テンポイノベ Research Memo(5):2021年3月期第3四半期累計はコロナ禍の影響を受けたが回復傾向
[21/03/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2021年3月期第3四半期累計業績(非連結)の概要
テンポイノベーション<3484>の2021年3月期第3四半期累計の業績(非連結)は、売上高が前年同期比6.8%増の7,936百万円、営業利益が同9.1%減の604百万円、経常利益が同0.6%増の693百万円、四半期純利益が同1.6%減の473百万円となった。
累計ベースでは増収・営業減益となった。売上面では、店舗転貸借事業は2021年3月期第1四半期(4-6月)にコロナ禍の影響を受けて成約件数は大幅に減少したが、不動産売買事業の物件売却(2件売却して第3四半期末時点の保有物件は1件)が寄与して増収を確保した。営業利益は、累計ベースでは成約件数減少でイニシャル収入が減少したため減益となった。ただし店舗転貸借事業の成約件数が第2四半期(7-9月)から回復傾向となり、不動産売買事業の大型物件売却や販管費の抑制なども寄与して、全体として営業減益幅を小幅にとどめた。経常利益は営業外収益に受取補償金や助成金収入を計上して微増益となった。
なお累計ベースでは営業減益となったが、四半期別に見ると、緊急事態宣言の影響を受けた第1四半期の100百万円(前年同期比46.3%減)をボトムとして、第2四半期は189百万円(同7.8%増)、第3四半期は313百万円(同4.2%増)とともに前年同期比営業増益に転じて回復傾向である。
四半期別の成約件数は第3四半期に2020年3月期水準まで回復
2. 店舗転貸借事業の動向
店舗転貸借事業は、累計ベースで売上高が前年同期比3.9%増の7,163百万円、営業利益が21.6%減の353百万円となった。2021年3月期第3四半期末時点の転貸借物件数は1,677件で前年同期末比43件増加したが、成約件数(新規契約と後継契約の合計)が216件で前年同期末比76件減少した。第1四半期にコロナ禍による緊急事態宣言発出の影響を受けた。
ただし四半期別の成約件数を見ると、第1四半期の43件をボトムとして、第2四半期は81件、第3四半期は92件となり、2020年3月期の四半期別の成約件数である100件前後に近い水準まで回復している。また解約件数、新規契約件数、後継契約件数の2020年7月以降の月次推移を見ると、解約件数が2020年7月に25件であったのが同年12月では3件になり、減少傾向が顕著となっている。2020年11月には新規契約件数(9件)が解約件数(5件)を上回り、純増(新規−解約)に転じている。
自己資本比率は上昇
3. 財務状況
財務面で見ると、2021年3月期第3四半期末の資産合計は前期末比9百万円増加の10,243百万円、負債合計は同303百万円減少の7,383百万円、純資産合計は同313百万円増加の2,859百万円となった。コロナ禍による転貸借物件の解約で、固定資産の差入保証金、固定負債の預り保証金が減少した。また不動産売買事業における物件売却により、流動資産の販売用不動産が減少した。一方で、流動資産の現金及び預金が増加した。
自己資本比率は3.0ポイント上昇して27.9%となった。なお、店舗転貸借事業の特性上、賃貸人と転借人の双方に対して計上している差入保証金と預り保証金、前払費用と前受収益をそれぞれ相殺した実質的な自己資本比率は66.6%であり、財務の健全性に問題はないだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>
1. 2021年3月期第3四半期累計業績(非連結)の概要
テンポイノベーション<3484>の2021年3月期第3四半期累計の業績(非連結)は、売上高が前年同期比6.8%増の7,936百万円、営業利益が同9.1%減の604百万円、経常利益が同0.6%増の693百万円、四半期純利益が同1.6%減の473百万円となった。
累計ベースでは増収・営業減益となった。売上面では、店舗転貸借事業は2021年3月期第1四半期(4-6月)にコロナ禍の影響を受けて成約件数は大幅に減少したが、不動産売買事業の物件売却(2件売却して第3四半期末時点の保有物件は1件)が寄与して増収を確保した。営業利益は、累計ベースでは成約件数減少でイニシャル収入が減少したため減益となった。ただし店舗転貸借事業の成約件数が第2四半期(7-9月)から回復傾向となり、不動産売買事業の大型物件売却や販管費の抑制なども寄与して、全体として営業減益幅を小幅にとどめた。経常利益は営業外収益に受取補償金や助成金収入を計上して微増益となった。
なお累計ベースでは営業減益となったが、四半期別に見ると、緊急事態宣言の影響を受けた第1四半期の100百万円(前年同期比46.3%減)をボトムとして、第2四半期は189百万円(同7.8%増)、第3四半期は313百万円(同4.2%増)とともに前年同期比営業増益に転じて回復傾向である。
四半期別の成約件数は第3四半期に2020年3月期水準まで回復
2. 店舗転貸借事業の動向
店舗転貸借事業は、累計ベースで売上高が前年同期比3.9%増の7,163百万円、営業利益が21.6%減の353百万円となった。2021年3月期第3四半期末時点の転貸借物件数は1,677件で前年同期末比43件増加したが、成約件数(新規契約と後継契約の合計)が216件で前年同期末比76件減少した。第1四半期にコロナ禍による緊急事態宣言発出の影響を受けた。
ただし四半期別の成約件数を見ると、第1四半期の43件をボトムとして、第2四半期は81件、第3四半期は92件となり、2020年3月期の四半期別の成約件数である100件前後に近い水準まで回復している。また解約件数、新規契約件数、後継契約件数の2020年7月以降の月次推移を見ると、解約件数が2020年7月に25件であったのが同年12月では3件になり、減少傾向が顕著となっている。2020年11月には新規契約件数(9件)が解約件数(5件)を上回り、純増(新規−解約)に転じている。
自己資本比率は上昇
3. 財務状況
財務面で見ると、2021年3月期第3四半期末の資産合計は前期末比9百万円増加の10,243百万円、負債合計は同303百万円減少の7,383百万円、純資産合計は同313百万円増加の2,859百万円となった。コロナ禍による転貸借物件の解約で、固定資産の差入保証金、固定負債の預り保証金が減少した。また不動産売買事業における物件売却により、流動資産の販売用不動産が減少した。一方で、流動資産の現金及び預金が増加した。
自己資本比率は3.0ポイント上昇して27.9%となった。なお、店舗転貸借事業の特性上、賃貸人と転借人の双方に対して計上している差入保証金と預り保証金、前払費用と前受収益をそれぞれ相殺した実質的な自己資本比率は66.6%であり、財務の健全性に問題はないだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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