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LTS Research Memo(8):2024年12月期に売上高12,000百万円、営業利益1,800百万円へ(2)

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

(3) 長期目標について
エル・ティー・エス<6560>では中期経営計画を確実に実行しつつ、長期目標達成に向けた成長投資の検討も進めている。オーガニック成長で2030年12月期に売上高360億円の達成を視野に入れているが、加えて大型のM&A案件を実行することで500億円の規模に拡大していく目標も打ち出している。システムエンジニアを数百名規模で抱えている未上場企業が対象となり、M&A資金に関しては金融機関からの借入で賄ってくことを現段階では想定している。

コンサルティング市場の規模を国別で見ると、米国が10兆円、ドイツが1兆円となっているのに対して、日本は4千億円規模にとどまっている。この要因として、欧米は「ジョブ型雇用」であるのに対して、日本は「メンバーシップ型雇用」であることが影響していると言われている。「ジョブ型雇用」とは仕事に対して人を割り当てるという考え方で、欧米企業はコンサルティング会社を活用しながら、より成長機会の高い事業の創出、あるいはM&Aを活用しながら成長を目指している。一方、「メンバーシップ型雇用」は、先に人を採用してから仕事を割り振るという考え方で、「終身雇用制」を前提とした日本企業の多くが採用している。「メンバーシップ型雇用」の問題点として、余剰人員が出た場合に大胆な経営変革を行うことが難しく、かつ時間がかかるといった点が挙げられる。このため、コンサルティングサービスが成長投資の一部であるとの認識が薄く、結果、市場規模が欧米と比較して小さい要因となっている。ただ、コロナ禍によって、「メンバーシップ型雇用」の問題点が改めて浮き彫りとなり、こうした問題を解決するためには経営のDXが必要不可欠であることが再認識される状況となっている。また、ここ最近は「ジョブ型雇用」の取り組みを進める大企業も増えはじめており、国内のコンサルティング市場を取り巻く環境も変わりつつある。同社にとっては中長期的に追い風が吹き、業績も高成長が続くものと弊社では予想している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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