サイバーコム Research Memo(6):オンライン時代の対応力強化に取り組み、2021年12月期は増収増益見通し
[21/03/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2021年12月期業績見通し
サイバーコム<3852>の2021年12月期の業績は、売上高で前期比5.3%増の14,400百万円、営業利益で同2.7%増の850百万円、経常利益で同0.8%増の850百万円、当期純利益で同4.2%増の572百万円と増収増益を見込んでいる。
2021年12月期の基本方針として、「『ビジネス改革!』〜オンライン時代の対応力強化〜」を掲げており、オンラインを活用した営業活動を積極的に推進することで増収を見込んでいる。分野別で見ると、制御ソフトウェア開発は車載向けで主要顧客に内製化の動きがあるため低迷が続く可能性があるが、通信ソフトウェア開発が5G/ローカル5Gの本格普及に向けて受注の更なる拡大が見込まれること、業務ソフトウェア開発も2019年12月期に手掛けた生命保険会社向けシステム開発案件の横展開が期待されることなどから、ソフトウェア開発事業は2期ぶりの増収に転じる見通し。サービス事業は、引き続き企業のクラウドシフトを背景にSIサービスの増収が見込まれるほか、自社プロダクトについても「Cyber Smartシリーズ」製品や「楽々セキュアコネクト」の着実な成長に加えて、「Cyber Position Navi」の売上貢献が期待される。
一方、利益面では技術者不足解消に向けた積極的な新卒及び中途採用の強化による人財確保や、オンライン研修及び技術教育の高度化による人財育成に加え、会社の信頼性向上に向けたセキュリティ対策の強化や働き方改革の推進に向けた費用の増加を見込んでいるものの、増収効果で吸収し増益を確保する。営業利益率では2020年12月期の6.1%から5.3%とやや低下するが、前期は交通費やイベント開催費用などコロナ禍で経費が減少した側面もあるため、前々期並みの水準で計画している。なお、当期純利益は前期に計上した特別損失40百万円がなくなることもあり、増益に転じる見通しだ。
(1) 営業対応力の強化
重点施策の1つ目である営業対応力の強化では、「新しい営業手法の確立と徹底的な効率化」「スピード、先回り営業による大型・高収益プロジェクトの受注獲得」に取り組んでいく。
「新しい営業手法の確立と徹底的な効率化」としては、インサイドセールス(電話やメール、Web会議システム等での営業)とフィールドセールス(訪問型営業)の役割とKPIを明確にし協働しながら、営業の生産性向上を図っていくことに加えて、新サービスやコンテンツをメニュー化し、自社Webサイトに公開していくことで、見込み案件の獲得につなげていく。
また、「スピード、先回り営業による大型・高収益プロジェクトの受注獲得」では、主要分野並びに主要顧客における更なる受注拡大と、売上拡大を見込む注力分野の見直し、チャットツールを活用した商談のスピード化やメルマガ配信によるプッシュ型営業にも注力し、新規受注の獲得につなげていく。
(2) 人財育成と確保
人財の育成と確保は中長期的な成長を図っていく上でも重要な経営課題として取り組んでいる。5Gや自動運転など先進技術を用いたシステム開発案件を多く受注していくために、スペシャリスト人財(開発と構築が両方ともできるハイブリッド技術者、専門特化技術者)の増強と、技術者研修の拡充並びに高度化(プロジェクト管理、階層別、コミュニケーション&ネゴシエーション研修等)を図っていく。
新入社員教育に関しては、実践教育の拡充による研修内容の高度化、未経験者教育の実践(研修期間の延長)、入社1年目から3年目までのフォローアップ研修(毎年)などを行っている。2020年12月期はコロナ禍で新卒社員の研修がオンライン研修となったため研修期間が例年よりやや長期化したが、2021年12月期は前年の経験を活かして、オンライン研修期間も短縮できる見通しとなっている。
人財の確保では2021年春も前年並みとなる約120名の新卒採用が決まっており、中途採用についても継続していく。また、外注パートナーとのリレーション強化や新規パートナーの開拓にも取り組み、受注能力を拡大していく考えだ。働き方改革については、引き続き残業時間の削減や有給休暇の取得促進、プレミアムフライデーの継続、多様な働き方を支える制度(在宅勤務の拡充、テレワークの推進、短縮勤務、育児・介護休業)の充実、サイバーコムキャリアアドバイザー制度(入社3年目までの社員をサポート)、オフィス環境の改善、モチベーションアップ施策(サイバーコムアワード表彰等)などに取り組んでいく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2021年12月期業績見通し
サイバーコム<3852>の2021年12月期の業績は、売上高で前期比5.3%増の14,400百万円、営業利益で同2.7%増の850百万円、経常利益で同0.8%増の850百万円、当期純利益で同4.2%増の572百万円と増収増益を見込んでいる。
2021年12月期の基本方針として、「『ビジネス改革!』〜オンライン時代の対応力強化〜」を掲げており、オンラインを活用した営業活動を積極的に推進することで増収を見込んでいる。分野別で見ると、制御ソフトウェア開発は車載向けで主要顧客に内製化の動きがあるため低迷が続く可能性があるが、通信ソフトウェア開発が5G/ローカル5Gの本格普及に向けて受注の更なる拡大が見込まれること、業務ソフトウェア開発も2019年12月期に手掛けた生命保険会社向けシステム開発案件の横展開が期待されることなどから、ソフトウェア開発事業は2期ぶりの増収に転じる見通し。サービス事業は、引き続き企業のクラウドシフトを背景にSIサービスの増収が見込まれるほか、自社プロダクトについても「Cyber Smartシリーズ」製品や「楽々セキュアコネクト」の着実な成長に加えて、「Cyber Position Navi」の売上貢献が期待される。
一方、利益面では技術者不足解消に向けた積極的な新卒及び中途採用の強化による人財確保や、オンライン研修及び技術教育の高度化による人財育成に加え、会社の信頼性向上に向けたセキュリティ対策の強化や働き方改革の推進に向けた費用の増加を見込んでいるものの、増収効果で吸収し増益を確保する。営業利益率では2020年12月期の6.1%から5.3%とやや低下するが、前期は交通費やイベント開催費用などコロナ禍で経費が減少した側面もあるため、前々期並みの水準で計画している。なお、当期純利益は前期に計上した特別損失40百万円がなくなることもあり、増益に転じる見通しだ。
(1) 営業対応力の強化
重点施策の1つ目である営業対応力の強化では、「新しい営業手法の確立と徹底的な効率化」「スピード、先回り営業による大型・高収益プロジェクトの受注獲得」に取り組んでいく。
「新しい営業手法の確立と徹底的な効率化」としては、インサイドセールス(電話やメール、Web会議システム等での営業)とフィールドセールス(訪問型営業)の役割とKPIを明確にし協働しながら、営業の生産性向上を図っていくことに加えて、新サービスやコンテンツをメニュー化し、自社Webサイトに公開していくことで、見込み案件の獲得につなげていく。
また、「スピード、先回り営業による大型・高収益プロジェクトの受注獲得」では、主要分野並びに主要顧客における更なる受注拡大と、売上拡大を見込む注力分野の見直し、チャットツールを活用した商談のスピード化やメルマガ配信によるプッシュ型営業にも注力し、新規受注の獲得につなげていく。
(2) 人財育成と確保
人財の育成と確保は中長期的な成長を図っていく上でも重要な経営課題として取り組んでいる。5Gや自動運転など先進技術を用いたシステム開発案件を多く受注していくために、スペシャリスト人財(開発と構築が両方ともできるハイブリッド技術者、専門特化技術者)の増強と、技術者研修の拡充並びに高度化(プロジェクト管理、階層別、コミュニケーション&ネゴシエーション研修等)を図っていく。
新入社員教育に関しては、実践教育の拡充による研修内容の高度化、未経験者教育の実践(研修期間の延長)、入社1年目から3年目までのフォローアップ研修(毎年)などを行っている。2020年12月期はコロナ禍で新卒社員の研修がオンライン研修となったため研修期間が例年よりやや長期化したが、2021年12月期は前年の経験を活かして、オンライン研修期間も短縮できる見通しとなっている。
人財の確保では2021年春も前年並みとなる約120名の新卒採用が決まっており、中途採用についても継続していく。また、外注パートナーとのリレーション強化や新規パートナーの開拓にも取り組み、受注能力を拡大していく考えだ。働き方改革については、引き続き残業時間の削減や有給休暇の取得促進、プレミアムフライデーの継続、多様な働き方を支える制度(在宅勤務の拡充、テレワークの推進、短縮勤務、育児・介護休業)の充実、サイバーコムキャリアアドバイザー制度(入社3年目までの社員をサポート)、オフィス環境の改善、モチベーションアップ施策(サイバーコムアワード表彰等)などに取り組んでいく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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