ホットリンク Research Memo(8):SNSを軸とした統合マーケティングサービスで一層の差別化を図る
[21/03/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略
1. SNSを軸とした統合マーケティングサービス
SNS全盛期にある現在において、SNSを活用したマーケティングの重要性は極めて高い。一般論としてマーケティングにおけるメディアは自社で所有する「オウンドメディア」、広告費用を払って露出できる他社所有の「ペイドメディア」、自社でコントロールできない消費者が発信する「アーンドメディア」の3つがある。SNSマーケティングにもこれら3領域は存在し、それぞれオウンドメディアは自社のSNSアカウント、ペイドメディアはTwitterやFacebookにおける広告、アーンドメディアはSNS上の口コミといった例が挙げられる。昨今ではその影響力の大きさからSNS上の口コミ(アーンドメディア)を活用したマーケティング手法が注目され始めている。ただ、SNS上の口コミは自社でコントロールが不可能なため、いかに最適なユーザーに情報を発信してもらい効果的に拡散していくことができるかで、費用対効果も変わってくる。いわばマーケティング支援企業によって差が出やすい領域と言える。ホットリンク<3680>は、設立以来蓄積してきたソーシャル・ビッグデータの解析力とEffyisが持つソーシャルデータの収集力を強みとし、自社で体系化したSNSによる購買行動プロセス「ULSSAS」を循環させる運用メソッドを確立した。これにより、高いパフォーマンスを上げることに成功している。
このSNS上の口コミにおける強みを武器に、同社はオウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアの3領域においてSNSを軸とした統合マーケティングサービスを提供する。
SNSを軸に3領域でワンストップなマーケティングサービスを提供できる点が強みであるうえ、同社にはサービスの訴求力をより高めるポイントがいくつかある。まずはビッグデータの活用だ。ビッグデータの活用は1)情報収集、2)分析、3)活用という3ステップを踏む。同社は1)情報収集の面でDaaS事業におけるグローバル規模のデータベースを保有しており、2)分析面ではSNS分析ツールやクロスバウンド事業におけるレポーティングサービスを生かし、3)活用面ではSNSマーケティング支援事業やクロスバウンド事業を通じて価値を提供する。それぞれのステップで同社は豊富な知見・経験を有しており、それが有機的に機能することでビッグデータの価値を最大化している。加えて、DaaS事業において収集したデータは現在日本と中国で「活用」のステップまで進んでいるものの、今後は欧米でも同様のステップを踏む見込みであり、グローバル企業として同社の成長期待を大きく高める材料の1つとなっている。
また「テクノロジー企業」としての高度な技術と、それを生かしたデータドリブンなマーケティングを提供できる点も高い付加価値を生む。豊富なデータを保有しており、分析では自然言語処理や機械学習といった高度な技術を活用し統合マーケティングサービスを通じてマネタイズするという点で、同社はテクノロジー企業と捉えることができる。こういったデータドリブンなマーケティング手法は従来の広告代理店と大きく異なる点であり、サービスの差別化につながっている。加えて、後に詳述するプラットフォームサービスという形態も訴求力を高めている。
プラットフォーム化で積み上げ型・単発型の受注増加加速へ
2. プラットフォームサービスを指向
同社は積み上げ型ビジネスと単発型ビジネスを融合したプラットフォームサービスを提供する。同社は上記の「情報収集」「分析」「活用(マーケティング)」という3ステップにおいて、それぞれ売上が「積み上げ型」「単発型」に分かれるサービスを展開している。
これは顧客企業から見れば、情報収集からマーケティングに至るまでの一連の流れのなかで、フェーズごとに直面する課題を同社のサービスによって随時解決できるということである。その点で、同社のサービス全般はマーケティングにおける「ひとつのプラットフォーム」として顧客の事業基盤の一部となる。また、同社がワンストップで効率的に対応することから、各フェーズごとに複数の企業に依頼するよりも大きな効果が期待できる。同社から見れば、「情報収集」「分析」「活用」の各段階でそれぞれデータアクセス権販売・分析ツール・コンサルティング・SNSアカウント運用といったように積み上げ型のサービスがあるため、収益の安定性を高めることができる。また、これら積み上げ型のサービスの契約拡大を通じて単発型のサービスも追加受注しやすくなり、売上高の成長が加速する。上記のような「SNSを軸とした統合マーケティングサービス」「プラットフォームサービス」という特徴を生かすことで同社のマーケティング業界におけるプレゼンスは大きくなっており、従来アプローチが困難であった大手企業からの受注も、今後徐々に増加してくると弊社は予想する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<EY>
1. SNSを軸とした統合マーケティングサービス
SNS全盛期にある現在において、SNSを活用したマーケティングの重要性は極めて高い。一般論としてマーケティングにおけるメディアは自社で所有する「オウンドメディア」、広告費用を払って露出できる他社所有の「ペイドメディア」、自社でコントロールできない消費者が発信する「アーンドメディア」の3つがある。SNSマーケティングにもこれら3領域は存在し、それぞれオウンドメディアは自社のSNSアカウント、ペイドメディアはTwitterやFacebookにおける広告、アーンドメディアはSNS上の口コミといった例が挙げられる。昨今ではその影響力の大きさからSNS上の口コミ(アーンドメディア)を活用したマーケティング手法が注目され始めている。ただ、SNS上の口コミは自社でコントロールが不可能なため、いかに最適なユーザーに情報を発信してもらい効果的に拡散していくことができるかで、費用対効果も変わってくる。いわばマーケティング支援企業によって差が出やすい領域と言える。ホットリンク<3680>は、設立以来蓄積してきたソーシャル・ビッグデータの解析力とEffyisが持つソーシャルデータの収集力を強みとし、自社で体系化したSNSによる購買行動プロセス「ULSSAS」を循環させる運用メソッドを確立した。これにより、高いパフォーマンスを上げることに成功している。
このSNS上の口コミにおける強みを武器に、同社はオウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアの3領域においてSNSを軸とした統合マーケティングサービスを提供する。
SNSを軸に3領域でワンストップなマーケティングサービスを提供できる点が強みであるうえ、同社にはサービスの訴求力をより高めるポイントがいくつかある。まずはビッグデータの活用だ。ビッグデータの活用は1)情報収集、2)分析、3)活用という3ステップを踏む。同社は1)情報収集の面でDaaS事業におけるグローバル規模のデータベースを保有しており、2)分析面ではSNS分析ツールやクロスバウンド事業におけるレポーティングサービスを生かし、3)活用面ではSNSマーケティング支援事業やクロスバウンド事業を通じて価値を提供する。それぞれのステップで同社は豊富な知見・経験を有しており、それが有機的に機能することでビッグデータの価値を最大化している。加えて、DaaS事業において収集したデータは現在日本と中国で「活用」のステップまで進んでいるものの、今後は欧米でも同様のステップを踏む見込みであり、グローバル企業として同社の成長期待を大きく高める材料の1つとなっている。
また「テクノロジー企業」としての高度な技術と、それを生かしたデータドリブンなマーケティングを提供できる点も高い付加価値を生む。豊富なデータを保有しており、分析では自然言語処理や機械学習といった高度な技術を活用し統合マーケティングサービスを通じてマネタイズするという点で、同社はテクノロジー企業と捉えることができる。こういったデータドリブンなマーケティング手法は従来の広告代理店と大きく異なる点であり、サービスの差別化につながっている。加えて、後に詳述するプラットフォームサービスという形態も訴求力を高めている。
プラットフォーム化で積み上げ型・単発型の受注増加加速へ
2. プラットフォームサービスを指向
同社は積み上げ型ビジネスと単発型ビジネスを融合したプラットフォームサービスを提供する。同社は上記の「情報収集」「分析」「活用(マーケティング)」という3ステップにおいて、それぞれ売上が「積み上げ型」「単発型」に分かれるサービスを展開している。
これは顧客企業から見れば、情報収集からマーケティングに至るまでの一連の流れのなかで、フェーズごとに直面する課題を同社のサービスによって随時解決できるということである。その点で、同社のサービス全般はマーケティングにおける「ひとつのプラットフォーム」として顧客の事業基盤の一部となる。また、同社がワンストップで効率的に対応することから、各フェーズごとに複数の企業に依頼するよりも大きな効果が期待できる。同社から見れば、「情報収集」「分析」「活用」の各段階でそれぞれデータアクセス権販売・分析ツール・コンサルティング・SNSアカウント運用といったように積み上げ型のサービスがあるため、収益の安定性を高めることができる。また、これら積み上げ型のサービスの契約拡大を通じて単発型のサービスも追加受注しやすくなり、売上高の成長が加速する。上記のような「SNSを軸とした統合マーケティングサービス」「プラットフォームサービス」という特徴を生かすことで同社のマーケティング業界におけるプレゼンスは大きくなっており、従来アプローチが困難であった大手企業からの受注も、今後徐々に増加してくると弊社は予想する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<EY>