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平山 Research Memo(6):インソーシング・請負事業は減収増益。収益性向上と高単価派遣案件増加が寄与

注目トピックス 日本株
■平山ホールディングス<7781>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業の売上高は前年同期比4.2%減の9,099百万円、セグメント利益は同1.6%増の745百万円となった。業種別売上高では、主力の医療機器分野が堅調に推移したほか、事務機械、小売向けが伸長した。また、自動車部品向けも第2四半期に入って回復の動きが出始めている。さらに、EC事業者向けの物流派遣も売上に貢献し始めた。一方、機内食や外食業界向けをメインとする食品加工業やサービス業界向けなどは2ケタ減収となり、大きく落ち込んだ。取引社数については、前年同期の453社から469社に増加している。

利益面では、請負業務で現場の生産性改善が進み増益となったほか、単価の高い派遣案件が増加したことが増益に寄与した。具体的には、溶接工など特定技能を必要とする人材の派遣案件を大手重電メーカーから受注した。同社は溶接の熟練者がいる子会社の平和鉄工所で技能を習得させてから、派遣先に人材を送り出している。単価は一般の製造派遣よりも20〜30%高く、利益貢献度も大きい。溶接工や鈑金加工などの熟練工は年々高齢化で人材が不足している状況にあり、特定技能が必要とされる派遣のニーズは今後も増加していくものと予想される。また損益改善要因として、FUN to FUNに関するのれん償却27百万円がなくなったことも増益要因となっている。

(2) 技術者派遣事業
技術者派遣事業の売上高は前年同期比3.5%減の729百万円、セグメント利益は同5.3%減の42百万円となった。コロナ禍の収束が見えないなかで技術者増員について慎重な対応を取る企業が増加しており、特に自動車業界や自動車関連事業を行うICT業界では、外部人材を大幅に削減する動きも散見された。しかし、同社においてはグループシナジーを生かしつつ技術研修などのスキルアップによる付加価値提供を行うことで、第2四半期は大半が契約更新を果たし、1ケタ台の減収減益にとどまった。なお、取引社数については前年同期比横ばいの81社となっている。

(3) 海外事業
海外事業の売上高は前年同期比40.3%減の627百万円、セグメント損失は49百万円(前年同期は2百万円の利益)となった。売上高の9割超を占めるタイにおいて工業生産が低調に推移したことに加えて、コロナ禍の影響による経済活動の低迷が続き、派遣売上が大きく落ち込んだことが収益悪化要因となった。なお、海外事業については3ヶ月分決算期間が先行しており(2020年4月〜9月の業績が反映)、既に第3四半期の業績についてもほぼ確定している。タイの派遣売上については稼働者数の増加により前年同期比で増加に転じるものと見られる。

(4) その他事業
その他事業の売上高は前年同期比9.3%減の440百万円、セグメント損失は29百万円(前年同期は49百万円の利益)となった。コロナ禍において現場改善コンサルティング事業及び海外からの研修ツアーの売上低迷が続いたことが主因だ。ただ、コロナ禍における対応として有料のWebセミナー形式でのサービス展開を開始しており、既にインドや中国、ブラジルなど世界35ヶ国から参加実績が出ている。現場改善コンサルティングへの引き合いも増え始めており、ベトナム向けにはオンラインでの改善指導などもスタートするなど、新たな取り組みが徐々に効果を見せ始めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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