Shinwa Research Memo(1):2021年5月期上期は太陽光発電施設の売却により増収増益を実現
[21/03/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要
Shinwa Wise Holdings<2437>は、国内最大級の美術品オークション会社を傘下に持つ純粋持株会社である。日本の近代美術を中心として、近代陶芸やワイン、ブランド雑貨、時計、宝飾品なども手掛けている。2,000万円以上の高額落札作品における市場シェアでは業界トップクラスを誇る。また、富裕層向け資産防衛を目的とした「資産防衛ダイヤモンド販売事業」など、新たな成長軸の育成にも取り組んでいる。2021年1月には3年間の中期経営ビジョンを公表した。「日本美術品市場再生プロジェクト」をさらに推し進め、インターネットとIT(ブロックチェーン等)の活用による「グローバルアートプラットフォーム」の構築により、アート業界の枠を越えた幅広い参加者(次世代コレクターや国内外の一般投資家等)の呼び込みや資金流入を促し、日本美術品市場の活性化と同社成長を実現する方向性を打ち出している。外部環境についても、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の下、各国の金融緩和政策によるインフレ経済の進行が美術品市場の復活を後押しする可能性も出てきた。
2. 2021年5月期上期業績の概要
2021年5月期上期の業績は、売上高が前年同期比16.0%増の1,335百万円、営業利益が25百万円(前年同期は130百万円の損失)と増収及び営業黒字転換を果たした。2ケタの増収を実現したのは、「エネルギー関連事業」において、自社グループ保有の太陽光発電施設を一部売却したことによるものである。一方、主力の「オークション関連事業」においては、オークション事業がおよそ堅調に推移したものの、コロナ禍対策としての画廊スペース休業や営業体制の見直し等に伴う一時的な営業活動の縮小により、プライベートセールが大きく落ち込んだ。利益面でも、太陽光発電施設の売却が増益に大きく貢献するとともに、「オークション関連事業」の損益改善(損失幅の縮小)にも取り組んだ。また、活動面においても、新たなコレクター層の育成と資産形成を目的とした「シンワ資産形成アート投資サロン」を立ち上げたほか、「オンラインオークション」やインターネットを利用してリアルタイムの入札を可能とする「インターネットライブビッディングシステム」の開始など、海外を含めた販路拡大に向けて一定の成果を残すことができた。
3. 2021年5月期の業績予想
2021年5月期の業績予想について同社は、コロナ禍が日本の美術品市場やオークションそのものに与える影響を予想することが困難な状況にあることから、現時点で予想値の公表を見合わせている。ただ、オークション事業の営業力強化や新たな柱となり得るコンテンポラリーアートの取り扱い拡大、上期に出遅れたプライベートセールの巻き返し等に加え、コロナ禍に伴って需要が急拡大している「資産防衛ダイヤモンド販売事業」の伸びにより、4期ぶりの黒字化を目指していく方針である。
4. 成長戦略
同社は、「グローバルアートプラットフォーム」の構築に向けて段階的なステップを踏んでいく中期経営ビジョン(3年間のグランドピクチャー)を描いている。具体的には、「シンワ資産形成アート投資サロン」の立ち上げ、「オンラインオークション」及び「インターネットライブビッディングシステム」等を通じて、より多くの参加者を呼び込むための環境整備に取り組むとともに、市場の大きな中国を中心とするアジア展開、国内外オークション会社との連携、「アートファンド」の立ち上げ・運用、「アートストレージ事業」「アートシェアリング」「アートクラウドファンディング」など、アート関連の枠組みを広げる数々の取り組みにより、「グローバルアートプラットフォーム」の完成へと仕上げていく戦略である。
■Key Points
・2021年5月期上期の業績は太陽光発電施設の一部売却により大幅な増収及び営業黒字化を実現
・活動面においても、「シンワ資産形成アート投資サロン」の立ち上げ、「オンラインオークション」や「インターネットライブビッディングシステム」などで一定の成果を残す
・2021年5月期の通期予想については、コロナ禍による不透明性を踏まえ現時点で公表を見合わせているが、4期ぶりの黒字化を目指す
・「グローバルアートプラットフォーム」の構築により、アート業界の枠を越えた幅広い参加者の呼び込みや資金流入を促し、日本美術品市場の活性化と同社成長を実現する戦略を描く
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 会社概要
Shinwa Wise Holdings<2437>は、国内最大級の美術品オークション会社を傘下に持つ純粋持株会社である。日本の近代美術を中心として、近代陶芸やワイン、ブランド雑貨、時計、宝飾品なども手掛けている。2,000万円以上の高額落札作品における市場シェアでは業界トップクラスを誇る。また、富裕層向け資産防衛を目的とした「資産防衛ダイヤモンド販売事業」など、新たな成長軸の育成にも取り組んでいる。2021年1月には3年間の中期経営ビジョンを公表した。「日本美術品市場再生プロジェクト」をさらに推し進め、インターネットとIT(ブロックチェーン等)の活用による「グローバルアートプラットフォーム」の構築により、アート業界の枠を越えた幅広い参加者(次世代コレクターや国内外の一般投資家等)の呼び込みや資金流入を促し、日本美術品市場の活性化と同社成長を実現する方向性を打ち出している。外部環境についても、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の下、各国の金融緩和政策によるインフレ経済の進行が美術品市場の復活を後押しする可能性も出てきた。
2. 2021年5月期上期業績の概要
2021年5月期上期の業績は、売上高が前年同期比16.0%増の1,335百万円、営業利益が25百万円(前年同期は130百万円の損失)と増収及び営業黒字転換を果たした。2ケタの増収を実現したのは、「エネルギー関連事業」において、自社グループ保有の太陽光発電施設を一部売却したことによるものである。一方、主力の「オークション関連事業」においては、オークション事業がおよそ堅調に推移したものの、コロナ禍対策としての画廊スペース休業や営業体制の見直し等に伴う一時的な営業活動の縮小により、プライベートセールが大きく落ち込んだ。利益面でも、太陽光発電施設の売却が増益に大きく貢献するとともに、「オークション関連事業」の損益改善(損失幅の縮小)にも取り組んだ。また、活動面においても、新たなコレクター層の育成と資産形成を目的とした「シンワ資産形成アート投資サロン」を立ち上げたほか、「オンラインオークション」やインターネットを利用してリアルタイムの入札を可能とする「インターネットライブビッディングシステム」の開始など、海外を含めた販路拡大に向けて一定の成果を残すことができた。
3. 2021年5月期の業績予想
2021年5月期の業績予想について同社は、コロナ禍が日本の美術品市場やオークションそのものに与える影響を予想することが困難な状況にあることから、現時点で予想値の公表を見合わせている。ただ、オークション事業の営業力強化や新たな柱となり得るコンテンポラリーアートの取り扱い拡大、上期に出遅れたプライベートセールの巻き返し等に加え、コロナ禍に伴って需要が急拡大している「資産防衛ダイヤモンド販売事業」の伸びにより、4期ぶりの黒字化を目指していく方針である。
4. 成長戦略
同社は、「グローバルアートプラットフォーム」の構築に向けて段階的なステップを踏んでいく中期経営ビジョン(3年間のグランドピクチャー)を描いている。具体的には、「シンワ資産形成アート投資サロン」の立ち上げ、「オンラインオークション」及び「インターネットライブビッディングシステム」等を通じて、より多くの参加者を呼び込むための環境整備に取り組むとともに、市場の大きな中国を中心とするアジア展開、国内外オークション会社との連携、「アートファンド」の立ち上げ・運用、「アートストレージ事業」「アートシェアリング」「アートクラウドファンディング」など、アート関連の枠組みを広げる数々の取り組みにより、「グローバルアートプラットフォーム」の完成へと仕上げていく戦略である。
■Key Points
・2021年5月期上期の業績は太陽光発電施設の一部売却により大幅な増収及び営業黒字化を実現
・活動面においても、「シンワ資産形成アート投資サロン」の立ち上げ、「オンラインオークション」や「インターネットライブビッディングシステム」などで一定の成果を残す
・2021年5月期の通期予想については、コロナ禍による不透明性を踏まえ現時点で公表を見合わせているが、4期ぶりの黒字化を目指す
・「グローバルアートプラットフォーム」の構築により、アート業界の枠を越えた幅広い参加者の呼び込みや資金流入を促し、日本美術品市場の活性化と同社成長を実現する戦略を描く
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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