパス<3195>の業績動向
3. 財務状況と経営指標
貸借対照表を見ると、2020年10月期末における総資産は前期末比561百万円増加し3,707百万円となった。これは、在庫管理及び滞留在庫削減を徹底した結果により商品及び製品が112百万円減少したものの、金融機関からの長期融資により現金及び預金が699百万円増加したこと、Genepa Vietnamにおける設備投資などで有形固定資産が80百万円増加したこと等によるものである。
負債合計は前期末に比べ458百万円増加し1,981百万円となった。これは主に、PB商品及び季節商品等の入荷により支払手形及び買掛金が103百万円増加したこと、Genepa Vietnamの追加設備投資を目的とした融資により長期借入金が273百万円増加したこと、等によるものである。
純資産は1,726百万円となり、前期末に比べ102百万円増加した。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が112百万円増加したことによるものである。
キャッシュ・フローの状況について見ると、2020年10月期末における現金及び現金同等物は前期末に比べ698百万円増加し1,269百万円となった。キャッシュ・フローごとの増減要因を見ると、営業キャッシュ・フローは764百万円の収入となった。これは、税金等調整前当期純利益219百万円、たな卸資産の減少額114百万円、仕入債務の増加額99百万円等の資金の増加要因があったことによるものである。投資キャッシュ・フローは111百万円の支出であった。これは主に、有形固定資産の取得による支出124百万円等の資金の減少要因があったことによるものである。財務キャッシュ・フローは、56百万円の収入であった。これは主に、短期借入金の減少額280百万円、長期借入金の返済による支出36百万円等の資金の減少要因があったものの、長期借入れによる収入400百万円等の増加要因があったことによるものである。
経営指標を見ると、健全性を表す自己資本比率が46.3%と50%を割り込んだほか、有利子負債比率がやや悪化した。これは、現預金残高や有形固定資産の増加の一方で、長期借入金が増加したことによる。流動比率は、現預金残高の増加のため194.4%と9.1ポイント改善した。収益性の指標(ROA、ROE、売上高営業利益率)については、前期比で各利益指標が拡大しているため、いずれも大幅に改善している。
総じて見ると、一部の健全性指標が悪化しているものの依然として高い自己資本比率であり、基本的には今後のEC市場の拡大に伴って売上高の拡大とともに収益も改善が進むことが期待されることから、特に財務状況で問題とされる状況ではないと考える。また、2016年5月に株式分割(1株→4株)を行い、株式流動性向上を図ったことで、近い将来の1部上場への準備と積極的なM&A投資のための資金調達を図っているものと考えられる。特に、前期末時点で現預金残高に余裕を持たせており、大型のM&Aに備えているものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
<EY>
3. 財務状況と経営指標
貸借対照表を見ると、2020年10月期末における総資産は前期末比561百万円増加し3,707百万円となった。これは、在庫管理及び滞留在庫削減を徹底した結果により商品及び製品が112百万円減少したものの、金融機関からの長期融資により現金及び預金が699百万円増加したこと、Genepa Vietnamにおける設備投資などで有形固定資産が80百万円増加したこと等によるものである。
負債合計は前期末に比べ458百万円増加し1,981百万円となった。これは主に、PB商品及び季節商品等の入荷により支払手形及び買掛金が103百万円増加したこと、Genepa Vietnamの追加設備投資を目的とした融資により長期借入金が273百万円増加したこと、等によるものである。
純資産は1,726百万円となり、前期末に比べ102百万円増加した。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が112百万円増加したことによるものである。
キャッシュ・フローの状況について見ると、2020年10月期末における現金及び現金同等物は前期末に比べ698百万円増加し1,269百万円となった。キャッシュ・フローごとの増減要因を見ると、営業キャッシュ・フローは764百万円の収入となった。これは、税金等調整前当期純利益219百万円、たな卸資産の減少額114百万円、仕入債務の増加額99百万円等の資金の増加要因があったことによるものである。投資キャッシュ・フローは111百万円の支出であった。これは主に、有形固定資産の取得による支出124百万円等の資金の減少要因があったことによるものである。財務キャッシュ・フローは、56百万円の収入であった。これは主に、短期借入金の減少額280百万円、長期借入金の返済による支出36百万円等の資金の減少要因があったものの、長期借入れによる収入400百万円等の増加要因があったことによるものである。
経営指標を見ると、健全性を表す自己資本比率が46.3%と50%を割り込んだほか、有利子負債比率がやや悪化した。これは、現預金残高や有形固定資産の増加の一方で、長期借入金が増加したことによる。流動比率は、現預金残高の増加のため194.4%と9.1ポイント改善した。収益性の指標(ROA、ROE、売上高営業利益率)については、前期比で各利益指標が拡大しているため、いずれも大幅に改善している。
総じて見ると、一部の健全性指標が悪化しているものの依然として高い自己資本比率であり、基本的には今後のEC市場の拡大に伴って売上高の拡大とともに収益も改善が進むことが期待されることから、特に財務状況で問題とされる状況ではないと考える。また、2016年5月に株式分割(1株→4株)を行い、株式流動性向上を図ったことで、近い将来の1部上場への準備と積極的なM&A投資のための資金調達を図っているものと考えられる。特に、前期末時点で現預金残高に余裕を持たせており、大型のM&Aに備えているものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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