イード Research Memo(2):Webメディア・コンテンツの運営事業とリサーチ・ECソリューション事業が両輪
[21/03/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
1. 会社概要
イード<6038>は、Webメディア・コンテンツの運営を行うCMP事業と、リサーチ及びECソリューションを提供するCMS事業の2つの事業を展開するコンテンツマーケティング企業で、設立は2000年となる。M&A戦略を推進しており、2020年12月末時点の連結子会社は4社((株)エンファクトリー/ (株)ネットショップ総研/マイケル(株)/Interface in Design, Inc)、連結従業員数は232名(臨時従業員含む)となっている。なお、絵本ナビについては2020年12月に保有株式の一部を投資ファンドに売却したこと等により、連結子会社から持分法適用関連会社に異動している(出資率は58.9%→30.87%)。
2. 事業内容
事業セグメントはCMP事業とCMS事業の2つで、CMP事業が売上高、利益の9割弱を占める主力事業となっている。なお、両事業の連携としては、CMP事業のクライアント企業をCMS事業に紹介し、そのクライアント企業に対してCMS事業のソリューションサービスを提供している。
(1) コンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)
Webメディア・コンテンツを運営しながら、顧客企業のインターネット広告や各種データ・コンテンツをサイト利用ユーザーに配信する事業となる。売上高としては、Webメディア上に掲載するインターネット広告や、EC物販を含むデータ・コンテンツ販売が主なものとなっている。このため、いかに広告費等の費用をかけずにWebメディアの媒体価値(PV数)を向上していくことができるかが収益拡大のカギを握っている。
同社が運営するWebメディア・コンテンツ数は2020年12月末時点で21ジャンル68サイト(前期末比3サイト増)となっており、自動車やIT、エンターテインメント、暮らし、EC分野など幅広いジャンルのWebサイトを運営している。なかでも、自動車分野のWebメディア「Response(レスポンス)」は日本最大級の総合自動車ニュースサイトで、同社が運営するWebメディアの中でも中心的な存在となっている。
(2) コンテンツマーケティングソリューション事業(CMS事業)
顧客企業に対してリサーチソリューションとECソリューションを提供する事業となる。リサーチソリューションに関しては、自動車向けが売上高の過半を占めている。リサーチ内容は、大規模な定量調査から個人に対する定性調査まで行い、マーケティングリサーチ、デザイン関連リサーチ、ユーザビリティ/人間中心設計、海外リサーチをメニューとして取りそろえ、インターネットを活用したリサーチからリアルな行動観察まで幅広い分野をカバーしている。自動車以外では通信やエレクトロニクス分野のリサーチも行っている。一方、ECソリューションでは、EC事業者向けにECサイト構築システム「marbleASP」の提供を行っている。同サービスは低コスト、短納期、高拡張性が特徴で、会員数数十万人規模のECサイトにも対応している。売上高はECサイト構築時の一時売上と、稼働後のシステム利用料(月額課金)で構成されている。
Webメディア・コンテンツを効率的に運用する自社開発システムが強み
3. 特徴と強み
(1) 「iid-CMP」
同社の強みは、CMP事業において数多くのWebメディアやコンテンツを効率的に運用するためのシステム、「iid-CMP」(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)を自社開発していることにある。「iid-CMP」では主に4つの機能により、Webメディアの早期収益化を実現可能としている。第1に、高い集客機能(SEO施策、SNS対応、Webページ高速表示、スマートフォンを含めた最適なユーザビリティとユーザーエクスペリエンス等)による売上アップの実現、第2に、ローコストオペレーション(システムの共同利用・CPUリソース分散機能、ポータルサイトへのニュース記事提供フォーマットの共有化、最適なネットワーク広告・アフィリエイト広告の共同運用等)によるコスト最適化、第3に、データベースの蓄積・管理機能(コンテンツにより取得したビッグデータ管理)、第4に、コンテンツマネジメント機能(ニュース記事・写真の投稿、文章校正・類似度チェック)による編集の効率化等である。
(2) M&A戦略
同社はM&AによりWebメディア・コンテンツの取得を積極的に進めている。M&Aについては、経営陣のこれまでの人的ネットワークを主な情報入手ルートとしており、常時5サイト程度を検討している。事業取得する場合は、投資回収期間で5年を目安に計画を策定し、取得後2年以内の黒字化達成を判断基準としている。
2021年6月期第2四半期末までに資本出資も含めて取得したWebメディア・コンテンツは56サイト(うち、15サイトは撤退)で、取得総額は1,766百万円(内訳は、事業取得総額961百万円、出資総額805百万円、撤退サイト含む)となっている。1サイト平均31百万円で取得した計算となる。そのほか、自社で事業開発したWebサイトが40サイト(うち、13サイトは撤退)となっている。「iid-CMP」のプラットフォームを活用することで、これまで手掛けたWebサイトのほとんどで目標を達成している。
そのほか、新規事業領域での協業を目的とした戦略的な出資も実施している。2019年7月にブロックチェーンプロジェクトの開発拠点として活用することを目的に、カンボジアのシステム開発会社BENITEN Co., Ltd.に出資したほか、同年9月には音声広告プラットフォーム事業を手掛けるロボットスタート(株)に出資した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. 会社概要
イード<6038>は、Webメディア・コンテンツの運営を行うCMP事業と、リサーチ及びECソリューションを提供するCMS事業の2つの事業を展開するコンテンツマーケティング企業で、設立は2000年となる。M&A戦略を推進しており、2020年12月末時点の連結子会社は4社((株)エンファクトリー/ (株)ネットショップ総研/マイケル(株)/Interface in Design, Inc)、連結従業員数は232名(臨時従業員含む)となっている。なお、絵本ナビについては2020年12月に保有株式の一部を投資ファンドに売却したこと等により、連結子会社から持分法適用関連会社に異動している(出資率は58.9%→30.87%)。
2. 事業内容
事業セグメントはCMP事業とCMS事業の2つで、CMP事業が売上高、利益の9割弱を占める主力事業となっている。なお、両事業の連携としては、CMP事業のクライアント企業をCMS事業に紹介し、そのクライアント企業に対してCMS事業のソリューションサービスを提供している。
(1) コンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)
Webメディア・コンテンツを運営しながら、顧客企業のインターネット広告や各種データ・コンテンツをサイト利用ユーザーに配信する事業となる。売上高としては、Webメディア上に掲載するインターネット広告や、EC物販を含むデータ・コンテンツ販売が主なものとなっている。このため、いかに広告費等の費用をかけずにWebメディアの媒体価値(PV数)を向上していくことができるかが収益拡大のカギを握っている。
同社が運営するWebメディア・コンテンツ数は2020年12月末時点で21ジャンル68サイト(前期末比3サイト増)となっており、自動車やIT、エンターテインメント、暮らし、EC分野など幅広いジャンルのWebサイトを運営している。なかでも、自動車分野のWebメディア「Response(レスポンス)」は日本最大級の総合自動車ニュースサイトで、同社が運営するWebメディアの中でも中心的な存在となっている。
(2) コンテンツマーケティングソリューション事業(CMS事業)
顧客企業に対してリサーチソリューションとECソリューションを提供する事業となる。リサーチソリューションに関しては、自動車向けが売上高の過半を占めている。リサーチ内容は、大規模な定量調査から個人に対する定性調査まで行い、マーケティングリサーチ、デザイン関連リサーチ、ユーザビリティ/人間中心設計、海外リサーチをメニューとして取りそろえ、インターネットを活用したリサーチからリアルな行動観察まで幅広い分野をカバーしている。自動車以外では通信やエレクトロニクス分野のリサーチも行っている。一方、ECソリューションでは、EC事業者向けにECサイト構築システム「marbleASP」の提供を行っている。同サービスは低コスト、短納期、高拡張性が特徴で、会員数数十万人規模のECサイトにも対応している。売上高はECサイト構築時の一時売上と、稼働後のシステム利用料(月額課金)で構成されている。
Webメディア・コンテンツを効率的に運用する自社開発システムが強み
3. 特徴と強み
(1) 「iid-CMP」
同社の強みは、CMP事業において数多くのWebメディアやコンテンツを効率的に運用するためのシステム、「iid-CMP」(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)を自社開発していることにある。「iid-CMP」では主に4つの機能により、Webメディアの早期収益化を実現可能としている。第1に、高い集客機能(SEO施策、SNS対応、Webページ高速表示、スマートフォンを含めた最適なユーザビリティとユーザーエクスペリエンス等)による売上アップの実現、第2に、ローコストオペレーション(システムの共同利用・CPUリソース分散機能、ポータルサイトへのニュース記事提供フォーマットの共有化、最適なネットワーク広告・アフィリエイト広告の共同運用等)によるコスト最適化、第3に、データベースの蓄積・管理機能(コンテンツにより取得したビッグデータ管理)、第4に、コンテンツマネジメント機能(ニュース記事・写真の投稿、文章校正・類似度チェック)による編集の効率化等である。
(2) M&A戦略
同社はM&AによりWebメディア・コンテンツの取得を積極的に進めている。M&Aについては、経営陣のこれまでの人的ネットワークを主な情報入手ルートとしており、常時5サイト程度を検討している。事業取得する場合は、投資回収期間で5年を目安に計画を策定し、取得後2年以内の黒字化達成を判断基準としている。
2021年6月期第2四半期末までに資本出資も含めて取得したWebメディア・コンテンツは56サイト(うち、15サイトは撤退)で、取得総額は1,766百万円(内訳は、事業取得総額961百万円、出資総額805百万円、撤退サイト含む)となっている。1サイト平均31百万円で取得した計算となる。そのほか、自社で事業開発したWebサイトが40サイト(うち、13サイトは撤退)となっている。「iid-CMP」のプラットフォームを活用することで、これまで手掛けたWebサイトのほとんどで目標を達成している。
そのほか、新規事業領域での協業を目的とした戦略的な出資も実施している。2019年7月にブロックチェーンプロジェクトの開発拠点として活用することを目的に、カンボジアのシステム開発会社BENITEN Co., Ltd.に出資したほか、同年9月には音声広告プラットフォーム事業を手掛けるロボットスタート(株)に出資した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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