ポート Research Memo(5):独自ノウハウやM&Aなどを武器に、売上高のCAGR30%以上を狙う(1)
[21/03/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略
1. 中長期の成長戦略
ポート<7047>は「株主価値の最大化」を使命と捉えており、長期的な目標としてフリーキャッシュ・フローの最大化を目指している。これに向けては、短・中期的には売上高とその成長率の最大化が最重要であると考えており、中長期経営計画における具体的な数値目標として、今後10年間で売上高のCAGR30%以上を掲げている。売上高を伸ばすためには各領域のマッチング総数を増やす必要があるが、そのための要素として「会員数」「顧客数」「それぞれのマッチング機能」を想定しており、コンテンツ投資(会員数)、アカウント投資(顧客数)、システム投資(マッチング数)を推進することで達成を図る。
なお、中長期経営計画において積極的な投資方針が掲げられているが、同社では投資を定期的に行うことで事業利益率をさらに高めていくことを大きな指標と捉えており、それぞれの投資タイミングごとに利益を計上する意識が強い。そのため、新興IT企業によく見られる先行投資フェーズの長期継続や多額の経常的費用によって利益がいつまでも低水準または損失になるという可能性が低い点もポジティブであると弊社では考えている。
既述のとおり同社は「流行に左右されないコンテンツ」をメインとしていることから、毎期経常的なコンテンツ投資が必要なく、コンテンツの資産化が可能となる。それゆえ投資後は、コンバージョン最適化の効果も相まって長期安定アクセスを基盤に高い利益率の実現が可能となる。具体的には、就職領域の事業利益率は53%と非常に高い水準となっている。
積極的な投資によって同社は、高い売上高成長とそれに伴う利益のJカーブを実現した。この結果、次期からの3ヵ年を「第2投資フェーズ」と位置付けている。主な方針としては、「マッチングDX」として販促活動のデジタル化やサプライチェーンの最適化を提供していく。多くの業種では従来進んでいたデジタルシフトの流れがコロナ禍をきっかけに加速しており、同社の効率的マッチングサービスに対する注目は今後高まっていくと思われる。加えて同社は、デジタル化が遅れている業界をターゲットとしていることにも注目したい。一例を挙げると、リフォーム領域における外壁塗装業者などは、社内の人員・スキル不足を背景に単独でのデジタルシフトが難しく、同社のような外部企業のサービスを活用するケースが多い。この点でも、同社の事業展望は良好だ。第2投資フェーズとしながらも、トップラインの伸びを背景として利益も拡大しやすいことから、同社が長期的な目標として掲げるフリーキャッシュ・フローについても、積み上がりの機運が徐々に高まっていくと弊社では考えている。
市場展望も堅調で、インターネットメディア業界ではモバイルにおける運用型広告、動画広告の成長が加速している。2020年3月に電通グループ<4324>が発表した「2019年 日本の広告費」によると、インターネット広告費(媒体費+制作費+物販系ECプラットフォーム広告費)の市場は初めて2兆円を超え、6年連続で2ケタ成長している。加えて、コロナ禍に伴い在宅時間が増加するなかでインターネット広告の需要はさらに膨らむと見られることから、アフターコロナにおいても堅調な伸びを見せると同社では予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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1. 中長期の成長戦略
ポート<7047>は「株主価値の最大化」を使命と捉えており、長期的な目標としてフリーキャッシュ・フローの最大化を目指している。これに向けては、短・中期的には売上高とその成長率の最大化が最重要であると考えており、中長期経営計画における具体的な数値目標として、今後10年間で売上高のCAGR30%以上を掲げている。売上高を伸ばすためには各領域のマッチング総数を増やす必要があるが、そのための要素として「会員数」「顧客数」「それぞれのマッチング機能」を想定しており、コンテンツ投資(会員数)、アカウント投資(顧客数)、システム投資(マッチング数)を推進することで達成を図る。
なお、中長期経営計画において積極的な投資方針が掲げられているが、同社では投資を定期的に行うことで事業利益率をさらに高めていくことを大きな指標と捉えており、それぞれの投資タイミングごとに利益を計上する意識が強い。そのため、新興IT企業によく見られる先行投資フェーズの長期継続や多額の経常的費用によって利益がいつまでも低水準または損失になるという可能性が低い点もポジティブであると弊社では考えている。
既述のとおり同社は「流行に左右されないコンテンツ」をメインとしていることから、毎期経常的なコンテンツ投資が必要なく、コンテンツの資産化が可能となる。それゆえ投資後は、コンバージョン最適化の効果も相まって長期安定アクセスを基盤に高い利益率の実現が可能となる。具体的には、就職領域の事業利益率は53%と非常に高い水準となっている。
積極的な投資によって同社は、高い売上高成長とそれに伴う利益のJカーブを実現した。この結果、次期からの3ヵ年を「第2投資フェーズ」と位置付けている。主な方針としては、「マッチングDX」として販促活動のデジタル化やサプライチェーンの最適化を提供していく。多くの業種では従来進んでいたデジタルシフトの流れがコロナ禍をきっかけに加速しており、同社の効率的マッチングサービスに対する注目は今後高まっていくと思われる。加えて同社は、デジタル化が遅れている業界をターゲットとしていることにも注目したい。一例を挙げると、リフォーム領域における外壁塗装業者などは、社内の人員・スキル不足を背景に単独でのデジタルシフトが難しく、同社のような外部企業のサービスを活用するケースが多い。この点でも、同社の事業展望は良好だ。第2投資フェーズとしながらも、トップラインの伸びを背景として利益も拡大しやすいことから、同社が長期的な目標として掲げるフリーキャッシュ・フローについても、積み上がりの機運が徐々に高まっていくと弊社では考えている。
市場展望も堅調で、インターネットメディア業界ではモバイルにおける運用型広告、動画広告の成長が加速している。2020年3月に電通グループ<4324>が発表した「2019年 日本の広告費」によると、インターネット広告費(媒体費+制作費+物販系ECプラットフォーム広告費)の市場は初めて2兆円を超え、6年連続で2ケタ成長している。加えて、コロナ禍に伴い在宅時間が増加するなかでインターネット広告の需要はさらに膨らむと見られることから、アフターコロナにおいても堅調な伸びを見せると同社では予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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