不二精機 Research Memo(1):自動車用精密成形品の拡大と医療用・食品容器用精密金型を2本柱に成長目指す
[21/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 精密プラスチック金型の製造を専業として売上を拡大
不二精機<6400>は、1965年に大阪市生野区で精密プラスチック金型の製造及び販売を目的に設立。以来、精密プラスチック金型の製造を専業としている。精密成形品その他事業も開始したほかグローバル展開で海外連結子会社の拡大を経て、射出成形用精密金型及び成形システム事業と精密成形品その他事業の2事業で事業展開している。
同社は、高度な金型設計ノウハウと加工技術を有し、1)ハイサイクル、2)多数個取り、3)不良率・バラツキの極小化、4)長寿命を特徴として、高付加価値な精密金型製造を行っている。また精密成形品その他事業では、精密金型の競争力を活用し、参入障壁の高い自動車関連部品分野に絞った事業展開を行っている。
2. 2020年12月期連結業績は10.3%減収、26.9%営業減益、経常利益は58.5%減と低迷
2020年12月期連結業績は売上高5,913百万円(前期比10.3%減)、営業利益283百万円(同26.9%減)、経常利益142百万円(同58.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益99百万円(同65.8%減)となった。セグメント別では射出成形用精密金型及び成形システム事業が売上高2,327百万円(同20.4%減)、営業利益267百万円(同4.4%減)となった。売上面では、射出成形用精密金型及び成形システム事業において売上高の56.7%を占める医療機器用精密金型の売上が、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響から顧客との間で検収手続きに遅延が生じたことが減収要因となった。利益面では、受注残の消化で操業度が高い状態に維持されたうえ、利益率の高い製品の売上高が想定を上回ったため、減収でも利益を維持した。納期の短い精密成形品その他事業は、売上高3,586百万円(前期比2.3%減)、営業利益23百万円(同78.6%減)となった。主力製品の自動車部品用成形品は東南アジア市場を中心に中期的な受注を獲得し、インドネシアやタイでの増産設備稼働に加え秋元精機工業(株)の子会社化もプラス要因となった。しかし、全般的にコロナ禍の影響による稼働率の低下は、経費削減を実行したものの補えきれず、利益は大幅減を余儀なくされた。
3. 2021年12月期はコロナ禍が夏には収束する前提で売上高7,180百万円、営業利益450百万円、
上場年度後の最高益更新見込む
2021年12月期会社予想は売上高7,180百万円(前期比21.4%増)、営業利益450百万円(同59.0%増)、経常利益403百万円(同183.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益373百万円(同276.8%増)としている。コロナ禍による影響が2021年夏には収束する前提で、大幅な収益回復並びに上場年度後の最高益更新を見込む。射出成形用精密金型及び成形システム事業では日本国内で医療関連製品・食品容器関連製品、中国市場での医療関連製品に注力し、内製化向上などで付加価値を高めて収益拡大を図る。精密成形品その他事業では東南アジア市場での自動車部品関連製品の受注拡大に伴い、タイ・インドネシアでの生産拡大並びに増産投資継続、利益面では自動化・半自動化投資による生産性向上等で収益性を高め実現を図っていく。
■Key Points
・2020年12月期連結業績は10.3%減収、26.9%営業減益、経常利益は58.5%減と低迷
・2021年12月期会社予想は2021年夏にはコロナ禍が収束する前提で21.4%増収、営業利益59.0%増と上場年度後の最高益更新を見込む
・自動車用精密成形品と医療用・食品容器用精密金型を2本柱に着実な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
<EY>
1. 精密プラスチック金型の製造を専業として売上を拡大
不二精機<6400>は、1965年に大阪市生野区で精密プラスチック金型の製造及び販売を目的に設立。以来、精密プラスチック金型の製造を専業としている。精密成形品その他事業も開始したほかグローバル展開で海外連結子会社の拡大を経て、射出成形用精密金型及び成形システム事業と精密成形品その他事業の2事業で事業展開している。
同社は、高度な金型設計ノウハウと加工技術を有し、1)ハイサイクル、2)多数個取り、3)不良率・バラツキの極小化、4)長寿命を特徴として、高付加価値な精密金型製造を行っている。また精密成形品その他事業では、精密金型の競争力を活用し、参入障壁の高い自動車関連部品分野に絞った事業展開を行っている。
2. 2020年12月期連結業績は10.3%減収、26.9%営業減益、経常利益は58.5%減と低迷
2020年12月期連結業績は売上高5,913百万円(前期比10.3%減)、営業利益283百万円(同26.9%減)、経常利益142百万円(同58.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益99百万円(同65.8%減)となった。セグメント別では射出成形用精密金型及び成形システム事業が売上高2,327百万円(同20.4%減)、営業利益267百万円(同4.4%減)となった。売上面では、射出成形用精密金型及び成形システム事業において売上高の56.7%を占める医療機器用精密金型の売上が、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響から顧客との間で検収手続きに遅延が生じたことが減収要因となった。利益面では、受注残の消化で操業度が高い状態に維持されたうえ、利益率の高い製品の売上高が想定を上回ったため、減収でも利益を維持した。納期の短い精密成形品その他事業は、売上高3,586百万円(前期比2.3%減)、営業利益23百万円(同78.6%減)となった。主力製品の自動車部品用成形品は東南アジア市場を中心に中期的な受注を獲得し、インドネシアやタイでの増産設備稼働に加え秋元精機工業(株)の子会社化もプラス要因となった。しかし、全般的にコロナ禍の影響による稼働率の低下は、経費削減を実行したものの補えきれず、利益は大幅減を余儀なくされた。
3. 2021年12月期はコロナ禍が夏には収束する前提で売上高7,180百万円、営業利益450百万円、
上場年度後の最高益更新見込む
2021年12月期会社予想は売上高7,180百万円(前期比21.4%増)、営業利益450百万円(同59.0%増)、経常利益403百万円(同183.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益373百万円(同276.8%増)としている。コロナ禍による影響が2021年夏には収束する前提で、大幅な収益回復並びに上場年度後の最高益更新を見込む。射出成形用精密金型及び成形システム事業では日本国内で医療関連製品・食品容器関連製品、中国市場での医療関連製品に注力し、内製化向上などで付加価値を高めて収益拡大を図る。精密成形品その他事業では東南アジア市場での自動車部品関連製品の受注拡大に伴い、タイ・インドネシアでの生産拡大並びに増産投資継続、利益面では自動化・半自動化投資による生産性向上等で収益性を高め実現を図っていく。
■Key Points
・2020年12月期連結業績は10.3%減収、26.9%営業減益、経常利益は58.5%減と低迷
・2021年12月期会社予想は2021年夏にはコロナ禍が収束する前提で21.4%増収、営業利益59.0%増と上場年度後の最高益更新を見込む
・自動車用精密成形品と医療用・食品容器用精密金型を2本柱に着実な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
<EY>