エリアリンク Research Memo(2):コンテナ収納・トランクルームの「ハローストレージ」シリーズで成長
[21/03/10]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 会社概要
エリアリンク<8914>は、現 代表取締役社長の林尚道(はやしなおみち)氏により創業され、東証2部に上場するストレージ業界のリーディングカンパニーである。“世の中に便利さと楽しさと感動を提供する”という企業理念の下、ストレージ事業を首都圏から全国に展開しており、屋外のコンテナや物置などの収納スペースを貸し出す「コンテナ収納」や、建物内の収納スペースを貸し出す「レンタル収納」を事業の中心とする。ストレージ事業は「ハローストレージ」のブランドで展開しており、全国的に知名度が高い。また、ストレージ事業のほかにも、底地事業にも注力している。
同社は、林社長の指導力の下、環境変化に対応した柔軟な経営戦略によって、以下の3つの強みを発揮することで、景気に左右されない堅実な成長を続けている。
第1の強みは、同社のストレージ事業は室数シェア約17〜18%を占める業界トップ企業である点だ。ストレージ業界は、市場シェアが1%に満たない小規模会社が圧倒的多数を占めている。また、先行する米国では、6世帯に1世帯がストレージを利用しているのに対して、日本では約108世帯に1個室の供給割合にとどまっている。近年は首都圏を中心に収納に対するニーズが高まっていることからも、ストレージ市場は今後大きな成長が見込まれると言えよう。同社では、安定的に収益を生み出すストレージ運用を中心に、中期的に市場シェア50%達成を目標にしている。
第2の強みは、同社が健全な財務体質を有している点である。2020年12月期の自己資本比率は44.6%で、2019年度東証1部不動産業平均の30.7%を大きく上回るが、中期的には50%台を目指しているようだ。また、同社は個人向けストレージ事業を行う唯一の上場会社であることも強みと言えよう。同社は、こうした優良な財務体質を武器に、有利な条件でビジネス展開をしている。
第3の強みは、同社の高い収益性だ。具体的には、従業員数は2020年12月末現在で76名(役員、臨時従業員、派遣社員を除く)と少数精鋭経営で本部費用が少ない点が挙げられる。また、2020年12月期のROAは5.2%、ROEは12.9%と、東証1部不動産業平均の4.3%、8.5%を上回っている。同社では、新中期経営計画の推進により、一層の収益の拡大と利益率の向上を目指している。
2. 沿革
同社は1995年、異業種交流ステーション「ウェルズ21」の受注事業を目的に、林社長により株式会社ウェルズ技研として千葉県船橋市に設立された。
創立の翌年(1996年)には貸地ビジネスや時間貸しコインパーキング事業の「ハローパーキング」事業を開始し、不動産事業へ進出した。その後、「ハローパーキング」に続き、収納スペースの「ハローコンテナ」や「ハロートランク」などの「ハローストレージ」や、マンスリーマンションの「ハローマンスリー」、レンタルオフィスの「ハローオフィス」等を次々とリリースし、業容を拡大した。
「ハローストレージ」を全国展開してきた同社では、2016年には人気キャラクターのハローキティとのコラボレーション物件の展開に向けてライセンス契約を締結した。
幅広い「ハローシリーズ」を展開してきた同社であったが、ニッチ市場という立ち位置で競合が少なく、非居住系でランニングコストが低いといった利点があるストレージ事業(コンテナ収納とトランクルーム)を事業の中核に据え、「シェア・質の“圧倒的No.1”」をスローガンに、事業の拡大・強化を図ってきた。一方で、事業環境の変化に伴い、過去2年間は売買(流動化)に依存した成長戦略を見直し、ストレージ運用を中心に安定成長を図る方針に方向転換している。また、2021年2月に「中期経営計画21-23」を発表し、新たな事業戦略に基づき着実な成長を目指すとしている。
なお、証券市場には2003年8月に東証マザーズに上場し、2020年5月には東証2部への昇格を果たしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 会社概要
エリアリンク<8914>は、現 代表取締役社長の林尚道(はやしなおみち)氏により創業され、東証2部に上場するストレージ業界のリーディングカンパニーである。“世の中に便利さと楽しさと感動を提供する”という企業理念の下、ストレージ事業を首都圏から全国に展開しており、屋外のコンテナや物置などの収納スペースを貸し出す「コンテナ収納」や、建物内の収納スペースを貸し出す「レンタル収納」を事業の中心とする。ストレージ事業は「ハローストレージ」のブランドで展開しており、全国的に知名度が高い。また、ストレージ事業のほかにも、底地事業にも注力している。
同社は、林社長の指導力の下、環境変化に対応した柔軟な経営戦略によって、以下の3つの強みを発揮することで、景気に左右されない堅実な成長を続けている。
第1の強みは、同社のストレージ事業は室数シェア約17〜18%を占める業界トップ企業である点だ。ストレージ業界は、市場シェアが1%に満たない小規模会社が圧倒的多数を占めている。また、先行する米国では、6世帯に1世帯がストレージを利用しているのに対して、日本では約108世帯に1個室の供給割合にとどまっている。近年は首都圏を中心に収納に対するニーズが高まっていることからも、ストレージ市場は今後大きな成長が見込まれると言えよう。同社では、安定的に収益を生み出すストレージ運用を中心に、中期的に市場シェア50%達成を目標にしている。
第2の強みは、同社が健全な財務体質を有している点である。2020年12月期の自己資本比率は44.6%で、2019年度東証1部不動産業平均の30.7%を大きく上回るが、中期的には50%台を目指しているようだ。また、同社は個人向けストレージ事業を行う唯一の上場会社であることも強みと言えよう。同社は、こうした優良な財務体質を武器に、有利な条件でビジネス展開をしている。
第3の強みは、同社の高い収益性だ。具体的には、従業員数は2020年12月末現在で76名(役員、臨時従業員、派遣社員を除く)と少数精鋭経営で本部費用が少ない点が挙げられる。また、2020年12月期のROAは5.2%、ROEは12.9%と、東証1部不動産業平均の4.3%、8.5%を上回っている。同社では、新中期経営計画の推進により、一層の収益の拡大と利益率の向上を目指している。
2. 沿革
同社は1995年、異業種交流ステーション「ウェルズ21」の受注事業を目的に、林社長により株式会社ウェルズ技研として千葉県船橋市に設立された。
創立の翌年(1996年)には貸地ビジネスや時間貸しコインパーキング事業の「ハローパーキング」事業を開始し、不動産事業へ進出した。その後、「ハローパーキング」に続き、収納スペースの「ハローコンテナ」や「ハロートランク」などの「ハローストレージ」や、マンスリーマンションの「ハローマンスリー」、レンタルオフィスの「ハローオフィス」等を次々とリリースし、業容を拡大した。
「ハローストレージ」を全国展開してきた同社では、2016年には人気キャラクターのハローキティとのコラボレーション物件の展開に向けてライセンス契約を締結した。
幅広い「ハローシリーズ」を展開してきた同社であったが、ニッチ市場という立ち位置で競合が少なく、非居住系でランニングコストが低いといった利点があるストレージ事業(コンテナ収納とトランクルーム)を事業の中核に据え、「シェア・質の“圧倒的No.1”」をスローガンに、事業の拡大・強化を図ってきた。一方で、事業環境の変化に伴い、過去2年間は売買(流動化)に依存した成長戦略を見直し、ストレージ運用を中心に安定成長を図る方針に方向転換している。また、2021年2月に「中期経営計画21-23」を発表し、新たな事業戦略に基づき着実な成長を目指すとしている。
なお、証券市場には2003年8月に東証マザーズに上場し、2020年5月には東証2部への昇格を果たしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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