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GMOメディア Research Memo(3):自社運営するメディアから得られる広告収入や課金収入が収益源(1)

注目トピックス 日本株
■会社概要

3. 事業内容
GMOメディア<6180>の事業セグメントは、メディア事業とその他メディア支援事業に分けられる。メディア事業は、自社運営するポイントサイトやHTML5ゲームプラットフォームやソーシャルメディアを通じて得られる広告収入、ゲーム課金収入を獲得するビジネスモデルとなる。一方、その他メディア支援事業は、メディア事業で蓄積したノウハウやシステムを活用し、他社メディアの収益化を支援する事業となる。なお、新たに子会社化したGMOくまポンの事業はメディア事業に含まれる。

(1) メディア事業
メディア事業は、ポイントインセンティブ等による「ECメディア」と、一般ユーザーの情報発信をサポートする「ソーシャルメディア」を軸に、スマートフォン向けネイティブアプリとWeb(スマートフォン・PC)向けに多ブランドにて展開している。ユーザーは無料で利用可能となっており、広告収入で利益を得るビジネスモデルとなっている(一部、課金収入あり)。メディア事業の売上高の9割強は「ECメディア」で占められており、「ソーシャルメディア」に関しては、大手SNSの台頭もあってここ数年は売上高の減少傾向が続いており、一部メディアについてはサービスを終了または事業売却するなどしている。

a) ECメディア
ECメディアでは、国内最大級のポイントサイトである「ポイントタウン」と、HTML5ゲームプラットフォームの「ゲソてん」を運営している。

「ポイントタウン」は1999年にサービスを開始した老舗ポイントサイトで、会員数は200万人を超えている。購買力があり、「消費したい、得をしたい」という欲求を持つ30代後半から50代前半の世代がコア・ユーザーとなっている。なお、ここ数年はスマートフォンユーザーを取り込むべくネイティブアプリを強化しており、アプリダウンロード数も2020年12月時点で204万件(前年同月比14万件増)と増加基調が続いている。一方、HTML5ゲームプラットフォームの「ゲソてん」では、シミュレーションゲーム、カードゲームなど多くの無料ソーシャルゲーム(一部課金)を自社開発タイトルも含めて取り揃えている。

ポイントメディアのビジネスモデルを見ると、同社は広告主とユーザーの間に位置し、広告主から代理店(ASP※)経由でサイト内に掲載されるポイント付き広告に対して、ユーザーが申込みや購入等の一定の行動を取ることで広告収入が発生する。その広告収入の一部をユーザーにポイント還元した費用との差分が同社の収益となる成果報酬型のビジネスモデルとなっている。例えば、クレジットカード会社が会員を獲得する際に入会ポイントを付与することが多いが、そうしたポイントの発行を「ポイントタウン」を通じて同社が行い、ユーザーに還元する流れとなる。なお、ユーザーが貯めたポイントは大手金融機関などで現金に交換できるほか、主要電子マネーやビットコイン、同社が運営するHTML5ゲームプラットフォーム「ゲソてん」のアイテム等との交換が可能となっている。なお、売上高に影響する広告単価は広告主ごとに異なるほか、季節要因によっても変わってくる。広告枠は変わらないため広告出稿ニーズの高い1月−3月期は需給がタイトとなり、広告単価も上昇する傾向となる。このため、同社の四半期売上高も例年第1四半期がピークとなる。また、粗利益率は40〜50%程度と推定される。

※「Affiliate Service Provider」の略で、成功報酬型広告を配信するサービス・プロバイダ。


また、GMOくまポンで運営する「くまポン」や「キレイパス」等のクーポン・チケット購入サイトに関しては、ユーザーが商品・サービスのクーポンやチケットを当該サイトで事前購入し、その後、商品の送付や店舗でのサービス提供を受けることになる。同社はクーポン・チケットの販売額を売上高として計上し、販売手数料を差し引いた額を掲載事業者に支払い、費用計上することになる(見かけ上の利益率は低くなる)。掲載費用やコンテンツの制作費など固定費が無料で完全成果報酬型となるため利用しやすく、また、美容医療などのサービス事業者にとっては、事前決済型のためキャンセル率が低くなるといったメリットもある。

b) ソーシャルメディア
同社で運営するソーシャルメディアは、女性向けコミュニティサイト「プリキャン」のほか、コミュニティサービス「teacup.」、壁紙ポータルサイト「壁紙.com」のほか、2017年10月より「プリキャン」内に正式オープンした小説投稿サービス「プリ小説」、同年11月に運営を開始したプログラミング教育ポータルサイト「コエテコ」などがある。なお、2020年1月にブログサービス「yaplog!」を終了したほか、同年12月にコーディネート共有アプリ「CoordiSnap(以下、コーデスナップ)」を事業売却している。

ビジネスモデルは、同社が運営するソーシャルメディアに掲載された広告に対して閲覧者が表示やクリック等を行うことにより広告収入を得るモデルとなっている。このため、メディアへの訪問者数をいかに維持拡大していくことができるかが事業拡大のポイントとなる。同社では、各ソーシャルメディアの相互送客を強化し新規会員獲得のためのプロモーション費用を抑制することで、安定した収益基盤を構築している。売上高の季節変動はECメディアと同様の傾向にある。また、ECメディアのようにユーザー還元がないため、粗利益率はほぼ100%となっている。

(2) その他メディア支援事業
その他メディア支援事業では以下の2つのサービスを行っている。

a) アドシンジケート
アドネットワーク広告※の同社媒体への掲載によって蓄積してきたマネタイズのノウハウを活用して、同社以外の第三者の媒体に対して広告を提供し、掲載のコンサルティング及び仲介サービスを行う。

※広告媒体のWebサイトを多数集めて「広告配信ネットワーク」を形成し、その多数のWebサイト上で広告を配信するタイプの広告配信手法。様々なWebサイトやソーシャルメディアを「1つの媒体」とした広告出稿が可能になるため、広告主にとってより多くの広告閲覧数が見込めるようになるメリットがある。


b) AffiTownサービス
アフィリエイト広告を同社媒体に掲載することによって蓄積してきたマネタイズのノウハウや、広告主とのネットワーク、広告管理システムなどを活用して、同社以外の他事業者に展開するアフィリエイトサービスプロバイダ事業である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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