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キャリアリンク Research Memo(3):2021年2月期業績は2ケタ増収、大幅な増益となる見通し

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2021年2月期の業績見通し
キャリアリンク<6070>は2021年1月12日付で2021年2月期の連結業績見通しを再度上方修正した。2020年9月に上方修正した数値(売上高26,980百万円、営業利益1,795百万円、経常利益1,830百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,275百万円)をさらに上回り、売上高で前期比40.5%増の29,660百万円、営業利益で同228.6%増の2,275百万円、経常利益で同237.6%増の2,330百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同207.6%増の1,620百万円とした。

修正要因として、売上高では第3四半期に入って新規の大型BPO案件を受注できたこと、製造系人材サービス事業の受注が回復してきたことなどを挙げており、前回予想に対して2,680百万円の増額となる。また、利益面では、増収効果と売上総利益率の良化により売上総利益が399百万円の増額見込みとなるほか、下期に予定していたナレッジマネジメントツールの充実やデジタルトランスフォーメーション(DX)化の推進を中心とした業務効率化のための体制整備投資の一部を2022年3月期に延期することにしたことにより販管費が81百万円減額となることで、営業利益は前回予想に対して480百万円、経常利益は同500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同345百万円の増額見込みとなった。

通期見通しから第3四半期累計実績を差し引いた第4四半期単独の業績見通しは、売上高で前年同期比42.5%増の7,605百万円、営業利益で同88.5%減の13百万円となる。第3四半期単独(売上高8,092百万円、営業利益959百万円)に対して減収となるのは、一部のBPO案件が終了することが要因だが、新型コロナウイルス感染症対策等の給付金については期間を延長する方針が政府から発表されていることもあり、若干増額の余地があると弊社では見ている。

また、営業利益が前四半期比で大きく落ち込むが、減収による売上総利益の減少を見込んでいることに加えて、今後の成長を見据えた中核人材の採用増に伴う人件費の増加、並びに業務効率化のためのシステム開発投資の増加等を見込んでいるためだ。

コロナ禍において依然景気動向が見通し難いことから、全体的に利益面では保守的に組んでいるもようで、売上高が計画どおり達成すれば、利益面では上振れする可能性が高いと弊社では見ている。


事務系人材サービス事業は前期比50%超の大幅増収見通し

2. 事業別の売上見通しと営業戦略
(1) 事務系人材サービス事業
事務系人材サービス事業の売上高は前期比58.6%増の24,880百万円と前回予想から約26億円の増額となる見込みと弊社では見ている。既述のとおり既存BPO案件の継続に加えて、第3四半期に新規大型案件を受注したことが上振れ要因となる。また、一般事務派遣についても、金融業界向けが引き続き堅調に推移する。

BPO関連事業のうち官公庁案件では、マイナンバーカード関連業務の自治体からの受注が堅調に推移する見込み。マイナンバー制度については行政の効率化や国民の利便性向上などを目的に2015年度より導入されたが、マイナンバーカードの普及率は2021年1月末時点で約25%と1年前の約15%から上昇したとはいえ、依然緩やかな普及ペースにとどまっている。政府目標では2022年度までの100%近い普及達成を掲げており、今後様々な施策を打っていくものと考えられる。2021年3月からは健康保険証として利用できるようになるほか、2024年度には運転免許証との一体化なども検討されている。このため、今後も引き続きマイナンバーカードの申請・発行やサポート業務などの案件を各自治体から取り込んでいくほか、同案件で積み上げた実績をもとに、新型コロナウイルス感染症関連などそのほかのBPO案件に関しても受注獲得を目指す。一方、CRM関連事業については、需要が旺盛な業界に対しての受注強化に取り組み、一般事務事業については主力の金融業界向けを中心に堅調に推移する見通しだ。

内部的な取り組みとしては、受注ノウハウや品質管理の高度化を中心に競合他社との明確な優位性を確立すべく、人材投資を積極的に推進していくことで、大型請負案件の受注獲得を目指していく。また、従業員のキャリアアップとスキル向上に取り組むことで、従業員の満足度向上と自律的・継続的な成長が期待できる組織づくりを構築し、就業スタッフに対して適性に合わせた就業先を提案するためのキャリアカウンセリング(スタッフ面談)能力の向上を図る。

(2) 製造系人材サービス事業
製造系人材サービス事業の売上高は、第3四半期以降の受注回復を背景に、前期比横ばい水準の32億円前後となる見通しと弊社では見ている。需要が堅調な食品加工業者向けに加えて、製造加工業向けの受注回復が上振れ要因となる。

(3) 営業系人材サービス事業
営業系人材サービス事業の売上高は前期比33.3%減の13億円前後となる見通しと弊社では見ている。第4四半期に入っても、コロナ禍により中小飲食店や小売店への訪問営業活動は限定的となっており、低空飛行が続く。ただ、新規案件の取り組みを開始しており、2022年3月期における売上回復の道筋は見えてきている。現状はコロナ禍のため人材募集の面でやや苦戦している地域もあるが、顧客企業は加盟店獲得を最優先にマーケティングコストを積極的に投下していく意向のようで、今後の動向が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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