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パイプドHD Research Memo(3):自社開発のプラットフォーム「SPIRAL(R)」を軸に事業展開(2)

注目トピックス 日本株
■会社概要

(3) 事業セグメント
パイプドHD<3919>では事業セグメントを、2018年2月期までは「情報資産プラットフォーム事業」「広告事業」「ソリューション事業」「社会イノベーション事業」の4つに分けていたが、2019年2月期からは大分類として「機能別事業群」「分野別事業群」「グループ共通」に分け、それぞれの事業群の中に各事業を振り分けた。

大分類は、対象とする顧客群(営業活動の対象)によって分けられている。「機能別事業群」は、クラウド等のIT基盤の活用により、CRM、販売促進、EC等の業務効率化に伸びしろが期待される企業や団体全般をターゲット顧客とした事業群であり、言い換えれば水平的(Horizontal)に営業活動を行える事業群である。「分野別事業群」は、クラウド等のIT基盤を活用した新たな情報共有モデルの実現によって、イノベーションが期待される特定の業界や分野をターゲットとした事業群、つまり垂直的(Vertical)に営業活動を行う事業群となっている。また、「グループ共通」は、それまで各事業分野に振り分けていた純粋持株会社の管理費用、グループ採用及び育成にかかる費用等を切り出したものである。

なお、グループの成長の方向性をより明確にするために、2022年2月期から事業セグメントを変更することを発表している。具体的には、今までの販促CRMソリューション事業を分割し、ソリューションを提供する部分を情報資産プラットフォーム事業(クラウド)と合わせて「ホリゾンタルDX」セグメントとする。また、その他の販促CRMソリューション事業部門と広告事業を融合させ、新たに「カストマーエンゲージメント」セグメントとする。なお、従来の分野別事業群は業種・業界に特化したソリューションであるため、名称を「バーティカルDX」セグメントと変更する(詳細は後述)。

(4) 主な連結子会社と事業内容
主力事業(「SPIRAL(R)」)を行うパイプドビッツに加え、同社では以下の子会社群を通じてそれに関連した様々な事業を行っている。

a) ペーパレススタジオジャパン(株)
建設プロジェクトプロデュース&マネジメントやBIMコンサルタント事業を手掛ける。設計や施工に携わる人々を対象としたBIM/CIM人材講座も展開している。2012年5月にBIM建築情報プラットフォーム「ArchiSymphony(R)」を提供開始した。さらに2017年9月には、国内初となるBIM/CIMコラボレーション専用クラウドサービス「ArchiSymphonyVBP」をリリースした。

b) (株)VOTE FOR
ネット投票の実現のために2017年3月に設立された。ブロックチェーンなどの新技術を生かした投票システムの構築を目指している。カンパニー時より運営していた政治・選挙情報サイト「政治山(R)」の運営も引き続き行う※。

※2019年5月1日にパブリカを吸収合併した。


c) (株)ゴンドラ
それまでのメディアストラテジーカンパニーを2016年3月1日付で分社化した。広告ソリューション、Webソリューション、ソーシャルマネジメントの3つのサービス領域を展開する。企画、制作、システム開発、運用面における独自のサービスメニューと、「スパイラルアフィリエイト(R)」「SPIRAL(R)」などの情報管理プラットフォームを活用したIT技術を掛け合わせることにより、企業の経営課題の解決や事業活動の最適化をワンストップで実現することを可能にしている。

d) (株)フレンディット
eコマースに関するシステム運用、オンラインショップ運営、施策レベルのオムニチャネルを総合的に支援する。顧客の共通課題である人手不足・経験不足を補い、ITによる業務最適化から商品/会員/購買データ利活用の推進まで、「販売・売上」に直結するマーケティング活動をプロデュースしている。社内のアパレル・ファッションカンパニーから2016年3月1日付で分社化した。

また2018年4月にはパイプドビッツが持つ「SPIRAL EC(R)」及び「SPIRAL PLACE(R)」を譲受し、さらにASP/SaaS型コールセンタープラットフォームサービス「BizBase(R)」を提供していた(株)アズベイスを吸収合併した。これにより、「SPIRAL EC(R)」と「SPIRAL PLACE(R)」、さらにはクラウドCTIを融合した新サービスの開発を推進してきたが、2020年5月には再び「SPIRAL PLACE(R)」をパイプドビッツに譲渡した。パイプドビッツが持つHRクラウドサービスの情報資産と親和性の高い「SPIRAL PLACE(R)」を連携させることで、働き方改革及び顧客企業の事業継続をより一層高めることが可能となった。

e) (株)美歴
美容室向け電子カルテアプリ「美歴(R)」を中心としたITサービスの提供を通じ、一人でも多くの美容に携わる人たちの価値向上に貢献し、美容をもっと身近に楽しめるものにして、人々の生活をより豊かにすることを目指し事業活動を行っている。それまでの美歴カンパニーから2016年3月1日付で新設・分社化した。

f) (株)カレン
情報資産を統合し、ユーザーへのベストメッセージングを実施するなかで、Webアクセスの向上及びロイヤルユーザーを育成するデジタルCRM(コミュニケーション・データマネジメント設計、メッセージのクリエイティブ・構築、メッセージのデリバリー、効果検証等の運用サービスの提供)を主力事業とする企業。情報資産利活用とITソリューションのノウハウを持つパイプドビッツと、常駐型のマーケティング支援に強みを持つカレンとの事業シナジーを志向し、2015年12月に出資比率を上げて子会社化した。

g) (株)アイラブ
地域活性化プロジェクト「I LOVE 下北沢」をさらに進めると同時に、電子地域通貨を活用した少額決済で投げ銭やチップなどの新しい取引の創造を目指すために、2017年3月に設立された。

h) (株)エルコイン
2017年12月に設立されたエルコインに70%の資本出資を行い連結子会社化。エルコインは、ブロックチェーン技術を活用した電子地域通貨プラットフォームを地方自治体や事業会社、地域金融機関に提供して決済システムを構築し、地域のキャッシュレス化を進める。また同社のプラットフォームによって、独自の電子地域通貨を低コストで発行し、決済システム及び店舗のポイントシステムを容易に構築することが可能となる。

i) (株)シモキタコイン
エルコインの子会社(同社の孫会社)として2018年3月に設立された。エルコインが提供する電子地域通貨プラットフォームを利用し、下北沢地域に限定した電子地域通貨を発行する。またアイラブと協業して地元の店舗から出資・加盟店を募り、地域経済の活性化を目指している。

j) ダブルシャープ・パートナーズ(株)
同社グループの中長期的な発展と、収益力の拡大に資することを目的に、グループ内外のベンチャー企業へ投資することにフォーカスする専門組織として、2020年3月4日に設立された。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




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