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平山 Research Memo(2):人材サービスを国内外で展開、M&Aを活用しながら事業領域を拡大中

注目トピックス 日本株
■平山ホールディングス<7781>の会社概要

1. 会社概要
同社グループは「インソーシング・派遣事業」「技術者派遣事業」を主力事業として国内外で展開している。ものづくりの工程すべてを、製造請負・派遣によって支援するとともに、製造請負においては同社グループの現場コンサルタントとの連携により、顧客企業の現場改善と生産性向上を図っている。現場でのコンサルティングサービスを強みに顧客との強固な関係を構築し、新規顧客の開拓につなげている。2015年7月に認知度の向上と人材確保を目的に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場した。2017年3月には持株会社体制へと移行し、機動的なM&Aに取り組みながら事業領域を拡充している。

2. 沿革
同社の起源は代表取締役社長の平山善一(ひらやまよしかず)氏の父である平山上一(ひらやまじょういち)氏が1955年に山口県下関市で日用品の卸売業を個人創業したことに遡る。しかし、平山善一氏は日用品の卸売ビジネスの将来性に懸念を抱き、業態転換が必要と判断した。生き残りをかけ様々な事業に取り組み、1989年に製造業の製造工程に対する構内請負業務(現 インソーシング・派遣事業)を開始した。事業が軌道に乗った1992年に(株)平山に組織変更した。

請負事業開始直後は中国地方の自動車関連企業を主力顧客にしていたが、1993年に沼津支店、1994年に宇都宮支店、1996年に高崎支店を開設するなど、徐々に東海・関東地方へ営業エリアを広げながら、事業規模を拡大した。しかし、バブル経済の崩壊と為替の円高進展によって輸出型企業の海外生産シフトが進んだことにより、同社の業績も低迷を強いられたことから、取引先企業の業種分散を進めていく。2000年に請負工程を受注したテルモ<4543>から、同社の信頼性やコンサルティング能力が高く評価されたことで取引規模が年々拡大し、ピーク時には同社売上高の5割強(2014年6月期)を占めるまで成長し、同社業績が飛躍するけん引役となった。

2008年秋に発生したリーマンショックの影響により、顧客企業からの受注が大幅に減少し業績が低迷するなかで、2009年3月には技術派遣事業を行っていた(株)トップエンジニアリングの全株式を取得し事業領域を拡大したほか、顧客ターゲットも好不況の波が少なく国内での製造が安定的に続く業種に広げるなど、営業方針の転換も進めていった。なお、同社は製造請負優良適正事業者認定制度※がスタートした2011年にその認定第1号を取得している。

※厚生労働省委託事業として運営されている「製造請負事業改善推進協議会」が、請負事業に関わる法令を遵守している請負事業者のうち、雇用改善の管理と請負体制の充実化を実現している事業者を、優良かつ適正な請負事業を行っている事業者として認定する制度。製造請負事業の適正化と雇用管理改善の推進、製造請負業界の市場競争の健全化を実現し、労働者の福祉の向上及び発注者(製造事業者)の製造業務の長期的な質的改善につなげることを目的としている。


2014年にタイにHIRAYAMA (Thailand) Co.,Ltd.(以下、平山タイ)を設立したのに続き、2015年に平山タイが現地の人材サービス会社であるJOB SUPPLY HUMAN RESOURCES Co.,Ltd.(以下、JSHR)の株式を95%取得し子会社化した。2018年には中国に浙江健平連合企業管理コンサルティング有限公司を設立し、海外での事業基盤も拡大している(教育コンサルティング事業を行っていたベトナムとフィリピンの子会社については、コロナ禍で需要低迷が続いていることもあり、2021年より休眠化している)。

2018年以降は、国内での事業領域拡大を目的としてM&Aも実施している。2018年7月に、インソーシング・派遣事業の領域拡大を図るためFUN to FUNを子会社化したほか、同年12月には平和鉄工所、2019年6月には大松サービシーズを相次いで子会社化した。

3. グループ会社
2021年6月期第2四半期末(2020年12月末)における同社の連結子会社としては、インソーシング・派遣事業及びその他事業を行う平山及びFUN to FUN、技術者派遣事業を行うトップエンジニアリング、海外事業を行う平山タイ、JSHR、平山ベトナム、浙江健平連合企業管理コンサルティング、HIRAYAMA MYANMAR Co.,Ltd.(以下、平山ミャンマー)、その他の事業を展開する(株)平山LACC、(株)平山グローバルサポーター(以下、平山GS)、平和鉄工所、大松サービシーズの12社がある。前期末(2020年6月末)のグループ人員数(限定正社員及び契約社員含む)は9,119名となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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