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オークファン Research Memo(2):廃棄ロス削減に向けたワンストップサービスを提供

注目トピックス 日本株
■事業概要

オークファン<3674>の事業セグメントは、「在庫価値ソリューション事業」「商品流通プラットフォーム事業」「インキュベーション事業」の3つに区分される。

1. 在庫価値ソリューション事業
膨大なデータとAIを用いて、企業が保有する在庫価値の可視化・最適化を推進するほか、出品業務の効率化支援なども手掛けている。具体的には、ネットショッピング・オークションの相場、統計価格比較サービス「aucfan.com」や、新たに開始した小売企業向け在庫管理AIソリューション「zaicoban(ザイコバン)」、複雑なネットショップ業務フローをシンプルにするクラウドサービス「タテンポガイド」などを通じて、個人から大企業までを対象に様々なソリューションを提供している。主にサブスクリプション(月額課金)による積み上げ型の収益モデルであり、利用企業数やアカウント数の伸びが業績をけん引する。また、セグメント利益率は20%程度と高いうえ、売上高の拡大とともにさらに改善する余地もある。

2. 商品流通プラットフォーム事業
企業の滞留在庫・商品等の流通を支援しており、複数のマーケットプレイスの運営や流通を加速させる人材育成スクールの運営等を手掛けている。具体的には、国内最大級のBtoB仕入れサイト「NETSEA」、滞留在庫の流動化サービス「リバリュー」、寄付型ショッピングサイト「Otameshi(オタメシ)」などを通じて、直接流通(BtoC)及び間接流通(B to SMB※)のプラットフォームを提供するほか、オークション教育・個別サポートサービス「オークファンスクール」も運営している。なお、「NETSEA」は主に一次流通(新品)の大量仕入・大量販売を担うBtoBマーケットプレイスであり、流通構造がオフラインからオンラインへシフトする流れのなかで潜在市場は巨大と言える。一方、「リバリュー」は主に滞留在庫(例えば、パッケージに傷がついた商品や賞味(使用)期限切迫品、返品等)などの流動化支援を行っている。また、「Otameshi」は、近年深刻化している「食品廃棄ロス」などの問題を解決するため、メーカーや産地から売れ残った商品を買い取り、手頃な価格で消費者に販売するとともに、寄付活動も行っており、SDGsなどの社会課題解決活動にも貢献する事業である。収益モデルは、主に販売収益とGMV(流通取引総額)課金収益の2種類となっている。「NETSEA」は自ら在庫を保有せず、流通額に一定の手数料率をかけたGMV課金収益である一方、「リバリュー」や「Otameshi」は自ら販売主体となって販売収益を獲得する。したがって、「NETSEA」は1件当たりの売上インパクトは小さいが、利益率は極めて大きくなるところに特徴がある。

※クラウドセラーなどの小規模事業者(Small Business)。


3. インキュベーション事業
事業投資活動を通じて、中長期にわたり競合優位性を構築・維持していくための知見とネットワークを得ることを目的としている。営業投資有価証券の売却及び投資先企業へのコンサルティング収入が主な収益源となっているが、営業投資有価証券の売却のタイミングが業績の大きな変動要因となるところに注意が必要である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




<NB>

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