C&GSYS Research Memo(3):主力事業は「CAD/CAMシステム等事業」と「金型製造事業」の2つ(2)
[21/03/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社及び事業の概要
d) 特色と強み
C&Gシステムズ<6633>は金型設計用CAD/CAMシステムの専門メーカーであるが、強みの1つが2次元/3次元両方に対応した高機能なCAD/CAMシステムをラインナップしていることである。また、同社製品は大小様々な金型に対応が可能であり、付加価値の高い0.2ミクロンほどの微細品用や自動車のバンパー向けの大きい金型などに対応できることも同社の特色、強みである。このように専業メーカーとして幅広い対応が可能なため、顧客はワンストップで様々なニーズを満たすことが可能になる。
特に同社製のCAMは、独自の演算プログラムにより、高精度加工※を実現し、業界トップクラスの高い評価を得ている。また、金型の設計段階から加工設定を行え、効率的な金型製作を実現している。多くの製品が「自社開発品」であるため、顧客ニーズをすぐに次の製品にフィードバックすることもできる。
※最終製品である金型の精度は、切削や加工を行う工作機械の精度に左右されると思われがちだが、実はCAMの精度が低いと工作機械の性能が十分に生かされない。精巧な金型を製造するためには、高性能な工作機械だけでなく高精度のCAMが重要な役割を果たしている。
そのため同社の顧客(事業所)数は、既述のような自動車、電機、精密等の大手メーカーや各種部品メーカーを中心に7,000事業所以上に上っている。これらのユーザーの多くは、継続的に同社と保守契約を結び、新製品購入の場合でも同社を優先することが多い。その結果、ここ数年間の既存顧客の保守更新率は常に90%前後となっており、業界平均を大きく上回っている。この事実が同社の収益基盤を安定的なものとしており、堅実経営を可能にしている。
また、同社の販売は約80%が代理店経由となっているが、主要代理店とは30年以上の協力関係があり、この間に培ってきた代理店との強いパートナーシップも同社の強みと言えるだろう。さらに海外の主要拠点に、CAD/CAM販売子会社、テクニカルセンター及び総代理店を設置していることから、国内外で同レベルの製品・サービス・支援を提供することができ、またこれにより海外市場へ水平展開を図る顧客の囲い込みが可能となっている。つまり、同社は顧客の水平展開への適応力を備えたCAD/CAMシステムメーカーであり、これも同社の強みの1つだろう。
以下は、同社製品の主な導入事例である。
1) 名古屋精密金型
自動車のヘッドライト関連部品のプラスチック射出成形金型製造を一貫して手掛け、ワールドワイドに業務を展開する(株)名古屋精密金型は、同社が提供するCAD/CAMシステム「CAM-TOOL」による同時5軸の導入によって、CAM作業の部分だけでも5割の工数削減を実現、課題であった放電加工においても3割の工数削減を実現した。また5軸化により工作機械の有人運転から無人運転への切り替えも可能となり、リードタイムが大幅に短縮した(参考:CGS-LETTER Vol.62 2017年12月12日号)。
2) 村元工作所
自動車部品や家電、情報機器関連の多種多様な金型製造から製品アセンブリまで国内外で手掛ける(株)村元工作所は、2000年に同社の「EXCESS-PLUS」を導入、さらに2015年、2次元及び3次元モデルのハイブリッド設計を可能にした「EXCESS-HYBRID II」を採用、新たに搭載された「見込み変形機能」により中間工程モデリング工数が60%削減するなど大幅な時間短縮を実現した。現在は「EXCESS-HYBRID II」を22シート導入し、金型形状の更なる複雑化、高精度化に対応している(参考:CGS-LETTER Vol.60 2017年10月31日号)。
さらにCAD/CAMシステム等事業においては、話題となっている3Dプリンタの分野でも積極的に研究開発を進めている。ただし、同社が開発を進めているのは単なる樹脂の積層による簡単な3Dプリンタではなく、高精度な工作機械(マシニングセンターやNC旋盤)と組み合わせ、同時5軸制御によって積層造形と切削加工を同一の機械で行うという非常に高度な分野(3Dプリンタ+工作機械)である。まだ初期段階ではあるが、将来的には有望な分野であり、CAD/CAMソフトウェアのノウハウを有する同社だからこそ実現可能な分野だと言える。
(2) 金型製造事業
金型製造事業は、北米の自動車部品メーカー(日系及び米系)から金型の製造を受注し、これを同社がアジア(主に韓国)の金型メーカーへ発注、そして同社経由でユーザーへ納入するもので、すべて米国向けである。売上金額は2020年12月期で連結売上高の15.1%を占め、利益を計上している。また、為替変動の影響を受けるが、収益への影響は軽微である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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d) 特色と強み
C&Gシステムズ<6633>は金型設計用CAD/CAMシステムの専門メーカーであるが、強みの1つが2次元/3次元両方に対応した高機能なCAD/CAMシステムをラインナップしていることである。また、同社製品は大小様々な金型に対応が可能であり、付加価値の高い0.2ミクロンほどの微細品用や自動車のバンパー向けの大きい金型などに対応できることも同社の特色、強みである。このように専業メーカーとして幅広い対応が可能なため、顧客はワンストップで様々なニーズを満たすことが可能になる。
特に同社製のCAMは、独自の演算プログラムにより、高精度加工※を実現し、業界トップクラスの高い評価を得ている。また、金型の設計段階から加工設定を行え、効率的な金型製作を実現している。多くの製品が「自社開発品」であるため、顧客ニーズをすぐに次の製品にフィードバックすることもできる。
※最終製品である金型の精度は、切削や加工を行う工作機械の精度に左右されると思われがちだが、実はCAMの精度が低いと工作機械の性能が十分に生かされない。精巧な金型を製造するためには、高性能な工作機械だけでなく高精度のCAMが重要な役割を果たしている。
そのため同社の顧客(事業所)数は、既述のような自動車、電機、精密等の大手メーカーや各種部品メーカーを中心に7,000事業所以上に上っている。これらのユーザーの多くは、継続的に同社と保守契約を結び、新製品購入の場合でも同社を優先することが多い。その結果、ここ数年間の既存顧客の保守更新率は常に90%前後となっており、業界平均を大きく上回っている。この事実が同社の収益基盤を安定的なものとしており、堅実経営を可能にしている。
また、同社の販売は約80%が代理店経由となっているが、主要代理店とは30年以上の協力関係があり、この間に培ってきた代理店との強いパートナーシップも同社の強みと言えるだろう。さらに海外の主要拠点に、CAD/CAM販売子会社、テクニカルセンター及び総代理店を設置していることから、国内外で同レベルの製品・サービス・支援を提供することができ、またこれにより海外市場へ水平展開を図る顧客の囲い込みが可能となっている。つまり、同社は顧客の水平展開への適応力を備えたCAD/CAMシステムメーカーであり、これも同社の強みの1つだろう。
以下は、同社製品の主な導入事例である。
1) 名古屋精密金型
自動車のヘッドライト関連部品のプラスチック射出成形金型製造を一貫して手掛け、ワールドワイドに業務を展開する(株)名古屋精密金型は、同社が提供するCAD/CAMシステム「CAM-TOOL」による同時5軸の導入によって、CAM作業の部分だけでも5割の工数削減を実現、課題であった放電加工においても3割の工数削減を実現した。また5軸化により工作機械の有人運転から無人運転への切り替えも可能となり、リードタイムが大幅に短縮した(参考:CGS-LETTER Vol.62 2017年12月12日号)。
2) 村元工作所
自動車部品や家電、情報機器関連の多種多様な金型製造から製品アセンブリまで国内外で手掛ける(株)村元工作所は、2000年に同社の「EXCESS-PLUS」を導入、さらに2015年、2次元及び3次元モデルのハイブリッド設計を可能にした「EXCESS-HYBRID II」を採用、新たに搭載された「見込み変形機能」により中間工程モデリング工数が60%削減するなど大幅な時間短縮を実現した。現在は「EXCESS-HYBRID II」を22シート導入し、金型形状の更なる複雑化、高精度化に対応している(参考:CGS-LETTER Vol.60 2017年10月31日号)。
さらにCAD/CAMシステム等事業においては、話題となっている3Dプリンタの分野でも積極的に研究開発を進めている。ただし、同社が開発を進めているのは単なる樹脂の積層による簡単な3Dプリンタではなく、高精度な工作機械(マシニングセンターやNC旋盤)と組み合わせ、同時5軸制御によって積層造形と切削加工を同一の機械で行うという非常に高度な分野(3Dプリンタ+工作機械)である。まだ初期段階ではあるが、将来的には有望な分野であり、CAD/CAMソフトウェアのノウハウを有する同社だからこそ実現可能な分野だと言える。
(2) 金型製造事業
金型製造事業は、北米の自動車部品メーカー(日系及び米系)から金型の製造を受注し、これを同社がアジア(主に韓国)の金型メーカーへ発注、そして同社経由でユーザーへ納入するもので、すべて米国向けである。売上金額は2020年12月期で連結売上高の15.1%を占め、利益を計上している。また、為替変動の影響を受けるが、収益への影響は軽微である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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