PCNET Research Memo(6):ITサブスクリプション事業のセグメント利益は2倍に拡大
[21/02/24]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■業績動向
3. セグメント別業績
(1) ITサブスクリプション事業
ITサブスクリプション事業は、パシフィックネット<3021>が進めている中期経営計画「SHIFT 2021」(2018年6月−2021年5月)において最重要施策と位置付けているストック収益部門となる。同事業セグメントは成長率が高く、市場規模も大きいほか、ストック収益化や持続的成長が可能であると言える。情報機器のサブスクリプションでの提供や運用保守・通信・クラウド等のITサービスを提供しており、これまでは事業規模拡大に取り組んでいたため積極投資によるコストが先行していた。
2021年5月期第2四半期累計においては、コロナ禍で受注ペースがダウンしたものの、前期からの好調な受注によるストック積み上げがサブスクリプション収益の拡大につながっているほか、短期レンタルの受注も好調に推移した。これにより売上高は1,457百万円(前年同期比45.5%増)、セグメント利益は257百万円(同99.7%増)と2倍に膨らんでいるほか、将来収益のストックも拡大することになる。なお、2021年5月期第2四半期単体については売上高が765百万円(同42.4%増)、セグメント利益は136百万円(同53.3%増)だった。
(2) ITAD事業
ITAD事業は規模ではなく、収益性の向上、環境変化への対応力強化を事業方針としているため、これに向けた収益構造の改革を実施している。使用済みの情報機器の回収台数は、コロナ禍による第1四半期(6〜8月)での減少の影響があるが、第2四半期単体(9〜11月)においては回復基調が強まっている。また、データ消去の受注は好調に推移しているほか、在庫回転率の向上、業務IT化推進などによる施策の効果により、収益性が向上した。
これにより2021年5月期第2四半期累計においては、売上高は943百万円(前年同期比3.8%減)と若干の減収にとどまったが、セグメント利益は333百万円(同46.0%増)と約1.5倍になった。なお、第2四半期単体については売上高が513百万円(同17.4%増)、セグメント利益は193百万円(同141.1%増)だった。
(3) コミュニケーション・デバイス事業
コミュニケーション・デバイス事業については、ワイヤレスガイド無線機「イヤホンガイド(R)」の販売・レンタル・保守などを手掛けており、コロナ禍による観光需要の減少の影響を受けて大幅な減収となった。しかし、コロナ禍収束を見据えた観光業からの大型受注や国内旅行の一部回復等が見られてきている。
また、コミュニケーション・デバイス事業はコロナ禍の影響を一番大きく受けているが、セグメント規模が小さいことから、コロナ禍の影響を最大限に見積もっても、業績に与える影響が限られよう。2021年5月期第2四半期累計における売上高は77百万円(前年同期比64.2%減)、セグメント損失は8百万円となった。第2四半期単体については売上高が35百万円(同57.2%減)、セグメント損失は9百万円だった。
足元では海外ツアーが大部分を占めていた「イヤホンガイド(R)」の観光利用が大幅に減少したが、2020年5月に日本旅行業協会が発表した「旅行業における新型コロナウイルスガイドライン」では、団体旅行での三密を避ける施策として「ガイドレシーバーを利用したガイディング等を行うこと」と推奨された。これにより旅行代理店や観光名所からの「イヤホンガイド(R)」への問い合わせが続いているようである。三密回避ツールとして認知が拡大し、国内ツアーでもガイドレシーバー利用が増加してくることにより、シェア90%を有する同社のガイドレシーバーの市場規模が拡大することが見込まれる。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<ST>
3. セグメント別業績
(1) ITサブスクリプション事業
ITサブスクリプション事業は、パシフィックネット<3021>が進めている中期経営計画「SHIFT 2021」(2018年6月−2021年5月)において最重要施策と位置付けているストック収益部門となる。同事業セグメントは成長率が高く、市場規模も大きいほか、ストック収益化や持続的成長が可能であると言える。情報機器のサブスクリプションでの提供や運用保守・通信・クラウド等のITサービスを提供しており、これまでは事業規模拡大に取り組んでいたため積極投資によるコストが先行していた。
2021年5月期第2四半期累計においては、コロナ禍で受注ペースがダウンしたものの、前期からの好調な受注によるストック積み上げがサブスクリプション収益の拡大につながっているほか、短期レンタルの受注も好調に推移した。これにより売上高は1,457百万円(前年同期比45.5%増)、セグメント利益は257百万円(同99.7%増)と2倍に膨らんでいるほか、将来収益のストックも拡大することになる。なお、2021年5月期第2四半期単体については売上高が765百万円(同42.4%増)、セグメント利益は136百万円(同53.3%増)だった。
(2) ITAD事業
ITAD事業は規模ではなく、収益性の向上、環境変化への対応力強化を事業方針としているため、これに向けた収益構造の改革を実施している。使用済みの情報機器の回収台数は、コロナ禍による第1四半期(6〜8月)での減少の影響があるが、第2四半期単体(9〜11月)においては回復基調が強まっている。また、データ消去の受注は好調に推移しているほか、在庫回転率の向上、業務IT化推進などによる施策の効果により、収益性が向上した。
これにより2021年5月期第2四半期累計においては、売上高は943百万円(前年同期比3.8%減)と若干の減収にとどまったが、セグメント利益は333百万円(同46.0%増)と約1.5倍になった。なお、第2四半期単体については売上高が513百万円(同17.4%増)、セグメント利益は193百万円(同141.1%増)だった。
(3) コミュニケーション・デバイス事業
コミュニケーション・デバイス事業については、ワイヤレスガイド無線機「イヤホンガイド(R)」の販売・レンタル・保守などを手掛けており、コロナ禍による観光需要の減少の影響を受けて大幅な減収となった。しかし、コロナ禍収束を見据えた観光業からの大型受注や国内旅行の一部回復等が見られてきている。
また、コミュニケーション・デバイス事業はコロナ禍の影響を一番大きく受けているが、セグメント規模が小さいことから、コロナ禍の影響を最大限に見積もっても、業績に与える影響が限られよう。2021年5月期第2四半期累計における売上高は77百万円(前年同期比64.2%減)、セグメント損失は8百万円となった。第2四半期単体については売上高が35百万円(同57.2%減)、セグメント損失は9百万円だった。
足元では海外ツアーが大部分を占めていた「イヤホンガイド(R)」の観光利用が大幅に減少したが、2020年5月に日本旅行業協会が発表した「旅行業における新型コロナウイルスガイドライン」では、団体旅行での三密を避ける施策として「ガイドレシーバーを利用したガイディング等を行うこと」と推奨された。これにより旅行代理店や観光名所からの「イヤホンガイド(R)」への問い合わせが続いているようである。三密回避ツールとして認知が拡大し、国内ツアーでもガイドレシーバー利用が増加してくることにより、シェア90%を有する同社のガイドレシーバーの市場規模が拡大することが見込まれる。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<ST>