サイバネット Research Memo(6):無借金経営で金融資産は140億円超と財務基盤は盤石
[21/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
2. 財務状況
サイバネットシステム<4312>の2020年12月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,421百万円増加の22,242百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現預金が1,399百万円増加したほか、親会社である富士ソフト向けの短期貸付金(キャッシュ・マネジメント・システムによる取引)が1,109百万円増加し、有価証券が1,000百万円減少した。これらを合計した金融資産は前期末比1,508百万円増加の14,888百万円となっている。一方で、固定資産は、無形固定資産が437百万円増加し、投資その他の資産が222百万円減少した。
負債合計は前期末比577百万円増加の7,762百万円となった。主にベルギー子会社の助成金返還引当金439百万円を計上したことによる。また、純資産合計は前期末比844百万円増加の14,480百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が845百万円増加した。
経営指標を見ると、自己資本比率で64.2%と60%を超える水準で推移しているほか、無借金経営で金融資産が140億円を超える水準となるなど、財務内容は極めて良好な状況にあると判断される。また、収益性については、ROAで13.2%、ROEで11.3%、売上高営業利益率で13.3%とすべての指標で上昇し、10%を超える水準となっている。コロナ禍の影響で経費等が減少するなど一時的な要因もあったが、ストック型売上が過半を占めるなど安定した収益構造となっていることから、今後も10%台を維持していくことは可能と見られる。今後は、潤沢な金融資産を使ってどのように収益成長につなげていくことができるかが課題となる。
2021年12月期は増収が続くものの、費用増加により営業利益は減益を見込む
3. 2021年12月期業績見通し
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比3.4%増の22,400百万円、営業利益で同6.2%減の2,700百万円、経常利益で同6.0%減の2,670百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同7.6%増の1,680百万円となる見通しである。売上高はCAEソリューションサービス事業の国内及びアジア市場向けの伸びを見込んでいるほか、ITソリューションサービス事業では引き続きクラウド・セキュリティソリューションの伸長を見込んでいる。
営業利益及び経常利益の減少は、2020年12月期にコロナ禍の影響で減少した旅費交通費や広告宣伝費等の増加を下期に見込んでいるほか、海外子会社で計上した補助金が受領できるか不明のため見込んでいないことが主な要因となる。また、今後の成長基盤を構築していくための人材投資やシステム投資等を実行していくことも一因だ。一方で、営業活動や同社主催のセミナーのオンライン化等によって生産性向上に取り組んでおり、こうした効果が想定以上に出れば業績の上積みも可能と弊社では見ている。また、前期の営業利益の水準が一時的要因もあり高くなったことで減益見込みとなっているが、2019年12月期の営業利益が2,020百万円、営業利益率で9.5%と1ケタ台の水準であったことから考えれば、成長トレンドが継続しているとも見て取れる。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に計上した特別損失が無くなることから増益を維持できる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 財務状況
サイバネットシステム<4312>の2020年12月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,421百万円増加の22,242百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現預金が1,399百万円増加したほか、親会社である富士ソフト向けの短期貸付金(キャッシュ・マネジメント・システムによる取引)が1,109百万円増加し、有価証券が1,000百万円減少した。これらを合計した金融資産は前期末比1,508百万円増加の14,888百万円となっている。一方で、固定資産は、無形固定資産が437百万円増加し、投資その他の資産が222百万円減少した。
負債合計は前期末比577百万円増加の7,762百万円となった。主にベルギー子会社の助成金返還引当金439百万円を計上したことによる。また、純資産合計は前期末比844百万円増加の14,480百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が845百万円増加した。
経営指標を見ると、自己資本比率で64.2%と60%を超える水準で推移しているほか、無借金経営で金融資産が140億円を超える水準となるなど、財務内容は極めて良好な状況にあると判断される。また、収益性については、ROAで13.2%、ROEで11.3%、売上高営業利益率で13.3%とすべての指標で上昇し、10%を超える水準となっている。コロナ禍の影響で経費等が減少するなど一時的な要因もあったが、ストック型売上が過半を占めるなど安定した収益構造となっていることから、今後も10%台を維持していくことは可能と見られる。今後は、潤沢な金融資産を使ってどのように収益成長につなげていくことができるかが課題となる。
2021年12月期は増収が続くものの、費用増加により営業利益は減益を見込む
3. 2021年12月期業績見通し
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比3.4%増の22,400百万円、営業利益で同6.2%減の2,700百万円、経常利益で同6.0%減の2,670百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同7.6%増の1,680百万円となる見通しである。売上高はCAEソリューションサービス事業の国内及びアジア市場向けの伸びを見込んでいるほか、ITソリューションサービス事業では引き続きクラウド・セキュリティソリューションの伸長を見込んでいる。
営業利益及び経常利益の減少は、2020年12月期にコロナ禍の影響で減少した旅費交通費や広告宣伝費等の増加を下期に見込んでいるほか、海外子会社で計上した補助金が受領できるか不明のため見込んでいないことが主な要因となる。また、今後の成長基盤を構築していくための人材投資やシステム投資等を実行していくことも一因だ。一方で、営業活動や同社主催のセミナーのオンライン化等によって生産性向上に取り組んでおり、こうした効果が想定以上に出れば業績の上積みも可能と弊社では見ている。また、前期の営業利益の水準が一時的要因もあり高くなったことで減益見込みとなっているが、2019年12月期の営業利益が2,020百万円、営業利益率で9.5%と1ケタ台の水準であったことから考えれば、成長トレンドが継続しているとも見て取れる。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に計上した特別損失が無くなることから増益を維持できる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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