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ポート Research Memo(1):2021年3月期は計画比で良好な着地、投資の奏功により将来の成長基盤構築が進む

注目トピックス 日本株
■要約

ポート<7047>はインターネットメディアを複数運営している。メディアのジャンルは多岐にわたるが、「就職領域」「リフォーム領域」「カードローン領域」の3つの領域を主力としつつ、新規領域として自治体向けや医療系などのメディアも開発・育成している。

1. 業績動向
2021年3月期の連結業績は、売上高が4,704百万円(前期比14.6%増)、EBITDAが188百万円(同76.2%減)、営業損失が66百万円(前期は699百万円の利益)、経常損失が62百万円(同708百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が52百万円(同382百万円の利益)となった。第2四半期以降順調に売上高を伸ばしており、下期においてはコロナ禍でありながらも高い成長率を実現した。この結果、2021年3月11日に上方修正した業績予想に対しても、売上高は2.3%増、EBITDAは下限予想に対し88.0%増、営業利益以下の利益指標についても業績予想のレンジ内に着地した。

就職領域では、採用ニーズの回復及びオンライン就活への移行等を背景に、第3四半期より前年同水準に回復し、第4四半期の売上高は前年同四半期比5.3%増の成長トレンドとなっている。リフォーム領域では、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によるリフォーム需要の増加や、対面型の営業自粛等によるネット申込の増加を受けて好調に推移し、第4四半期の売上高は同25%増となった。なお、広告運用ナレッジが蓄積してきているため、今後はより一層効率的にユーザーの獲得が期待できると弊社では見ている。カードローン領域では、コロナ禍により消費減退の影響を受けるも、第3四半期より進めている積極的な広告投資によって顧客予算を獲得し、第4四半期の売上高は同28.3%増となった。

2. 今後の見通し
2022年3月期の連結業績見通しについては、売上高が7,000百万円〜7,500百万円(前期比48.8%増〜59.4%増)、EBITDAが500百万円〜900百万円(同164.7%増〜376.5%増)、営業利益が400百万円〜700百万円、税引前利益が400百万円〜700百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が300百万円〜500百万円を見込んでいる。各セグメントで売上高・利益ともに成長時期にあることから通期予想の達成確度は高いこと、これまで上場後の業績予想を3期連続で高い達成率を実現していることを考慮すると、レンジの上限付近もしくは上限を超える好業績も期待できると弊社は見ている。

3. 中長期の成長戦略
同社は、中期経営計画として2023年3月期に連結売上高100億円以上、連結EBITDA20億円以上を目指している。積極的にM&Aを行っている同社の売上高はオーガニック成長をベースとしており、売上高の約8割は既存事業からなる。新規事業は戦略的に練られたM&Aによって展開し、既存事業はコンテンツ投資やシステム投資を通して拡大していく方針だ。投資を通じて拡大していくコンテンツやビッグデータなどのストック資産も貢献するため、同社のマッチングDXサービスへの引き合いは今後も強まると弊社は予想する。また、同社は業績予想に対して売上高、営業利益ともに高い達成率を実現しており、上場後3期連続で上方修正していることにも注目したい。

■Key Points
・2021年3月期は就職領域の成長ペース加速等が寄与し、計画比で良好な着地
・投資の継続により成長ポテンシャルがさらに高まることから、2022年3月期に売上高7,000百万円到達の確度は高い
・オーガニック成長をベースに、2023年3月期に連結売上高100億円以上、連結EBITDA20億円以上を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)




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