プロパスト Research Memo(4):パターン化でデザイン性と低コストを両立
[21/02/02]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■賃貸開発事業
1. 事業概要
当事業では、首都圏を中心に中小規模賃貸マンションの用地取得から建築・販売を行っている。また、プロパスト<3236>は利便性の高い物件を自社保有し、同社のネットワークを駆使して空室率を最小限に抑制するとともに、優良なテナント付けを行うなかで賃貸業務を行っている。首都圏エリアを中心とした立地で、かつ、最寄り駅から徒歩10分圏内のマンション用地を取得し、40〜50坪程度の小さな土地を中心に、30戸程度の中小規模かつ中低層物件に狙いを定める。売却価格は、30戸程度の1棟で5〜10億円程度を目標としているが、最近は大規模で10億円以上の物件も売れている。都心の資産価値が高い優良物件に特化した戦略が、奏功しているようだ。
賃貸開発事業の2021年5月期第2四半期累計の売上高は10,371百万円(前年同期比45.4%増)、営業利益は1,932百万円(同49.2%増)と大幅な増収増益であった。当事業は、売上高では会社全体の78.5%、営業利益でも86.7%を占める、同社の稼ぎ頭である。また、営業利益率も20%弱の高水準を維持し、同社の中では最も収益性が高い事業でもある。顧客は従来より海外投資家(コロナ禍により現在は活動停止中)や、相続税対策として銀行借入によって物件を購入する個人投資家層が多く、企業の社宅ニーズも増えており、最近はファンドによる購入も増えている。さらに、2021年5月期から売却先として大株主シノケングループのREITが加わり、今後も安定的な購入が期待される。これら種々の投資家ニーズにマッチする物件を供給していることが、賃貸開発事業が好調の理由と言えるだろう。
2. 特長
分譲開発事業などで培った同社のデザイン力を生かし、コストを抑制しながら、ハイセンスな賃貸マンションを建築することで、投資家やファンド向けに売却を行う。小規模かつ中低層物件に特化することで、物件取得時以降の外部環境の変化や建築費用の上昇等の変動要因の影響を抑制する。竣工した物件については、一時的には同社で保有するものの、その後は外部環境を勘案しながら、売却時期を検討する。
徹底的なコンセプト重視の分譲開発事業とは違い、賃貸開発事業ではパターン化を行うことで、外壁をコンクリートの打ちっぱなしにするなど、デザイン性を損なうことなく、低コストを実現している。「グランジット」シリーズは6階以上の物件でエレベーターが付くが、「コンポジット」シリーズは5階以下の物件でエレベーターはなく、初期投資を少なくできる。また、分譲開発事業と同じく、ローンが付きやすいRC造にこだわって展開している。同社内では、近年にスタートした事業ではあるが、戦略的に重要な位置付けとなっている。視覚的に訴求するような資料を作成し、建物や部屋のデザイン性を強調しながら、立地の良さや利回りを明記し提案に使用しており、仲介会社からも評判が良いようだ。また、2021年5月期から、大株主シノケングループのREITが安定的な購入先に加わった。
3. 実績例
賃貸開発事業の最近の主な実績例は以下のとおり。
(1) グランジット神田司町(東京都千代田区神田司町、2020年10月竣工)
(2) HERMOSA KAWASAKI(川崎市幸区南幸町、2020年9月竣工)
(3) コンポジット野方(東京都中野区野方、2020年9月竣工)
(4) グランジット梅屋敷(東京都大田区大森中、2020年8月竣工)
(5) GALICIA MORISHITA ESTUDIO IV(東京都江東区新大橋、2020年7月竣工)
(6) コンポジット三軒茶屋(東京都世田谷区三軒茶屋、2020年7月竣工)
(7) グランジット文京関口(東京都文京区関口、2020年6月竣工)
(8) THE TRIBECA Nakameguro(東京都目黒区上目黒、2020年5月竣工)
(9) コンポジット品川南大井(東京都品川区南大井、2020年4月竣工)
(10) グランジット岩本町(東京都千代田区岩本町、2020年4月竣工)
(11) グランジット日本橋馬喰町(東京都中央区日本橋馬喰町、2020年4月竣工)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<EY>
1. 事業概要
当事業では、首都圏を中心に中小規模賃貸マンションの用地取得から建築・販売を行っている。また、プロパスト<3236>は利便性の高い物件を自社保有し、同社のネットワークを駆使して空室率を最小限に抑制するとともに、優良なテナント付けを行うなかで賃貸業務を行っている。首都圏エリアを中心とした立地で、かつ、最寄り駅から徒歩10分圏内のマンション用地を取得し、40〜50坪程度の小さな土地を中心に、30戸程度の中小規模かつ中低層物件に狙いを定める。売却価格は、30戸程度の1棟で5〜10億円程度を目標としているが、最近は大規模で10億円以上の物件も売れている。都心の資産価値が高い優良物件に特化した戦略が、奏功しているようだ。
賃貸開発事業の2021年5月期第2四半期累計の売上高は10,371百万円(前年同期比45.4%増)、営業利益は1,932百万円(同49.2%増)と大幅な増収増益であった。当事業は、売上高では会社全体の78.5%、営業利益でも86.7%を占める、同社の稼ぎ頭である。また、営業利益率も20%弱の高水準を維持し、同社の中では最も収益性が高い事業でもある。顧客は従来より海外投資家(コロナ禍により現在は活動停止中)や、相続税対策として銀行借入によって物件を購入する個人投資家層が多く、企業の社宅ニーズも増えており、最近はファンドによる購入も増えている。さらに、2021年5月期から売却先として大株主シノケングループのREITが加わり、今後も安定的な購入が期待される。これら種々の投資家ニーズにマッチする物件を供給していることが、賃貸開発事業が好調の理由と言えるだろう。
2. 特長
分譲開発事業などで培った同社のデザイン力を生かし、コストを抑制しながら、ハイセンスな賃貸マンションを建築することで、投資家やファンド向けに売却を行う。小規模かつ中低層物件に特化することで、物件取得時以降の外部環境の変化や建築費用の上昇等の変動要因の影響を抑制する。竣工した物件については、一時的には同社で保有するものの、その後は外部環境を勘案しながら、売却時期を検討する。
徹底的なコンセプト重視の分譲開発事業とは違い、賃貸開発事業ではパターン化を行うことで、外壁をコンクリートの打ちっぱなしにするなど、デザイン性を損なうことなく、低コストを実現している。「グランジット」シリーズは6階以上の物件でエレベーターが付くが、「コンポジット」シリーズは5階以下の物件でエレベーターはなく、初期投資を少なくできる。また、分譲開発事業と同じく、ローンが付きやすいRC造にこだわって展開している。同社内では、近年にスタートした事業ではあるが、戦略的に重要な位置付けとなっている。視覚的に訴求するような資料を作成し、建物や部屋のデザイン性を強調しながら、立地の良さや利回りを明記し提案に使用しており、仲介会社からも評判が良いようだ。また、2021年5月期から、大株主シノケングループのREITが安定的な購入先に加わった。
3. 実績例
賃貸開発事業の最近の主な実績例は以下のとおり。
(1) グランジット神田司町(東京都千代田区神田司町、2020年10月竣工)
(2) HERMOSA KAWASAKI(川崎市幸区南幸町、2020年9月竣工)
(3) コンポジット野方(東京都中野区野方、2020年9月竣工)
(4) グランジット梅屋敷(東京都大田区大森中、2020年8月竣工)
(5) GALICIA MORISHITA ESTUDIO IV(東京都江東区新大橋、2020年7月竣工)
(6) コンポジット三軒茶屋(東京都世田谷区三軒茶屋、2020年7月竣工)
(7) グランジット文京関口(東京都文京区関口、2020年6月竣工)
(8) THE TRIBECA Nakameguro(東京都目黒区上目黒、2020年5月竣工)
(9) コンポジット品川南大井(東京都品川区南大井、2020年4月竣工)
(10) グランジット岩本町(東京都千代田区岩本町、2020年4月竣工)
(11) グランジット日本橋馬喰町(東京都中央区日本橋馬喰町、2020年4月竣工)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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