ホットリンク Research Memo(1):5ヶ年目標は売上高の成長を最重要指標とし、売上成長率35%を狙う
[21/03/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ホットリンク<3680>はソーシャルメディアデータを活用したデジタルマーケティング支援サービスを主に展開するIT企業である。主要子会社として、大手ソーシャルメディアのデータアクセス権販売を行う米Effyis, Inc.(エフィス)や、中国市場をターゲットとしたWebプロモーション支援サービス、中国向け越境ECサービスなどを展開する(株)トレンドExpressがある。
1. 業績動向
2020年12月期の連結業績は売上高で前期比18.7%増の4,385百万円、営業損失で25百万円(前期は1,699百万円の損失)、税引前損失で84百万円(同1,707百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益で18百万円(同1,634百万円の損失)となった。SNSマーケティング支援サービスとDaaS事業の増収が寄与し、通期売上高は過去最高を更新した。また、利益面でも増収効果に加えて2019年12月期から取り組んできたコスト削減効果などを背景に、大幅な改善を見せた。
2. 今後の見通し
2021年12月期の業績見通しについては、売上高で前期比22.4%増の5,366百万円、営業利益で147百万円(前期は25百万円の損失)、税引前利益で224百万円(同84百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益で167百万円(同18百万円)を予想している。SNSマーケティング支援事業では、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)とそれに伴うSNSマーケティングの重要性の高まりを背景に今後も需要は増加する見通しだ。クロスバウンド事業では、アウトバウンドについて顧客企業における需要拡大を受けて急成長が続くと弊社は考える。また、同社は5ヶ年目標として売上高の成長を最重要指標とし、年平均成長率35%で伸ばすことで、2025年12月期には売上高200億円(2020年12月期比で3.7倍)、営業利益24.6億円(同16.7倍)、営業利益率12.3%(2020年12月期は-0.6%)の目標を掲げている。現在、全体の売上高に占める割合が最も大きいSNSマーケティング支援事業を5年後にはクロスバウンド事業が上回る見通しであり、グローバル企業として成長する方針が見て取れる。事業利益については、現状最も寄与度の大きいDaaS事業をSNSマーケティング支援事業とクロスバウンド事業が上回る計画であり、利益面でSNSマーケティング支援事業とクロスバウンド事業が同社の業績をけん引することとなる。
3. 中長期の成長戦略
同社は「SNSを軸とした統合マーケティングサービス」を成長の柱とする。近時、SNS上の口コミの影響力の大きさは無視できないものとなっている。同社は、SNS上のアーンドメディア(口コミ)を活用したマーケティング手法で独自のメソッドを確立したことから口コミ領域で高いパフォーマンスを上げており、オウンドメディア※1、ペイドメディア※2、アーンドメディア※3の3領域においてSNSを軸とした統合マーケティングサービスを提供する。また、積み上げ型と単発型両方のビジネスを融合したプラットフォームサービスも強みとなる。同社はビッグデータの「情報収集」「分析」「活用」という3ステップを積み上げ型(データアクセス権、分析ツール、SNSアカウント運用・コンサルなどのマーケティング)と単発型(コンテンツ制作や広告運用など)に分けられるサービスで展開している。これは顧客企業から見れば、情報収集からマーケティングに至るまでの一連の流れのなかで、フェーズごとに直面する課題を同社サービスによって随時解決できるということである。その点で、同社のサービス全般はマーケティングにおける「ひとつのプラットフォーム」として顧客の事業基盤の一部となる。同社目線では、積み上げ型サービスを通じて収益の安定性を高めることができるほか、単発型のサービスも追加受注しやすくなり、売上高の成長が加速する。
※1 オウンドメディアとは、自社が所有・運営するメディアのこと。デジタルマーケティングにおいては自社Webサイト・自社のSNSアカウントなどが挙げられる。
※2 ペイドメディアとは、広告費用を払って露出できる他社が所有するメディアのこと。デジタルマーケティングにおいては、検索エンジン広告・SNS広告・ニュースサイトなどが挙げられる。
※3 アーンドメディアとは、自社でコントロールできない、消費者が発信するメディアのこと。デジタルマーケティングにおいては、消費者のブログ・SNSなどが挙げられる。
■Key Points
・2020年12月期はSNSマーケティング支援事業とDaaS事業が伸び、増収・損失大幅縮小
・SNSマーケティング支援事業とクロスバウンド事業が伸長。今後5年で35%の売上成長を狙う
・統合マーケティング及びプラットフォーム型サービスが成長のカギ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<EY>
ホットリンク<3680>はソーシャルメディアデータを活用したデジタルマーケティング支援サービスを主に展開するIT企業である。主要子会社として、大手ソーシャルメディアのデータアクセス権販売を行う米Effyis, Inc.(エフィス)や、中国市場をターゲットとしたWebプロモーション支援サービス、中国向け越境ECサービスなどを展開する(株)トレンドExpressがある。
1. 業績動向
2020年12月期の連結業績は売上高で前期比18.7%増の4,385百万円、営業損失で25百万円(前期は1,699百万円の損失)、税引前損失で84百万円(同1,707百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益で18百万円(同1,634百万円の損失)となった。SNSマーケティング支援サービスとDaaS事業の増収が寄与し、通期売上高は過去最高を更新した。また、利益面でも増収効果に加えて2019年12月期から取り組んできたコスト削減効果などを背景に、大幅な改善を見せた。
2. 今後の見通し
2021年12月期の業績見通しについては、売上高で前期比22.4%増の5,366百万円、営業利益で147百万円(前期は25百万円の損失)、税引前利益で224百万円(同84百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益で167百万円(同18百万円)を予想している。SNSマーケティング支援事業では、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)とそれに伴うSNSマーケティングの重要性の高まりを背景に今後も需要は増加する見通しだ。クロスバウンド事業では、アウトバウンドについて顧客企業における需要拡大を受けて急成長が続くと弊社は考える。また、同社は5ヶ年目標として売上高の成長を最重要指標とし、年平均成長率35%で伸ばすことで、2025年12月期には売上高200億円(2020年12月期比で3.7倍)、営業利益24.6億円(同16.7倍)、営業利益率12.3%(2020年12月期は-0.6%)の目標を掲げている。現在、全体の売上高に占める割合が最も大きいSNSマーケティング支援事業を5年後にはクロスバウンド事業が上回る見通しであり、グローバル企業として成長する方針が見て取れる。事業利益については、現状最も寄与度の大きいDaaS事業をSNSマーケティング支援事業とクロスバウンド事業が上回る計画であり、利益面でSNSマーケティング支援事業とクロスバウンド事業が同社の業績をけん引することとなる。
3. 中長期の成長戦略
同社は「SNSを軸とした統合マーケティングサービス」を成長の柱とする。近時、SNS上の口コミの影響力の大きさは無視できないものとなっている。同社は、SNS上のアーンドメディア(口コミ)を活用したマーケティング手法で独自のメソッドを確立したことから口コミ領域で高いパフォーマンスを上げており、オウンドメディア※1、ペイドメディア※2、アーンドメディア※3の3領域においてSNSを軸とした統合マーケティングサービスを提供する。また、積み上げ型と単発型両方のビジネスを融合したプラットフォームサービスも強みとなる。同社はビッグデータの「情報収集」「分析」「活用」という3ステップを積み上げ型(データアクセス権、分析ツール、SNSアカウント運用・コンサルなどのマーケティング)と単発型(コンテンツ制作や広告運用など)に分けられるサービスで展開している。これは顧客企業から見れば、情報収集からマーケティングに至るまでの一連の流れのなかで、フェーズごとに直面する課題を同社サービスによって随時解決できるということである。その点で、同社のサービス全般はマーケティングにおける「ひとつのプラットフォーム」として顧客の事業基盤の一部となる。同社目線では、積み上げ型サービスを通じて収益の安定性を高めることができるほか、単発型のサービスも追加受注しやすくなり、売上高の成長が加速する。
※1 オウンドメディアとは、自社が所有・運営するメディアのこと。デジタルマーケティングにおいては自社Webサイト・自社のSNSアカウントなどが挙げられる。
※2 ペイドメディアとは、広告費用を払って露出できる他社が所有するメディアのこと。デジタルマーケティングにおいては、検索エンジン広告・SNS広告・ニュースサイトなどが挙げられる。
※3 アーンドメディアとは、自社でコントロールできない、消費者が発信するメディアのこと。デジタルマーケティングにおいては、消費者のブログ・SNSなどが挙げられる。
■Key Points
・2020年12月期はSNSマーケティング支援事業とDaaS事業が伸び、増収・損失大幅縮小
・SNSマーケティング支援事業とクロスバウンド事業が伸長。今後5年で35%の売上成長を狙う
・統合マーケティング及びプラットフォーム型サービスが成長のカギ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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