Shinwa Research Memo(6):「グローバルアートプラットフォーム」構築により日本美術品市場の再生目指す
[21/03/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略
1. 新経営体制への移行
Shinwa Wise Holdings<2437>は、2020年3月に開催された臨時株主総会により新経営体制に移行した。倉田陽一郎(くらたよういちろう)氏が代表取締役社長に復帰するとともに、ブランド卵で有名なイセ食品(株)の代表取締役会長であり、かつ美術作品に関わる豊富な知見やネットワークを有する伊勢彦信(いせひこのぶ)氏を取締役会長(社外役員)として迎え入れ、オークション事業の強化を軸に新たなスタートを切った。
2. 中期ビジョン
2021年1月には中期経営ビジョン(3年間のグランドピクチャー)を公表。「日本美術品市場再生プロジェクト」をさらに推し進め、インターネットやIT(ブロックチェーン等)を活用した「グローバルアートプラットフォーム」の構築に向けて段階的なステップを踏んでいく計画であり、経営資源をアート関連に集中することにより、アート業界の枠を越えた幅広い参加者(次世代コレクターや国内外の一般投資家等)の呼び込みや資金流入を促し、日本美術品市場の活性化と同社成長を実現する方向性を打ち出している。具体的な道筋として、まずは1)オークション事業の営業体制の強化にとりかかると、2)「シンワ資産形成アート投資サロン」の立ち上げ(2020年7月)、3)「オンラインオークション」の開始(2020年8月)及び4)「インターネットライブビッディングシステム」の開発(2021年1月)などを通じて、より多くの参加者を呼び込むための環境整備に取り組んでいる。さらには、5)市場の大きな中国を中心とするアジアへの展開や、6)文化支援事業を通じたミャンマーアートの取り扱いのほか、7)国内外オークション会社との合従連衡、8)アート市場への投資を活性化する「アートファンド」の立ち上げ・運用(2021年2月予定)、9)保税倉庫を含めたアートコレクション保管管理業務である「アートストレージ事業」への参入(2021年2月予定)、10)多数のコレクターが1つの美術品をシェアして新たなコミュニティを形成する「アートシェアリング」構想(2022年1月発表予定)や、11)アートを専門とする「アートクラウドファンディング」構想(2022年3月発表予定)の実現など、アート関連の枠組みを広げる数々の取り組みにより、「グローバルアートプラットフォーム」の完成へと仕上げていく考えだ。
また、オークション事業から派生した「資産防衛ダイヤモンド販売事業」についても、コロナ禍に伴う各国の金融緩和政策から生じるインフレ懸念により需要が急拡大しており、引き続き、注力分野として売上げの増大を目指していく考えである。一方、「エネルギー関連事業」については、収束を迎えた太陽光発電施設販売事業に替わって、マレーシアにおけるPKS事業に軸足を移し、国内のバイオマス発電所の完工ラッシュが始まる2021年頃から2023年に向けて本格的な収益化を図っていく計画である。
■株主還元
2021年5月期の配当については現時点で未定
同社の配当政策の基本的な考え方は、収益状況に応じた配当を行うことを基準としつつも、安定的な配当の維持並びに将来の事業展開に備えた内部留保の充実、財務体質の強化等を総合的に勘案し、決定することになっている。
ただ、2021年5月期については、コロナ禍に伴う業績への影響を見極めることが困難な状況にあることから、現時点で未定としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 新経営体制への移行
Shinwa Wise Holdings<2437>は、2020年3月に開催された臨時株主総会により新経営体制に移行した。倉田陽一郎(くらたよういちろう)氏が代表取締役社長に復帰するとともに、ブランド卵で有名なイセ食品(株)の代表取締役会長であり、かつ美術作品に関わる豊富な知見やネットワークを有する伊勢彦信(いせひこのぶ)氏を取締役会長(社外役員)として迎え入れ、オークション事業の強化を軸に新たなスタートを切った。
2. 中期ビジョン
2021年1月には中期経営ビジョン(3年間のグランドピクチャー)を公表。「日本美術品市場再生プロジェクト」をさらに推し進め、インターネットやIT(ブロックチェーン等)を活用した「グローバルアートプラットフォーム」の構築に向けて段階的なステップを踏んでいく計画であり、経営資源をアート関連に集中することにより、アート業界の枠を越えた幅広い参加者(次世代コレクターや国内外の一般投資家等)の呼び込みや資金流入を促し、日本美術品市場の活性化と同社成長を実現する方向性を打ち出している。具体的な道筋として、まずは1)オークション事業の営業体制の強化にとりかかると、2)「シンワ資産形成アート投資サロン」の立ち上げ(2020年7月)、3)「オンラインオークション」の開始(2020年8月)及び4)「インターネットライブビッディングシステム」の開発(2021年1月)などを通じて、より多くの参加者を呼び込むための環境整備に取り組んでいる。さらには、5)市場の大きな中国を中心とするアジアへの展開や、6)文化支援事業を通じたミャンマーアートの取り扱いのほか、7)国内外オークション会社との合従連衡、8)アート市場への投資を活性化する「アートファンド」の立ち上げ・運用(2021年2月予定)、9)保税倉庫を含めたアートコレクション保管管理業務である「アートストレージ事業」への参入(2021年2月予定)、10)多数のコレクターが1つの美術品をシェアして新たなコミュニティを形成する「アートシェアリング」構想(2022年1月発表予定)や、11)アートを専門とする「アートクラウドファンディング」構想(2022年3月発表予定)の実現など、アート関連の枠組みを広げる数々の取り組みにより、「グローバルアートプラットフォーム」の完成へと仕上げていく考えだ。
また、オークション事業から派生した「資産防衛ダイヤモンド販売事業」についても、コロナ禍に伴う各国の金融緩和政策から生じるインフレ懸念により需要が急拡大しており、引き続き、注力分野として売上げの増大を目指していく考えである。一方、「エネルギー関連事業」については、収束を迎えた太陽光発電施設販売事業に替わって、マレーシアにおけるPKS事業に軸足を移し、国内のバイオマス発電所の完工ラッシュが始まる2021年頃から2023年に向けて本格的な収益化を図っていく計画である。
■株主還元
2021年5月期の配当については現時点で未定
同社の配当政策の基本的な考え方は、収益状況に応じた配当を行うことを基準としつつも、安定的な配当の維持並びに将来の事業展開に備えた内部留保の充実、財務体質の強化等を総合的に勘案し、決定することになっている。
ただ、2021年5月期については、コロナ禍に伴う業績への影響を見極めることが困難な状況にあることから、現時点で未定としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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