ビーロット Research Memo(5):2020年12月期は増収を達成するも、コロナ禍の影響を受け上場来初の減益
[21/03/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2020年12月期通期の業績概要
ビーロット<3452>の2020年12月期通期の連結業績は、売上高で前期比5.4%増の26,481百万円、営業利益で同56.8%減の1,719百万円、経常利益で同70.7%減の1,033百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同85.8%減の344百万円と増収を達成するも、コロナ禍の影響を受け、上場来初の減益となった。
売上高に関しては、主力の不動産投資開発事業の増収が主な要因である。2020年11月、同社がスポンサーとなるビーロットリート投資法人に「ビーロット江坂ビル」を130億円で売却した案件は、創業以来最大の売却案件となった。また、コロナ禍の影響を受けるも、売却件数は25件(前期は24件)と前期並みに推移した。減益の要因としては、コロナ禍による経済活動の停滞により、想定していた利益率を確保できなかったこと、またアフターコロナを見据えて、販売用不動産として保有していたホテルを中心とした一部物件の評価損を計上したことが挙げられる。
不動産コンサルティング事業においては、関東を中心に投資不動産の売買仲介及びコンサルティング受託案件を積み重ね、全国で28件(前期は19件)と成約を伸ばした。また、投資不動産の売買仲介やコンサルティング受託が堅調に推移したものの、コロナ禍の影響により海外顧客向けコンサルティング業務は減少した。
不動産マネジメント事業においては、プロパティマネジメントでの管理運営受託件数が101件(前期は82件)と好調に推移した。また、コロナ禍の影響によって、宿泊施設の賃料収入の減少や連結子会社ティアンドケイが受託するゴルフ場の休業などが生じたものの、管理運営受託件数の着実な増加やその他の販売用不動産の賃料収入の増加もあり、利益においては前期を上回った。
財務の安全性を維持しつつ資産規模拡大。販売用不動産(仕掛含む)は26,930百万円と増加。固定負債で長期に調達し、流動資産を増やす財務戦略を実現
2. 財務状況と経営指標
2020年12月期末の資産合計は前期末比12,406百万円増の45,961百万円となり、大幅に資産規模が拡大した。そのうち流動資産は11,595百万円増であり、販売用不動産(仕掛含む)の7,028百万円増が主な要因であった。販売用不動産(仕掛含む)の残高は26,930百万円と拡大し、将来の成長に向けた準備ができている。現金及び預金は4,418百万円の増加となり、期末残高11,571百万円と余裕がある。
負債合計は前期末比12,521百万円増の37,923百万円と大幅に増加した。そのうち流動負債は同2,773百万円増の13,866百万円であり、1年内返済予定の長期借入金の2,887百万円増が主要因である。固定負債は同9,748百万円増の24,056百万円であり、長期借入金の9,427百万円増が主要因である。固定負債(長期借入金、社債)で長期に調達し、流動資産(販売用不動産、仕掛販売用不動産等)を増やす財務戦略が実現されていることがわかる。
経営指標(2020年12月期末)では、流動比率が299.1%と安全性の目安となる200%を上回る。また、自己資本比率は17.5%と一定水準を維持しているものの、中長期的には増資なども行いつつ向上を図りたい考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 2020年12月期通期の業績概要
ビーロット<3452>の2020年12月期通期の連結業績は、売上高で前期比5.4%増の26,481百万円、営業利益で同56.8%減の1,719百万円、経常利益で同70.7%減の1,033百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同85.8%減の344百万円と増収を達成するも、コロナ禍の影響を受け、上場来初の減益となった。
売上高に関しては、主力の不動産投資開発事業の増収が主な要因である。2020年11月、同社がスポンサーとなるビーロットリート投資法人に「ビーロット江坂ビル」を130億円で売却した案件は、創業以来最大の売却案件となった。また、コロナ禍の影響を受けるも、売却件数は25件(前期は24件)と前期並みに推移した。減益の要因としては、コロナ禍による経済活動の停滞により、想定していた利益率を確保できなかったこと、またアフターコロナを見据えて、販売用不動産として保有していたホテルを中心とした一部物件の評価損を計上したことが挙げられる。
不動産コンサルティング事業においては、関東を中心に投資不動産の売買仲介及びコンサルティング受託案件を積み重ね、全国で28件(前期は19件)と成約を伸ばした。また、投資不動産の売買仲介やコンサルティング受託が堅調に推移したものの、コロナ禍の影響により海外顧客向けコンサルティング業務は減少した。
不動産マネジメント事業においては、プロパティマネジメントでの管理運営受託件数が101件(前期は82件)と好調に推移した。また、コロナ禍の影響によって、宿泊施設の賃料収入の減少や連結子会社ティアンドケイが受託するゴルフ場の休業などが生じたものの、管理運営受託件数の着実な増加やその他の販売用不動産の賃料収入の増加もあり、利益においては前期を上回った。
財務の安全性を維持しつつ資産規模拡大。販売用不動産(仕掛含む)は26,930百万円と増加。固定負債で長期に調達し、流動資産を増やす財務戦略を実現
2. 財務状況と経営指標
2020年12月期末の資産合計は前期末比12,406百万円増の45,961百万円となり、大幅に資産規模が拡大した。そのうち流動資産は11,595百万円増であり、販売用不動産(仕掛含む)の7,028百万円増が主な要因であった。販売用不動産(仕掛含む)の残高は26,930百万円と拡大し、将来の成長に向けた準備ができている。現金及び預金は4,418百万円の増加となり、期末残高11,571百万円と余裕がある。
負債合計は前期末比12,521百万円増の37,923百万円と大幅に増加した。そのうち流動負債は同2,773百万円増の13,866百万円であり、1年内返済予定の長期借入金の2,887百万円増が主要因である。固定負債は同9,748百万円増の24,056百万円であり、長期借入金の9,427百万円増が主要因である。固定負債(長期借入金、社債)で長期に調達し、流動資産(販売用不動産、仕掛販売用不動産等)を増やす財務戦略が実現されていることがわかる。
経営指標(2020年12月期末)では、流動比率が299.1%と安全性の目安となる200%を上回る。また、自己資本比率は17.5%と一定水準を維持しているものの、中長期的には増資なども行いつつ向上を図りたい考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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