キャリアリンク Research Memo(1):事務系人材サービス事業を中心に市場シェアが拡大、さらなる成長を目指す
[21/05/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
キャリアリンク<6070>グループは、BPO(Business Process Outsourcing)関連を中心とした事務系人材サービス事業を中心に、製造系人材サービス事業、営業系人材サービス事業へと展開する総合人材サービス会社。大量動員・早期立ち上げを必要とするプロジェクトの運用ノウハウに強みを持つ。2018年3月に金融業界向け人材サービス会社の(株)ジャパン・ビジネス・サービス(以下、JBS)の株式を取得し、完全子会社化した。
1. 2021年2月期の業績概要
2021年2月期の売上高は前期比43.5%増の30,276百万円、営業利益は同294.3%増の2,729百万円と大幅な増収増益となった。主力事業であるBPO関連事業部門で官公庁案件を中心に新規大型案件を多く受注できたことが主因で、事務系人材サービス事業の売上高は同62.7%増と急拡大した。収益率の高い案件を受注できたことによる売上総利益率の改善並びに就業スタッフの効率的な募集を実施したことによる経費の抑制などが図られた結果、営業利益率も前期の3.3%から9.0%に大幅上昇した。
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期は13ヶ月の変則決算となり、売上高は39,000百万円、営業利益は2,830百万円を見込む。営業利益率が7.3%に低下するが、これは前期に採算の良いスポット案件を多く受注できたことや、BPO関連事業部門の新規案件立ち上げに伴う一時的なコスト増などを見込んでいるためだ。なお、上期業績(2021年3月〜8月)では、売上高で前期比8.5%増の15,150百万円、営業利益で同15.5%減の1,100百万円と増収減益見通しだが、このなかには3月末の計画策定段階で未確定だった短期スポット案件を織り込んでいないことなどから、上振れ余地は大きいと弊社では見ている。また、製造系人材サービス事業の受注が回復してきているのも追い風となるだろう。
3. 中期経営計画
同社は、2024年3月期までの3ヶ年の中期経営計画を策定した。2024年3月期の業績目標値は売上高で46,980百万円、営業利益で4,240百万円とし、2021年2月期実績からともに1.5倍増、年平均成長率で15.8%増を目指す。売上高は、事務系人材サービス事業だけでなく製造系及び営業系人材サービス事業についても年率2ケタ増で拡大していく見込みである。また、事務系人材サービス事業では、前期から取り組んできた既存顧客・ビジネスパートナーとの関係強化だけでなく、新規顧客・ビジネスパートナーとの取引拡大によって、マイナンバー関連業務や自治体・民間の基幹業務、金融分野などのBPO需要を取り込み、さらなる成長を目指す。また、製造系人材サービス事業では新規エリアへの進出、営業人材サービスについては新規案件の獲得によってそれぞれ事業規模を一段と拡大していく。利益面では、人的投資やシステム投資を継続しながら、DX化への取り組み等によって業務効率を一段と向上し、2024年3月期の営業利益率で9.0%と2021年2月期並みの水準を目指す。
4. 株主還元策
同社は株主還元策として、配当金については安定配当の継続を基本に業績状況等を勘案して決定していく方針としている。2021年2月期の1株当たり配当金については、業績及び財務状況等を総合的に勘案し、前期比10.0円増配となる20.0円(配当性向11.6%)とし、4期ぶりの増配を実施した。2022年3月期の1株当たり配当金は、前期比横ばいの20.0円(配当性向11.3%)を予定している。また、株主優待として毎年8月末の株主に対して保有株式数や継続保有年数に応じてQUOカードを贈呈している。
■Key Points
・官公庁向けを中心としたBPO関連事業部門の拡大により、2021年2月期は大幅増収増益を達成
・2022年3月期業績は好採算案件の減少や新規案件の立ち上げコスト増により利益率低下を見込むものの、保守的な印象が強い
・年率2ケタの売上成長により、3年後に売上高、営業利益ともに1.5倍増を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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キャリアリンク<6070>グループは、BPO(Business Process Outsourcing)関連を中心とした事務系人材サービス事業を中心に、製造系人材サービス事業、営業系人材サービス事業へと展開する総合人材サービス会社。大量動員・早期立ち上げを必要とするプロジェクトの運用ノウハウに強みを持つ。2018年3月に金融業界向け人材サービス会社の(株)ジャパン・ビジネス・サービス(以下、JBS)の株式を取得し、完全子会社化した。
1. 2021年2月期の業績概要
2021年2月期の売上高は前期比43.5%増の30,276百万円、営業利益は同294.3%増の2,729百万円と大幅な増収増益となった。主力事業であるBPO関連事業部門で官公庁案件を中心に新規大型案件を多く受注できたことが主因で、事務系人材サービス事業の売上高は同62.7%増と急拡大した。収益率の高い案件を受注できたことによる売上総利益率の改善並びに就業スタッフの効率的な募集を実施したことによる経費の抑制などが図られた結果、営業利益率も前期の3.3%から9.0%に大幅上昇した。
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期は13ヶ月の変則決算となり、売上高は39,000百万円、営業利益は2,830百万円を見込む。営業利益率が7.3%に低下するが、これは前期に採算の良いスポット案件を多く受注できたことや、BPO関連事業部門の新規案件立ち上げに伴う一時的なコスト増などを見込んでいるためだ。なお、上期業績(2021年3月〜8月)では、売上高で前期比8.5%増の15,150百万円、営業利益で同15.5%減の1,100百万円と増収減益見通しだが、このなかには3月末の計画策定段階で未確定だった短期スポット案件を織り込んでいないことなどから、上振れ余地は大きいと弊社では見ている。また、製造系人材サービス事業の受注が回復してきているのも追い風となるだろう。
3. 中期経営計画
同社は、2024年3月期までの3ヶ年の中期経営計画を策定した。2024年3月期の業績目標値は売上高で46,980百万円、営業利益で4,240百万円とし、2021年2月期実績からともに1.5倍増、年平均成長率で15.8%増を目指す。売上高は、事務系人材サービス事業だけでなく製造系及び営業系人材サービス事業についても年率2ケタ増で拡大していく見込みである。また、事務系人材サービス事業では、前期から取り組んできた既存顧客・ビジネスパートナーとの関係強化だけでなく、新規顧客・ビジネスパートナーとの取引拡大によって、マイナンバー関連業務や自治体・民間の基幹業務、金融分野などのBPO需要を取り込み、さらなる成長を目指す。また、製造系人材サービス事業では新規エリアへの進出、営業人材サービスについては新規案件の獲得によってそれぞれ事業規模を一段と拡大していく。利益面では、人的投資やシステム投資を継続しながら、DX化への取り組み等によって業務効率を一段と向上し、2024年3月期の営業利益率で9.0%と2021年2月期並みの水準を目指す。
4. 株主還元策
同社は株主還元策として、配当金については安定配当の継続を基本に業績状況等を勘案して決定していく方針としている。2021年2月期の1株当たり配当金については、業績及び財務状況等を総合的に勘案し、前期比10.0円増配となる20.0円(配当性向11.6%)とし、4期ぶりの増配を実施した。2022年3月期の1株当たり配当金は、前期比横ばいの20.0円(配当性向11.3%)を予定している。また、株主優待として毎年8月末の株主に対して保有株式数や継続保有年数に応じてQUOカードを贈呈している。
■Key Points
・官公庁向けを中心としたBPO関連事業部門の拡大により、2021年2月期は大幅増収増益を達成
・2022年3月期業績は好採算案件の減少や新規案件の立ち上げコスト増により利益率低下を見込むものの、保守的な印象が強い
・年率2ケタの売上成長により、3年後に売上高、営業利益ともに1.5倍増を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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