TOKAI Research Memo(1):2021年3月期は3期連続最高益更新へ
[21/02/22]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
TOKAIホールディングス<3167>は、静岡県を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」を展開する総合生活インフラ企業である。「Total Life Concierge(TLC:暮らしの総合サービス)構想※1」の実現に加えて、2019年3月期より新たな戦略として「ABCIR+S(アブサーズ)※2」を打ち出し、M&A戦略も推進しながら更なる飛躍を目指している。
※1 Total Life Concierge構想:同社グループが提供する様々なサービスにより、顧客の快適な生活を総合的、かつきめ細かくサポートし、顧客満足度の向上を目指すビジョンのこと。
※2 ABCIR+S:同社グループのデジタル技術革新に向けた戦略のこと。AI(A)、Big Data(B)、Cloud(C)、IoT(I)、Robotics(R)、Smart Phone(S)の頭文字をつなげた造語で、関連する新規サービスの創出・育成に注力する。
1. 2021年3月期第3四半期累計業績
2021年3月期第3四半期累計(2020年4月〜12月)の連結業績は、売上高で前年同期比1.2%減の139,792百万円、営業利益で同6.7%増の9,901百万円となった。売上高は、エネルギー事業(LPガス、都市ガス事業)における販売価格低下や新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を一部事業で受けたことにより若干減収となったものの、利益面では、継続取引顧客件数の増加に伴う月次課金収益の増加やエネルギー事業における仕入コスト低減効果、法人向け情報通信事業の増益等により2期連続で過去最高を更新した。また、営業利益はエネルギー事業やCATV事業を中心に社内計画に対して数億円程度上回ったもようだ。なお、2020年12月末の継続取引顧客件数は前年同期比130千件増加の3,063千件となった。
2. 2021年3月期業績見通し
2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比4.8%増の205,300百万円、営業利益で同5.5%増の15,000百万円と期初計画を据え置いた。継続取引顧客件数に関しては、前期末比102千件増加の3,105千件を目指す。売上高に関してはLPガスの商圏買収がやや遅れていることやコロナ禍の影響等もあって未達となりそうなものの、利益ベースでは若干の上振れ余地があると弊社では見ている。CATV事業もグループ会社で光化投資を進めている。通信サービスの契約件数が着実に伸びており、業績をけん引する見通しだ。クロスセル率(複数取引率)も2021年3月期第3四半期時点で19.7%(前期末は18.8%)となっており、目標としていた20%は射程圏に入っている。同社では引き続き「継続取引顧客件数の拡大」「M&Aの更なる推進」「ABCIR+Sの実践」「TLCの深化」などに取り組み、2022年3月期以降の成長につなげていく考えだ。
3. 重点施策の進捗状況
重点施策として取り組んでいる「ABCIR+S」戦略では、プライベートDMP※「D-sapiens(ディーサ)」を使ったデジタルマーケティング施策として、アクア事業での解約抑止施策に加えて、TLC会員向けにLIBMO(格安スマホ)の販促施策を開始している。また、2021年春にはLPガスサービスのWebサイトを新設して、顧客のデジタル会員化を推進していくほか、無線通信技術を活用した自動検針システムの導入も順次進めていく。これら施策によって業務効率の向上だけでなく、顧客へのサービス提案の最適化が可能となり、クロスセル率の向上につながるものと期待される。M&A戦略については引き続き積極的に取り組んでいるほか、TLCの具現化に向けた新規事業への取り組みとしては、アライアンスによるヘルスケアサービス事業への新規参入を検討しており、今後の動向が注目される。
※DMP(データマネジメントプラットフォーム):インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理・分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォームを言う。
■Key Points
・2021年3月期第3四半期累計業績は2期連続で過去最高益を更新、会社計画を上回る進捗
・2021年3月期業績はエネルギー事業、CATV事業がけん引し、利益ベースで会社計画を上回る見通し
・クロスセル率は着実に上昇、LPガスの自動検針システム導入率は今後5年間で100%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
TOKAIホールディングス<3167>は、静岡県を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」を展開する総合生活インフラ企業である。「Total Life Concierge(TLC:暮らしの総合サービス)構想※1」の実現に加えて、2019年3月期より新たな戦略として「ABCIR+S(アブサーズ)※2」を打ち出し、M&A戦略も推進しながら更なる飛躍を目指している。
※1 Total Life Concierge構想:同社グループが提供する様々なサービスにより、顧客の快適な生活を総合的、かつきめ細かくサポートし、顧客満足度の向上を目指すビジョンのこと。
※2 ABCIR+S:同社グループのデジタル技術革新に向けた戦略のこと。AI(A)、Big Data(B)、Cloud(C)、IoT(I)、Robotics(R)、Smart Phone(S)の頭文字をつなげた造語で、関連する新規サービスの創出・育成に注力する。
1. 2021年3月期第3四半期累計業績
2021年3月期第3四半期累計(2020年4月〜12月)の連結業績は、売上高で前年同期比1.2%減の139,792百万円、営業利益で同6.7%増の9,901百万円となった。売上高は、エネルギー事業(LPガス、都市ガス事業)における販売価格低下や新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を一部事業で受けたことにより若干減収となったものの、利益面では、継続取引顧客件数の増加に伴う月次課金収益の増加やエネルギー事業における仕入コスト低減効果、法人向け情報通信事業の増益等により2期連続で過去最高を更新した。また、営業利益はエネルギー事業やCATV事業を中心に社内計画に対して数億円程度上回ったもようだ。なお、2020年12月末の継続取引顧客件数は前年同期比130千件増加の3,063千件となった。
2. 2021年3月期業績見通し
2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比4.8%増の205,300百万円、営業利益で同5.5%増の15,000百万円と期初計画を据え置いた。継続取引顧客件数に関しては、前期末比102千件増加の3,105千件を目指す。売上高に関してはLPガスの商圏買収がやや遅れていることやコロナ禍の影響等もあって未達となりそうなものの、利益ベースでは若干の上振れ余地があると弊社では見ている。CATV事業もグループ会社で光化投資を進めている。通信サービスの契約件数が着実に伸びており、業績をけん引する見通しだ。クロスセル率(複数取引率)も2021年3月期第3四半期時点で19.7%(前期末は18.8%)となっており、目標としていた20%は射程圏に入っている。同社では引き続き「継続取引顧客件数の拡大」「M&Aの更なる推進」「ABCIR+Sの実践」「TLCの深化」などに取り組み、2022年3月期以降の成長につなげていく考えだ。
3. 重点施策の進捗状況
重点施策として取り組んでいる「ABCIR+S」戦略では、プライベートDMP※「D-sapiens(ディーサ)」を使ったデジタルマーケティング施策として、アクア事業での解約抑止施策に加えて、TLC会員向けにLIBMO(格安スマホ)の販促施策を開始している。また、2021年春にはLPガスサービスのWebサイトを新設して、顧客のデジタル会員化を推進していくほか、無線通信技術を活用した自動検針システムの導入も順次進めていく。これら施策によって業務効率の向上だけでなく、顧客へのサービス提案の最適化が可能となり、クロスセル率の向上につながるものと期待される。M&A戦略については引き続き積極的に取り組んでいるほか、TLCの具現化に向けた新規事業への取り組みとしては、アライアンスによるヘルスケアサービス事業への新規参入を検討しており、今後の動向が注目される。
※DMP(データマネジメントプラットフォーム):インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理・分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォームを言う。
■Key Points
・2021年3月期第3四半期累計業績は2期連続で過去最高益を更新、会社計画を上回る進捗
・2021年3月期業績はエネルギー事業、CATV事業がけん引し、利益ベースで会社計画を上回る見通し
・クロスセル率は着実に上昇、LPガスの自動検針システム導入率は今後5年間で100%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>