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C&R社 Research Memo(10):3ヶ年の中期経営計画を策定、年率7%の売上成長と収益性の向上を目指す

注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略

1. 中期経営計画
クリーク・アンド・リバー社<4763>はプロフェッショナル分野という定義で、テレビ・映像、ゲーム、Web、医療、会計、法曹等多くの分野で事業を展開しているが、今後は既存事業領域の深掘りに加えて周辺領域への展開や付加価値の高い新規サービスを創出・育成していくことで成長を目指していく戦略となっている。こうしたなか、今回新たに3ヶ年の中期経営計画を発表した。「プロフェッショナルとともに事業を創造することにより豊かな社会を創る」ことをテーマとし、プロフェッショナルが世界中で活躍できる環境の構築と、プロフェッショナルのアイデアをプロデュースして激変する社会に向けて新規事業の創出に取り組んでいく方針を打ち出した。

基本戦略として、プロフェッショナル分野のさらなる拡大、新規サービスの創出、経営人材の創出、コーポレート・ガバナンス強化の4点に注力し、2024年2月期に売上高460億円、営業利益35億円、営業利益率7.6%を業績目標として設定した。今後3年間の平均成長率は売上高で7.2%、営業利益で12.7%となり、営業利益率は前期実績の6.5%から7.6%に上昇する。2021年2月期までの10年間の平均成長率は売上高で10.8%、営業利益で16.1%となっており、今後も持続的かつ安定的な成長を目指していくことになる。

既存・新規含めたプロフェッショナル分野における人材ネットワーク拡充により、エージェンシー事業とプロデュース事業の持続的な売上成長に取り組み、電子書籍やYoutube関連、VR・AI関連といった付加価値の高い事業を育成していくことで、収益性の向上を図っていく戦略だ。従来は人材サービスを中心に事業分野を拡大しながら成長を続けてきたが、今後は人材サービスに同社が保有する知財を活用することで新たな価値(サービス・商品)を創出し、事業規模の拡大とともに収益性も向上していく戦略となる。例えば、VR事業では撮影や編集業務を行うプロフェッショナル人材だけでなく、そのツールも併せて提供することで付加価値の高い事業に昇華させていくことが可能となる。


プロフェッショナル領域を50分野まで拡大し、長期目標として売上高1,000億円、営業利益100億円を目指す
2. 長期目標
同社は、長期的な業績目標として売上高で1,000億円、営業利益で100億円を掲げている。営業利益率はプロフェッショナル知財エージェンシーへの取り組みを推進していくことで、10.0%まで引き上げていくことを目指している。プロフェッショナル分野として、2020年にはアスリートやCXO分野のエージェンシー事業を開始し、現在は18分野で事業展開しているが、長期目標としては50分野まで領域を広げていく考えだ。また、プロフェッショナル人材ネットワークは現在の30万人超から150万人に、顧客数は3.8万社から15万社に拡大することを目標としている。

目標の早期実現のため、M&Aも積極的に進めていく意向で、そのための資金調達手段としてグループ会社のIPOも戦略の1つとして掲げている。IPO候補としてはVR JapanのほかIdrasysやプロフェッショナルメディア等が挙げられ、なかでも成長期待の大きいVR JapanやIdrasysの動向が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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